#308【ゲスト/心理】聴きながら実践可! 呼吸で心を整える
このnoteは2022年1月14日配信のVoicyの音源「フォレスト出版チャンネル|知恵の木を植えるラジオ」の内容をもとに作成したものです。
マイブレス式呼吸法の「水の呼吸」のやり方
渡部:フォレスト出版チャンネル、パーソナリティの渡部洋平です。今日も昨日に引き続きまして、呼吸の専門家の日本マイブレス協会、代表理事の倉橋竜哉さんにゲストにお越しいただきました。倉橋さん、よろしくお願いいたします。
倉橋:よろしくお願いします。
渡部:本日も森上さんとお伝えしていきます。
森上:よろしくお願いします。
渡部:昨日は倉橋さんのこれまで歩んで来られた人生、今のお仕事、そして呼吸の大切さについて詳しくお伺いしてまいりました。昨日の放送もぜひぜひチェックしてみてください。本日は倉橋さんが開発されましたマイブレス式呼吸法について詳しくお伺いしてまいりたいと思います。では、ここからは森上さんにバトンタッチしたいと思います。
森上:はい。昨日の最後のほうに渡部さんが「鬼滅の刃」の呼吸のお話をしていたんですけど、そのあたりっていうのはたまたまなんですよね?
倉橋:そうですね。本当にたまたまなんですけども、うちでも「水の呼吸」というのがございまして(笑)。それで検索していただいて、うちのホームページをご覧いただいたりとかして。
森上:(笑)。
倉橋:小学生とかも下校中とかに「全集中! 水の呼吸!」とかやっているのを見ると、うれしくなってきちゃったりとかして、本当に呼吸法という間口が一気に広がったなあっていうのがここ2~3年で感じますね。
森上:そうですか。それはすごい。思わぬギフトと言うか、世の中に広まったっていう感じですね。
倉橋:そうですね。
森上:マイブレス式呼吸法というのは、もう10年前ぐらいから始まって、ある程度確立されている中で、何種類ぐらいの呼吸法があるんでしたっけ?
倉橋:おかげ様で今は20種類、提供しております。
森上:おぉ! 20種類!?
倉橋:はい。
森上:それは第一作目の『呼吸で心を整える』の本の中では5つ……。
倉橋:5種類でしたね。
森上:1つずつお伝えしますと、「緊張感を和らげる、ゆるめる呼吸」。2つ目が「集中力が高まる、これは水の呼吸じゃなくて、数える呼吸」。
倉橋:そうですね(笑)。はい。
森上:そして3つ目が、「嫌な気持ちをリセットする、歩く呼吸」。そして、4つ目が「頭の中に浮かんだ雑念を吐き出す、声を出す呼吸」。5つ目が、「イライラや怒りを鎮める、鎮める呼吸」。この5つについていろいろと詳しくお聞きしたんですが、それ以外にもあるということですね?
倉橋:そうですね。目的別に20種類、ご用意しております。
森上:その目的別で言うと、今、挙げた5つ以外にはどんなものがあるんでしょうか?
倉橋:そうですね。1週間、7曜日。月曜日から日曜日までありますけども、その曜日ごとに取り組める、例えば月曜日でしたら「お月様の呼吸」。火曜日でしたら「火の呼吸」。水曜日でしたら「水の呼吸」というかたちで曜日別の、毎日新鮮な気持ちで取り組める呼吸法であったり、あとは自分の願望と言うか、目標であったりとか、自分の想いを叶えるための、「想いを描く呼吸」というイマジネーションの呼吸法であったりとか、いろいろと用意させていただいております。
森上:そうなんですね。かなり進化している感じですね。
倉橋:そうですね、おかげさまで。
森上:実際に20種類の中で人気のある呼吸法ってあったりするんですか?
倉橋:そうですね。やはり最近よく聞かれるのが「水の呼吸」でして(笑)。
森上:(笑)。
倉橋:たまたま昨日、ある女性誌の取材があったんですけど、それも「水の呼吸について教えてほしい」ということで、指導させていただいたりとか、やはり「鬼滅の刃」効果すごいなっていうのを実感しております(笑)。
森上:なるほど(笑)。もしお差し支えなければ、その水の呼吸って、どんな呼吸法なのかを口頭でご解説いただけるんですかね?
倉橋:承知いたしました。簡単に紹介させていただきますけれども、そもそも目的が、「水の呼吸」というのは、心を落ち着ける、穏やかにしていくという呼吸法ですね。イメージで言うと、湖の水面に風がうわーっと吹いて波立っている状態から風が止んでピシッと鏡みたいになっていくような、そんな呼吸法ですね。
やり方はすごく簡単でして、立っても座ってもできるんですけども、両手をまず胸に当てていただいて、息を吐きながら、ふーっと体を触りながら、おへその下まで下ろしていく。で、息を吸いながら手を放して、胸まで戻していくという呼吸法ですね。体を触りながら、自分の体の重心をおへその下まで下げていって、吸いながらまた手を戻していってというのを3回ぐらい繰り返すっていう呼吸法ですね。
森上:なるほど。これは戻すときは体に触れないほうがいいんですか?
倉橋:そうですね。体に触れずに胸まで戻してということですね。
森上:なるほど。手を下げるときには体に触れたほうがいい?
倉橋:そうですね、手を触れながら。体の重心が上のほうにあると、まわりに振り回されやすい、ブレやすい、不安定な状態になりますけども、体の重心を触りながら、息を吐きながら、おへその下まで降ろしてやって、重心が下がることによって、ブレない状態、落ち着いた状態を取り戻していくという呼吸法になります。
森上:なるほど。すごくわかりやすかったです。それが水の呼吸ですね?
倉橋:そうです。水曜日の水の呼吸になります。
森上:マイブレス式呼吸法の中で一番大事なのは、吸うことより吐くことだとおっしゃっていますよね?
倉橋:そうですね。もちろん吸うことも大事なんですけども、我々はどちらかと言うと吸うことに意識が向きがちで、吐くことを忘れがちだと思うんですね。呼吸をするって言うと、皆さん、たくさん吸わなきゃと思う方が多いと思うんですけども、まずはしっかり吐くことによって、おのずと新鮮な空気が入ってくる。出すと入るっていうのをぜひ呼吸を通じて実感して欲しいなあと考えております。
森上:なるほど。1作目の『呼吸で心を整える』の帯コピーで使わせていただいた、「“前向きな『ため息』で感情に振り回されなくなる。」「ため息はプラスなことなんだよ」っていうメッセージを打ち出させていただいたんですが、ため息ってどちらかと言うと、「幸せが逃げていくよ」なんて、よく言われるんですけど。
倉橋:言われますよね(笑)。私はため息に関しては、ゲップとかおならと一緒っていう話をさせていただいておりまして、ゲップもおならもあんまり人前でするものではないですけど、我慢するのもよくないじゃないですか。ちゃんと出す時は出さないといけない。ため息も一緒で、人前でするものではないですけど、我慢しすぎると心に負担がかかって、心が折れてしまったり、弊害につながってくるよっていうところがありますね。
森上:なるほどね。「ため息をしたかったら、どんどんしたらいいよ」っておっしゃっていただいて、すごく新鮮だったんですけど。
倉橋:そうですね。森上さんと一緒に作らせていただいた本の中で、どうせなら積極的な、前向きなため息をしようよっていうことを、それこそ帯に使っていただいて、それがきっかけで多くの方に来ていただいて、ありがたいなと思いますね。
森上:本当に誰もがね、全部人類が読者対象ですもんね。
倉橋:そうですね(笑)。本当に赤ちゃんからご老人まで、男女問わず、皆さん呼吸していますからね。
森上:そうですよね。呼吸一つで変わるっていうのは、すぐに手軽にできるっていうことで、しかも作法がいっぱいあってっていうわけではないのが、またウケたのかもしれないですね。
倉橋:そうですね。道具とかも必要ないですし。やりたいときにできるというのが大きいところですね。
【実践】緊張感を和らげる「ゆるめる呼吸」
森上:そうですよね。先ほど、水の呼吸は教えていただいたんですが、『呼吸で心を整える』の中で最初に取り上げている、「緊張感を和らげる、ゆるめる呼吸」について、やり方をちょっと皆さんに教えていただくことできますでしょうか?
倉橋:はい。承知いたしました。ゆるめる呼吸ですね。これは何をゆるめるかと言うと、緊張感をゆるめていくという呼吸法ですね。やり方はすごく簡単でして、鼻から息を吸いながら、肩をグーっと持ち上げていきます。で、もうこれ以上吸えない、これ以上肩が持ち上がらないってなった状態で、息を「あ゛ぁぁー(野太い声で)」っと吐いて、肩を脱力して、落としていきます。この時に2つポイントがあって、1つは、息を吐く時に上品に吐くんじゃなくて、「あ゛ぁぁー(野太い声で)」って、おっさんみたいな野太い声を出していただくってが、1つのポイントになります。なんでおっさん声を出すのかって言うと、声を出す、特に野太い声を出すことによって、全身を楽器のように弾かせて、全身の緊張感をゆるめていくという効果があります。もちろんまわりに人がいたら、なかなか野太い声って出しづらいと思うんですけども、人がいない時でしたら「あ゛ぁぁー(野太い声で)」ってやられるといいと思います。お風呂に入った時に「あ゛ぁぁー(野太い声で)」って声が出るとおもんですけども、あれも同じようなところだと思いますね。あともう1つの大事なポイントが、余韻を味わうというところですね。息を吐いたときに、「あ゛ぁぁーあ(野太い声で)」で終わるんじゃなくて、「あ゛ぁぁーーー(野太い声で)。ああ気持ちいい」って、最後の余韻を味わっていただくところっていうのが、とても大事なポイントになります。何か感じている時って、頭の中でいろいろと考えられないと思うんですね。緊張している時なんか、「この後に、これが起こったらどうしよう」とかいろいろと頭の中に考えことが浮かんでいると思うんですけど、感じることによって、それをいったん置いとくことができますので、緊張感を取り除くことができますね。この2点をちょっと意識してやってみてください。
森上:わかりやすいですね。今、手元に本がないのですが、ゆるめる呼吸のときに、その野太い声をどう表現しようかって、倉橋さんに相談して、「あ゛」で表現した覚えがあるんですよね。
倉橋:なかなか言葉を扱う出版社の方に、これどういうふうにお伝えすればいいのかなというところで、反則技なんじゃないかと思ったんですけど、ご対応いただいてありがとうございます。
森上:(笑)。「あ」に「゛」というね。あの辺の感じですよね。
倉橋:まさに。
森上:あの文字を見ていただくと、なんとなく意識ができるんじゃないかなと思いますね。それを3回くらい繰り返せばいいんですかね?
倉橋:そうですね。何十回もやる必要はありません。もう2、3回で結構です。
森上:それだけでも、だいぶ緊張感が和らぐということですね?
倉橋:そうですね。私自身も人前でしゃべるときにたまに緊張することもありますけれども、やはりこれを事前に行ったりすると、リラックスできますし、あるいは人前でしゃべるときに皆さんを巻き込んで一緒にその場でやると、空気全体の緊張感が取れたりとかしますね。
森上:なるほどね。その場で、みんなでやっちゃうっていうことですね?
倉橋:はい。「一緒にやりましょう!」ってやると、ちょっと手軽なアイスブレイクにもなったりとかしますね。
【実践】イヤな気持ちをリセット「歩く呼吸法」
森上:なるほど、なるほど。それは場を和らげるっていう意味でも、すごくいいかもしれないですね。あともう1つ、「嫌な気持ちをリセットする、歩く呼吸」というものをちょっとご解説いただくことはできますか?
倉橋:はい。歩く呼吸ですけども、これは自分の頭の中の気持ちをリセットするというものですけれども、歩きながらする呼吸法で、会社に行くときに、「もう今日の会議、いやだな」とか、「あの人、めんどくさいな」って思いながら、出勤される場合もあると思うんですけど、この歩く呼吸を出勤のときにやっていただくと、気持ちを切り替えて「よし、今日も頑張ろう」っていう気持ちになりますし、逆に家に帰る時に仕事のことを引きずったまま家に帰ってしまって、家でご飯を食べても、仕事が頭から離れないこともあると思うんですけども、帰る時にこれをやっていただくと、仕事はちゃんと職場に置いておいて、プライベートはプライベートで楽しめるようになるという、呼吸法ですね。
これもやり方は非常に簡単でして、歩きながら息をしていくんですけども、息を吐くところからスタートして、息をゆっくり吐いて、その後に少し止めて、で、息を吸って。この吐いて、止めて、吸ってというのを、歩きながら繰り返していきます。この時、歩く歩数を数えていきます。吐く時間が長い方がいいので、8歩ぐらい吐いて、4歩ぐらい止めて、で、4歩くらいで吸う。吐く方を長めに取っていただくといいと思いますね。ただ吐くとき、あるいは止めたり、吸ったりするとき、いちいち歩数を数えるのはめんどくさいと思いますので、分かりやすいリズム感で、おそらく日本の皆さんであればよくご存じなので、三三七拍子を使います。三三七拍子って間に休符があって、チャッチャッチャ、ウン、チャッチャッチャ、ウン、チャッチャッチャッチャッチャッチャッチャ。これ、よくよく見てみると、四四八のリズムになっているんですね、間の休符を入れると。
森上:はいはい。
倉橋:吐く方が長めなので、吐く方を八拍子で止めて、止める、吸うはそれぞれ四拍子とすると、チャッチャッチャッチャッチャッチャッチャ、ウンで吐いて、次の四拍子、チャッチャッチャ、ウンで止めて、チャッチャッチャ、ウンで吸うっていうかたちですね。その八四四のリズムでやっていただくと、いちいち数を数えなくても歩きながらできると思います。これをやることによって、その数に意識を向けることによって、それまで頭の中でぐるぐる考えていた「今日の会議やだな」とか、「あの資料まとめるめんどくさいな」っていうのをちょっと置いておく、気持ちを切り替えるきっかけになると思いますね。もしよかったら今日の帰りとか、あるいは明日の朝、出勤するときに試してみてください。
森上:ありがとうございます。渡部さん、どうですか? すぐにできそうですけど。
渡部:そうですね。今聞いている最中に、ゆるめる呼吸は「あ゛~」って言えなかったんですけど、他のものはお伺いしながらやっていて、本当に状態が変わるなっていうのはすごく感じましたね。本当に森上さんも言っていましたけど、呼吸をするのって当たり前ですし、意識をしないと、普段していて当たり前なので気づかないんですけど、こうやって意識してやるだけで本当に変わるんだなあっていうのを、この短い時間でもすごく体感しました。
森上:おぉ。すばらしい。また1人仲間が増えましたね。
倉橋:はい(笑)。ありがとうございます。
森上:本当にそうなんですよね。呼吸って自分の中でのコントロール次第というのが本当にあるんだなあっていうのは改めて感じますよね。自分の支配下にあると言うか。
倉橋:そうですね。自分の頭の中がそのまま息遣いに現れますからね。
森上:なるほど。御本の一番最初に書かれていますけど、呼吸の仕方で、この人はどういう状態だってすぐわかるって言いますもんね。
倉橋:わかりますね。この人はイライラしているなとか。あるいは何か不安で息が詰まっているんだなとかっていうのは、そもそも呼吸を見ればよくわかりますね。呼吸のおもしろいところは、自分でコントロールできるという点でもありますので、コントロールすることによって、逆に頭の中にアプローチしていこうっていうのが、呼吸法と呼ばれるものですね。
森上:まだまだ非常に奥深いお話なので呼吸法に関して、いろいろとお聞きしたいのですが、ちょっとお時間がなくなってきてしまっているので、渡部さん。
渡部:そうですね。ありがとうございます。さらにご興味を持たれた方は、ぜひ本を読んでいただいたり、倉橋さんのウェブサイトを見ていただいたりするといいのかなと感じました。それでは2日間にわたりまして、倉橋さんにお越しいただきました。本当にありがとうございました。
倉橋:ありがとうございました。
渡部:今回お話しいただきましたマイブレス式呼吸法につきましては、先ほどお話に出ましたが、倉橋さんのご著書『呼吸で心を整える』、チャプターにURLを貼っておきますので、ご興味がある方は、ぜひぜひチェックしてみてください。それでは最後に倉橋さんからリスナーの皆さんへ、メッセージお願いいたします。
倉橋:はい。呼吸というのは皆さん、朝起きてから、そして夜寝るまで。しかも寝ている間もずっとされていると思うんですけれども、一日に本当に2,3分でも、自分の呼吸に意識を向けるっていう時間をとるだけで、人生が変わりますので、よかったら試してみてください。今日はありがとうございました。
渡部:それでは倉橋さん、森上さん、本日はありがとうございました。
倉橋・森上:ありがとうございました。
(書き起こし:フォレスト出版本部・冨田弘子)