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【手の上にはいつも田舎を】バターの粒子をコントロールするガレットブルトンヌ

大阪平野のレストラン【Ludens】とオンラインショップ【Compath】でご紹介している大阪一美味しいと自負できるガレットブルトンヌのレシピです。

半端ない文字量ですが、くちどけも膨らみも味わいも、全部いいとこどりしたいので、、します!!

鼻からむふぅーっていいにおいがしまっせ。

またここでは【レシピだけ教えて逃げる】ということはやっておりません。

レシピ通りにしか作れないなんて悲劇です。

その悲劇を作っているのは【教える側】ですので、僕はここで素材が変わってもどうやって考えたら同じ料理を成功に導いていけるのかという【料理や製菓理論、哲学】をしっかりとお伝えしながらご説明していきます。




伝統の【崩し方】


ガレットブルトンヌの伝統的な作り方には、もちろん多くの良さがあります。

クッキーのような食感を持ち、しっかりと焼き上げることで得られるこの焼き菓子の魅力は、何世代にもわたって人々に愛されてきました。

しかし、現代の消費者に選ばれるためには、味わいや食感において、食べやすさを追求することが重要です。

多くの飲食店がひしめく中で、自分の店が選ばれるためには、伝統を守りつつも、消費者のニーズに応じた改善が求められます。

私のレシピでは、このガレットブルトンヌの素朴で懐かしい味わいを大切にしながらも、作り方に工夫を加えることで、風味を高めています。

具体的には、パイ生地のようにバターの粒子を細かく残し、焼き上がりに軽やかさとサクサクした食感を持たせています。

これにより、ガレットブルトンヌの特徴的なバターの風味をしっかりと残しつつも、食べ飽きない軽やかな仕上がりが得られるのです。

このアプローチは、時代に応じた消費者目線の改善を反映しており、伝統的な作り方に良い意味での「クセ」を加えることを目的としています。

素朴さと食べやすさのバランスを保ちながら、現代の消費者が求める味わいを追求することで、多くの選択肢がある中で自分の製品が選ばれるようにしていく必要があります。

非常にリアルな内容ではありますが、昨今の焼き菓子屋は過去前例のないくらい最大の供給率を見せています。

それに対して需要はほぼ横ばいであるため、ほかのお菓子のかごの中に一緒に入れてもらえる存在であることがガレットには求められます。

ガレットブルトンヌにおいて他と勝負できるような華やかさはないため、コバンザメ戦法を取る必要があります。

そのためには【飽きなく食べつづけれる】といった心地よさが必須です。

ついつい食べてしまう。という存在のためには伝統を敬いつつも、変化は起こしていかなければいけません。

伝統は大切ですが、時代とともに変わる消費者の好みに対応することもまた、製菓職人としての責任です。

常に改良を加え、新しい風味を生み出すことで、ガレットブルトンヌのような伝統的な焼き菓子も、現代の市場で光り輝くことができるのです。

【ついつい食べちゃう】の理論的アプローチ



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働きたい飲食店を目指して目標に進んでいます。