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#聖書
揺らぐことない都 (短編)
*この小説は作り話であり、実際の団体や
人物とは関係がありません*
↓あずさの車中で
「まつもとぉ、まつもとぉ」
というノスタルジックなアナウンスとともに、鷲尾夫人はまあたらしい桔梗色の列車を降りた。やっぱり寒いわ、と灰色のコートの襟を正して、どこか寂しげな、味気ないホームを見回す。いいえ、まだだわ、雪をまとった常念岳を見なくては、わたし、故郷に帰ってきたという気がしないの。
改札を
*この小説は作り話であり、実際の団体や
人物とは関係がありません*
↓あずさの車中で
「まつもとぉ、まつもとぉ」
というノスタルジックなアナウンスとともに、鷲尾夫人はまあたらしい桔梗色の列車を降りた。やっぱり寒いわ、と灰色のコートの襟を正して、どこか寂しげな、味気ないホームを見回す。いいえ、まだだわ、雪をまとった常念岳を見なくては、わたし、故郷に帰ってきたという気がしないの。
改札を