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満腹の子どもは飯を食わない
2024年5月3日(金)朝の6:00になりました。
この世のすべての食材に、感謝を込めていただきます。
どうも、高倉大希です。
満腹の子どもは、飯を食わない。
教育業界で仕事をする中で、学んだことのひとつです
知りたいと思っていない子どもに、いくら勉強を教えても一向に定着しません。
聞きたいと思っていない子どもに、いくら話をしても一向に伝わりません。
逆に言うと、優れた教育者は空腹にさせるのが上手です。
出す飯がうまいのではなく、子どもの腹を空かせるのがうまいのです。
例えばスポーツにおいてコーチが「提案させるが採用しない」「意見を言わせるが聞かない」ことを繰り返すと、選手は提案も意見も言わなくなる。やっても無駄だと学習するからだ。人が好奇心から動きたくなるのは変化する可能性があるからで、それがないとわかれば人は沈黙する。
彼らに共通することは、じっくりと機会を待つ姿勢です。
腹を空かせていない子どもの前に、飯を出すことはありません。
同時に、腹を空かせたその瞬間を逃さない耳をもっています。
ぐうぐうと音が鳴りはじめたその瞬間に、さっと飯を出すのです。
子どもたちは、おもしろいくらいに食いつきます。
そんな場面を、これまでに何度も目にしてきました。
講演が終わると講堂からみんな一斉にでてきて、「超、面白かった!!」と興奮した様子で歩いていくわけです。その歓声を聞いたら、別室にいた子たちもさすがに「うーん、やっぱり聞いておけばよかったな」と後悔するんですね。わざわざ誰かが「もったいなかったな」なんて言わなくても、大人が無理やり機会を与えなくても、子どもたちはちゃんと自分で葛藤して、学ぶんです。
一方で、満腹の子どもに飯を食わせようと頑張っている現場もあります。
ちょっと空いたらすぐ食わせ、またちょっと空いたらすぐ食わせます。
飯の供給が、途切れることはありません。
おかげで、子どもたちの腹が空くこともありません。
飯が食えるのは、幸せなことです。
その一方で、満腹には苦しみが伴うことも事実です。
トムはいかにも楽しそうにペンキを塗って、この仕事がたまらなくおもしろいふりをする。そしてこう友だちに話す。「これが雑用だって?塀を塗るなんて、おれたち子どもがそう毎日やらせてもらえることじゃないだろう?」この新しい「情報」を得たトムの友だちは、塀塗りのおもしろさを発見する。まもなく、友だちは塀塗りをさせてもらうためにトムにお金を払いはじめ、それだけでなく、この作業をほんとうに楽しむようになる。
Hunger is the best sauce.
空腹は最上の調味料だ。
どうやら、元はソクラテスの言葉だそうです。
本当に、よく言ったものだなと思います。
満腹の子どもは、飯を食わない。
飯を提供する前に、腹を空かせねばなりません。
毎朝6時に更新します。読みましょう。 https://t.co/rAu7K1rUO8
— 高倉大希|インク (@firesign_ink) January 1, 2023
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