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伝えたいことなど伝わらないさ


2024年12月21日(土)朝の6:00になりました。

大晦日に、大阪近辺で暇を持て余している人はいませんか。

どうも、高倉大希です。




伝えたいことが、伝わらない。

そんな事実を、悪いことだと思いすぎている気がします。


伝わることが、デフォルトではありません。

伝わらないことが、デフォルトです。


歩んできた道も違えば、見えている世界も違います。

そんなもの、伝わるわけがありません。


もし君がまだ冒険に出ていないのなら、この本は読まないでほしいんだ。この本は実際に冒険に出て、本当に実感がわいた時にしか伝わらないことを書いたから。それを事前に知って頭でわかった気になってしまうと、実際の旅の時に見逃してはいけない、とても大事なことをますみす見すごしてしまうかもしてないからなんだ。

孫泰蔵(2023)「冒険の書 AI時代のアンラーニング」日経BP


教育業界で仕事をしていると、他者に何かを伝える機会がたくさんあります。

伝える機会だらけだからこそ、伝わらなさを痛感します。


こんなに頑張って、準備をしたのに。

こんなに頑張って、工夫を凝らしたのに。


それはもう、びっくりするくらい伝わりません。

伝わったと思っても、大抵は気のせいです。


このような周波数合わせには「怯え」のニュアンスをしばしば感じることがある。診療においては、「防御」の周波数合わせを行う患者は、すごくこちらの言っていることが伝わっているなぁみたいな、打てば響くような反応を感じることが多い。

尾久守侑(2022)「偽物論」金原出版


最後は、自分で気づくしかない。

これが、いまの暫定解です。


結局のところ、誰かに何かを言われて変わることなどありません。

自分で膝を打つような体験をして、はじめて理解するのです。


だから最近は、対象者が自分で気づきうる場をつくるように努めています。

仮に何かを伝えるとしても、それはあくまでも未来への種まきです。


わかりあえないというところから歩きだそう。湿潤で美しい島国で育った私たちには、それを受け入れることはつらく寂しいことかもしれない。(中略)しかし、おそらく、そこから出発する以外に、私たちの進む道はない

平田オリザ(2012)「わかりあえないことから」講談社


日々書いている、この note だって同じです。

べつに何かを、伝えようとは思っていません。


ひとつの考えをここに書くから、あとはどうとでも読んでくれ。

そんなふうに、思っています。


伝えたいことなど、伝わらないさ。

すべては、ここからはじまります。






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高倉大希
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