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『大きな家』は、誠実なドキュメンタリー映画でした
2025年1月4日(土)朝の6:00になりました。
元気になったのは、気のせいでした。
どうも、高倉大希です。
昔から、ドキュメンタリーが苦手です。
映像のあちこちに、つくり手の恣意が見え隠れするからです。
これを言わせたいがために質問をしたんだろうな、とか。
視聴者を泣かせようとしてBGMを流したんだろうな、とか。
それらを、創作物として打ち出しているのならまだマシです。
これがリアルです、という顔をしているから余計にタチが悪いのです。
ナレーションは言ってもいない心の言葉を勝手に推察して代弁することができてしまうし、どんなポンコツシーンでも、ハンス・ジマーや久石譲の音楽にかかれば、勇猛なシーンにも悲しいシーンにもなってしまいます。作り手が、意図的に、そのシーンの感情を誘導するツールになってしまうのです。
先日、『大きな家』という映画を観に行ってきました。
東京のとある児童養護施設を映した、ドキュメンタリー映画です。
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このドキュメンタリーが、まあ誠実でした。
恣意が0になることはないけれど、あくまでもつくり手は事実を映す。
そんな事実を受け取って、解釈するのは視聴者の役割だ。
そんな姿勢を、映像から感じることができました。
ここに映っているのは、特別なものではなく、葛藤しながらもたしかに大人になっていく姿と、それを包んでいる、いつか忘れてしまうような日常の景色です。この映画を観終わったあとは、彼らだけでなく自分が歩んできた道のりをきっと肯定したくなる。そして、あなたの"ふつう"が少しだけ広がるかもしれません。配信やパッケージ化は予定しておりませんので、ぜひ劇場でご覧ください。
児童養護施設といえば、松本大洋先生の『Sunny』を思い出します。
好きな漫画を聞かれたら、間違いなく5本の指には入ってくる作品です。
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『大きな家』の庭に、サニー1200は停まっていなかったけれど。
どうしても、星の子学園と重ねながら観てしまいました。
個人情報保護の関係で、映画の内容は口外禁止となっています。
お近くの映画館で上映されているのなら、ぜひ足を運んでみてください。
毎朝6時に更新します。読みましょう。 https://t.co/rAu7K1rUO8
— 高倉大希|インク (@firesign_ink) January 1, 2023
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