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引き算が上手な人になりたいぜ


2024年11月25日(月)朝の6:00になりました。

当たり前に心から笑えて、当たり前に日々を駆け抜けて。

どうも、高倉大希です。




複雑なものを、複雑なままに書くことは簡単です。

結論までの途中経過を、保険として残しておくことができるからです。


誰かに何かをツッコまれても、「ここに書いています」と言うことができます。

「ちゃんとそこも通っているよ」と、アピールすることができるわけです。


こうして、要点がよくわからない難解な文章が完成します。

頭が悪いと思われたくない書き手による、ひとりよがりな文章です。


シンプルを実現するのはシンプルじゃない。スティーブ・ジョブズは「思考を整理し、シンプルにするには努力がいる」と述べている。アラブには、明快な文章についてこんな表現がある。「理解するのに技術はいらなくても、それを書くには名人の技がいる」

ナシーム・ニコラス・タレブ(2017)「反脆弱性 上」ダイヤモンド社


引き算には、勇気がいります。

前述のような保険を、手放す必要があるからです。


重要そうに見えるけれど、本筋からは外れるものを手放す。

随分とコストを割いたけれど、本筋からは外れるものを手放す。


手放したいものを、手放すのではありません。

手放したくないものを、手放す必要があるのです。


もうひとつ大事なのが、「選択肢を確保する」という誘惑に負けないことだ。選択肢を増やすというのは、要するに困難な決断から逃げることにほかならない。

オリバー・バークマン(2022)「限りある時間の使い方」かんき出版


だからと言って、何もない状態で引き算を行うことは不可能です。

母数があって、はじめて引き算が成立します。


引き算の結果を、足し算でつくろうとする。

よくある、失敗のパターンです。


外側だけを真似しても、薄っぺらさは露呈します。

シンプルに憧れたシンプルと、複雑を経たシンプルはまったくの別ものなのです。


いい文章の条件としてぼくは、「苦労の跡がどこにも見当たらない文章」や「最初からそのかたちで存在していたとしか思えない文章」を挙げた。

古賀史健(2021)「取材・執筆・推敲 書く人の教科書」ダイヤモンド社


シンプルな文章は大抵、「最初からこういう姿でしたよ」という顔をしています。

だからわたしたちは、背景にある複雑な過程を軽んじてしまいがちです。


複雑なものを、複雑なままに表現しようとしてしまったり。

シンプルに憧れて、外側だけを真似しようとしてしまったり。


引き算をはじめる前には、必ず母数が必要です。

母数を確保するためには、結局のところ継続するしかありません。






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高倉大希
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