EMiLY CAVENDiSH|エミリー・カヴェンディッシュ

服薬と認知行動療法・スキーマ療法による“うつ”の治療中、家族性(遺伝性)胃ポリポーシス[GAPPS]と判明し胃を全摘することになりました|本業は現代芸術家。ラスボスは母親。|わたしの生きづらさに向き合う姿勢がだれかの苦しみの救いになれば。

EMiLY CAVENDiSH|エミリー・カヴェンディッシュ

服薬と認知行動療法・スキーマ療法による“うつ”の治療中、家族性(遺伝性)胃ポリポーシス[GAPPS]と判明し胃を全摘することになりました|本業は現代芸術家。ラスボスは母親。|わたしの生きづらさに向き合う姿勢がだれかの苦しみの救いになれば。

最近の記事

会いたいと思うひとにできる限り会いに行った、手術前夜。

生きづらい激動の人生をおくってきた、わたしです。もちろん「激動」にしてきたのは、わたし自身なのだと思います。すべてのことに、意味があった、と思いたい。ある意味プラス思考であるとは思いますが、裏を返せば、意味のないことはしてはいけない、とじぶんに課したルールが厳しすぎたのかもしれません。 無意識的にも社会人としての無理が出てきて、イギリスに逃げようと思った。でもそれにすら言い訳を考えた。「世界スタンダードの芸術家になるために」、と。こうやって振り返るだけでも、喉の奥が詰まった

    • 神様の“行政代執行”?

      むかしから何でもじぶんでできる良い子でした。問題をおこすこともなく、反抗期をむかえることもなく、親に迷惑をかけずに生きてきたように思います。その反面、親や人にどう甘えていいのかわからず、また何も言わなければほったらかしの放任な両親だったので、精いっぱいの背伸びのなかで(じぶんが考えうる選択肢のなかで)ひとりで進路や職、留学などを決めてなんとかこれまで生きてきました。 抗うつ剤で知る、平和ところが、34歳のときにぽきっと折れ適応障害と診断、翌年にはまた悪くなり、うつ状態との診

      • 病気がわかったひとに寄り添うということ。

        大前提が通じない、家族間の価値観のちがいを知ったのはある意味恐怖でした。何を話しても理解が進まない、弟とだけ安心して話ができる。 手術を受けるのはわたし自身なのだから。なのに父も母も標準治療を受け入れてくれない。そう言うと、あんただってこのサプリを受け入れないじゃないの、と、話は堂々めぐりでヒートアップしていきました。 母のトラウマどうしても母の言うサプリメントを受け入れられず(だって胡散臭い!)、それでも母の気持ちの溜飲が下がるのなら、と、手術を受ける病院での再検査のと

        • 治療のステップに上るまでの、障害。

          ポリポーシス(GAPPS)の治療に際して、母から効くかどうかわからないサプリメントを勧められたお話をしました。むかしから母は科学的なことに疎いというのもありましたので、また変なことを言い出すなという感じでした。弟にもその異常さ(違和感)は理解してもらえたのですが、科学的なことやみなの言う“正しいこと”をいつも客観的に話す父さえも、今回ばかりはそのサプリメントを推してきました。正直なところ、じぶんの身におきたことを受け止めるのに精いっぱいなのに、なぜ、まず両親を説得しなければな

          がん治療の効果が認められていないサプリメントを父母に勧められたこと。

          標準治療とサプリメント「あなたにもポリポーシスがありました」「生検の結果はGroup4(*1)です」「今すぐに急いで、というわけではないですが、早いうちに胃の切除をするということがこの病気への治療になります」という主治医からの診断を受けたわたしに、「このサプリ何にでも効くから飲みぃ!」と母は言いました。 母は、病気と手術の経験があるからか、からだに良いとされるサプリメントには敏感でした。不確定だった手術をした経験があるからか、病院や医者というものを100%信じているわけでは

          がん治療の効果が認められていないサプリメントを父母に勧められたこと。

          胃の切除手術を無事に終えて、半年。

          お久しぶりです。 前回、入院直前の2019年10月25日にnoteを更新してから約半年が経ちました。もしかしたら何かあったのか?と、どこかの誰かがもしかして心配してくれていたりして…笑、と余計なことを考えながらの半年でした。腕のよい外科医の先生のおかげで、腹腔鏡下胃全摘術 実質2時間での手術は何事もなく成功、3ヶ月検診・6ヶ月検診ともに血液検査(腫瘍マーカー)やCT検査でも異常はなく、ふつうの生活を送っています。 人生初となる手術を受けたのは、2019年11月6日の午後4時

          胃の切除手術を無事に終えて、半年。

          亡き伯母が遺してくれたこと。町医者・市民病院ではわからなかったポリポーシス

          伯母は腫瘍との闘いを繰り返していた母の姉は、とても元気なひとで、いつもチャキチャキしていた。子どもたち(わたしにとっては従姉弟妹たち)を導くというのかな、お尻をたたいて、みんなを、それぞれの人生の向かうべき方向へ走らせた頼もしい“母親”、姪の側からはそんな印象をもっている。彼女の弱音や弱みなんかを、わたしは知らない。 そんな伯母は、たしか40歳前後で脳腫瘍の摘出をしたと思う。鼻から管で、と、とても簡単そうに言っていたから、子どもだったわたしは、それをそのままの温度感で「簡単

          亡き伯母が遺してくれたこと。町医者・市民病院ではわからなかったポリポーシス

          家族性(遺伝性)胃ポリポーシス[GAPPS ギャップス]とは?

          先日の記事で、GAPPSについて少し書きました。この病気について調べたいと思い、家族性(遺伝性)胃ポリポーシス[GAPPS ギャップス]という病気を、単語をいろいろ変えながら検索してみました。でも実は、あまり記事が出てきません。出てくる記事は、わたしなどが読んでもちんぷんかんぷんな専門家向けのものばかりです。 というのも、家族性(遺伝性)のポリポーシス(=ポリープが密生する状態)で、大腸にできるものでなく限定的に胃にのみ発生する状態のこの病気は、確認されたのが、ここ数年の出

          家族性(遺伝性)胃ポリポーシス[GAPPS ギャップス]とは?

          |おことわり。|

          こちらのnoteでは、筆者の実体験にもとづく情報を投稿しています。医療に関して素人の、ただの患者ですので、聞き間違いや誤解などもあるかと思います。 医療や治療に関しては、日々研究され情報が更新されているはずです。 ご自身の治療などに参考にされる場合、筆者が医療に関しては素人であることをご承知おきのうえ、最新の情報をご確認いただき、お医者様や主治医などとよくご相談されてください。 治療に向き合うなかで、立ち止まらざるを得ないこと、ぶち当たる壁。一歩だけ先を行くわたしの経験

          EMiLY CAVENDiSH|エミリー・カヴェンディッシュ、自己紹介。

          EMiLY CAVENDiSH|エミリー・カヴェンディッシュという名前。わたしは日本生まれ(人生の大半は日本育ち)の、英国・バーミンガム郊外のちいさな村で3年を過ごした帰国子女です。帰国後、30歳でふたたび渡英、こんどはイングランド南部ドーセットのボンマスという街に留学しました。 さいしょの滞在が思春期ということもあり、わたし自身の芯をかたちづくるうえで英国がおおきな影響をあたえたのは想像に難くないでしょう。たのしかったことも、苦しかったことも、くやしかったことも、逃げだし

          EMiLY CAVENDiSH|エミリー・カヴェンディッシュ、自己紹介。

          胃ポリポーシスを、もって生まれたと知ったとき。

          誤解をおそれずに、言おう。 ある意味「GIFT」―贈り物だと、わたしは思っているんだ。 安定剤が切れて目が醒めたあと、胃カメラの画像を見せられて一瞬で悟った。あぁ、胃を全摘するんだな、わたしは。そうか、また意味のある出来事が目のまえに用意されて、人間が、魂が、磨かれるんだろう、と。 抜けきらない安定剤のせいで、頭はぼんやりとしていて、先生が重大な告知のように言っていた気がするけれど、「ふん、ふん、」「そうですか、」なんて冷静な受け応えをしていました。先生からみれば、ショッ

          胃ポリポーシスを、もって生まれたと知ったとき。