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Photo by
shigekumasaku
【パラノイア】
一滴の涙が僕の胸を突く
心の水面に ぴちゃっ と波及し 溶解し 重なり合う
涙の味は少女の味 桃色の頬の熱の味
遺伝子の彼方からこだまする
37.0 ℃の白い吐息
少女の匂いが僕を抱き
少女は僕に包まれる
硝子に浮かぶ 綿の雪
茶色い尻尾が地を張って
脈打つ大地がせめぎ合う
血潮の生命は今にあり 遠い未来へと血を送る。
再び、涙を結晶化して
凍土の中心から、また濡れてきておくれ。
全てが壊れたその後に。