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夜雨の名画座

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鑑賞した映画の記録。旧作多め。
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#note映画部

夜雨の名画座一覧

ご紹介をした映画の一覧を作ってみた。 公開年代(たぶん)順。映画史的なところから何かが見えてくると面白いかな。 2024/11/08 現在 44本 1951/昭和26年 ◯ 巴里のアメリカ人 … 🎬️ヴィンセント・ミネリ 1952/昭和27年 ◯ 次郎長三国志/次郎長売出す … 🎬マキノ雅弘 1953/昭和28年 ◯ 怪談佐賀屋敷 … 🎬荒井良平 ◯ 次郎長三国志/次郎長初旅 … 🎬マキノ雅弘 1954/昭和29年 ◯ 裏窓 … 🎬アルフレッド・ヒッチコック

短編映画『運命屋』(2024)

昨日はシネスイッチ銀座で短編映画『運命屋』を見る。上映時間25分。 主演はミッキー・カーチス。現在は御歳86。 ある日突然、運命屋と称するひとりの女性が老人の前に現れ、1週間後にあなたは死にます、と告げる。しかし寿命を延長する方法があるという。それは、最愛の人についての記憶をなくすことだと言う。 彼にとって先立たれた奥さんとの思い出が何よりである。長生きしたかったら、その想い出を失うことになる。 愛する人のことを覚えていなくても生きていたいか。そのまま寿命を受け入れるか

映画『裏切りのサーカス』(2011)

映画を見るのは久しぶり。最後に 映画note としてnoteに投稿したのが9月25日ですから、10月はまったく見ていない。そうゆう気分だったんでしょうね。 『裏切りのサーカス(原題:Tinker Tailor Soldier Spy)』は、冷戦下の英国秘密情報部「MI6」を舞台にしたスパイ映画。 英国のスパイといえばジェームズ・ボンドを思い起こすかもしれませんが、本作は007のような派手なアクションは、ほとんどありません。 本作には、老刑事が明晰な推理と地道な捜査により真

映画『飢餓海峡』(1965)

こんばんわ、唐崎夜雨です。 今宵ご紹介する映画は1965年1月15日公開の『飢餓海峡』です。原作は水上勉の同名推理小説。 水上勉は松本清張の『点と線』に触発されて社会派推理作家として世に出ましたが、のちに貧しい寒村に根差した人間の悲哀を描くようになりました。 『飢餓海峡』にはその両方の側面が味わえる水上勉の代表作です。 監督は内田吐夢。脚本は鈴木尚之。モノクロ映画。約3時間の長尺。 あらすじ 昭和22年9月20日、北海道は台風の影響を受け強い風に見舞われていた。岩内町で

映画『パリは燃えているか』(1966)

こんにちわ、夜雨の名画坐へようこそ! 今宵ご紹介する映画は『パリは燃えているか』。1966年の作品。 仏語原題で「Paris brûle-t-il ?」、英語圏では「Is Paris Burning?」。 第二次世界大戦でフランスのパリはドイツ軍の占領下にあった。パリの解放に向けて戦うレジスタンス、連合国軍の活躍を描いた超大作です。 モノクロ。173分。 監督はルネ・クレマン。『禁じられた遊び』『太陽がいっぱい』のフランスを代表する監督のひとり。 脚本は作家のゴア・ヴィダ

映画『駅前旅館』(1958)

こんばんわ、唐崎夜雨です。 お待たせいたしました、今宵みなさまにご紹介する映画は1958年のカラー作品『駅前旅館』です。原作は井伏鱒二、監督は豊田四郎。 上野駅ちかくの旅館を舞台に賑やかなそして哀感のただよう人情喜劇です。 その前に、1958年といいますと、 2月に第1回日劇ウエスタンカーニバルが開催。 4月に売春防止法が施行。 10月に東京タワーが竣工、12月に公開。 また10月にはフラフープが大流行しました ちなみに映画『駅前旅館』の公開は7月。劇中ロカビリーに触れてい

映画『ひまわり』(1970)

こんにちわ、旅をしない旅人の唐崎夜雨です。 日曜の夕べは映画のご案内です。今回は主人公あるいは主たる登場人物が旅をする映画をご案内しようという企画の第一弾です。  ちなみに第二弾があるかどうかは未定です。 旅にもいろいろあります。それは楽しいことばかりではありません。 本日ご案内する映画は 1970年の『ひまわり』〔原題:I Girasoli〕です。 映画『ひまわり』はイタリア・フランス・ソ連・アメリカの合作となっていますが、イタリア出身の監督や主要キャストで、物語の半分以

映画『ホワイト・クリスマス』(1954)

こんばんわ、日曜のゆうべは映画のご案内です。 きのう隅田川花火大会が行われました。これから東京も夏本番を迎えることでしょう。にもかかわらず、今宵の映画は『ホワイト・クリスマス』(原題:White Christmas)。 タイトル通りクリスマス・シーズンの映画です。真夏に真冬を語るのも乙かもしれませんね。『ホワイト・クリスマス』は、1954年の愉快なミュージカル映画。カラー作品。 監督は『カサブランカ』のマイケル・カーティス。 主演はビング・クロスビーとダニー・ケイ。 劇中

映画『シカゴ』(2002)

こんばんわ、唐崎夜雨です。 日曜の夕べは映画のご紹介。 今宵ご紹介する映画は『シカゴ(原題:Chicago)』(2002)です。 殺人事件の法廷がエンタテイメントなミュージカルになる。謹厳実直な人が見たら卒倒するかもしれません。 映画『シカゴ』は、伝説的な振付師ボブ・フォッシー演出・振付による同名ミュージカル舞台の映画化です。映画の監督をつとめたロブ・マーシャルも振付師で映画での振付も担当しています。彼はボブ・フォッシーを尊敬しているとか。 あらすじ 1,920年代のシ

映画『泥棒成金』(1955)

こんばんわ、唐崎夜雨です。 日曜の夕べは映画です。 というわけで今夜ご紹介するのは『泥棒成金』(原題:To Catch a Thief)。 アルフレッド・ヒッチコック監督の1955年の作品。カラー映画。 ヒッチコックは「サスペンスの神さま」と称されるほどサスペンス映画を多く撮っていますが、『泥棒成金』はサスペンス色はやや控えめで、ヒッチ流のロマンティック・コメディといった趣を感じさせる楽しい作品です。 また『泥棒成金』は、グレース・ケリーと南フランスの美しい風景をとらえた

映画『地中海殺人事件』(1982)紺碧の海をコール・ポーターで

こんばんわ、唐崎夜雨です。 これまで夜雨の名画座では、アガサ・クリスティのミステリーを映画化した『オリエント急行殺人事件』(1974)、『ナイル殺人事件』(1978)をみてきましたが、今回はそれに続く作品『地中海殺人事件』(1982)です。謎を解きあかすのはもちろん名探偵エルキュール・ポワロ。 『ナイル殺人事件』と『地中海殺人事件』の間に、アガサ・クリスティーが生んだもうひとりの名探偵ミス・マープルが登場する『鏡は横にひび割れて』が同じプロデューサーによって映画化(邦題『ク

映画『洲崎パラダイス 赤信号』(1956)

日曜の夕べは夜雨の名画座。こんばんわ、このところお休みの日に天気がすぐれない唐崎夜雨です。夜雨の名が悪かったかしら。ということで今日は雨の降る映画をご紹介。 1956(昭和31)年のモノクロ映画『洲崎パラダイス 赤信号』を見る。監督は川島雄三。 上映時間は81分。これくらいの尺は手軽に見られて理想的。 離れられないずるずるべったりな関係の男と女の物語は、長いと重っ苦しくなる。 それと、これくらいの時間だと冗長的なシーンがない。 橋から始まり橋で終わる物語 映画は隅田川

映画『ダンケルク』(2017)

こんばんわ、唐崎夜雨です。 今年のアカデミー賞でクリストファー・ノーランが『オッペンハイマー』で監督賞を受賞。今夜は祝!というわけではなく、クリストファー・ノーラン監督作品の『ダンケルク』(原題:Dunkirk)を見る。 『ダンケルク』は、最近見ていた『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』、『空軍大戦略』、『鷲は舞いおりた』と同じく、英国チャーチル首相時代が舞台の作品です。 とりわけ、同じ2017年の映画『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救っ

映画『ナイル殺人事件』(1978)

こんばんわ、唐崎夜雨です。 毎週日曜日は映画の随想を投稿することに決めて、今日が最初の日です。 先日アガサ・クリスティ原作の映画『オリエント急行殺人事件』(1974)を投稿したので、今日は同じくクリスティ原作の『ナイル殺人事件』(1978)です。 ミステリーですので、未読および未見の方のためにネタバレはちょっと控えます。 小説および映画の原題は『ナイルに死す(Death on the Nile)』です。シリーズの統一感を出すために邦題を「死す」から「殺人事件」にしたので