映画『ホワイト・クリスマス』(1954)
こんばんわ、日曜のゆうべは映画のご案内です。
きのう隅田川花火大会が行われました。これから東京も夏本番を迎えることでしょう。にもかかわらず、今宵の映画は『ホワイト・クリスマス』(原題:White Christmas)。
タイトル通りクリスマス・シーズンの映画です。真夏に真冬を語るのも乙かもしれませんね。『ホワイト・クリスマス』は、1954年の愉快なミュージカル映画。カラー作品。
監督は『カサブランカ』のマイケル・カーティス。
主演はビング・クロスビーとダニー・ケイ。
劇中でビング・クロスビーの歌う「ホワイト・クリスマス」は、いまや誰もが知るド定番クリスマス・ソング。
ただこのクロスビーの歌うこの「ホワイト・クリスマス」は、映画『ホワイト・クリスマス』が最初ではなく、1942年の映画『スイング・ホテル』で歌われており、その年のアカデミー賞歌曲賞を受賞しています。
物語はというと…
ボブ・ウォレス(ビング・クロスビー)とフィリップ・デイヴィス(ダニー・ケイ)の二人は戦地で知り合った。すでにウォレスは名のあるスターで、ディヴィスはユニークな奴だが売れてはいなかった。
戦地でデイヴィスはウォレスを危機から救い、右腕を負傷してしまう。この傷が縁となり戦後二人はコンビを組み人気者となる。
二人はフロリダで戦友の姉妹というヘインズ姉妹のショーを見て、ウォレスは青い目の姉ベティ(ローズマリー・クルーニー)に、デイヴィスは茶色の目の妹ジュディ(ヴェラ・エレン)に惹かれる。
そして舞台はフロリダからバーモント州へ移り、四人は雪のバーモントを楽しむはずだったが、雪は降っていなかった。
ホテルも閑散としていて客がいない。このホテルは奇遇にも戦時中ウォレスとデイヴィスの上官で、すでに退役したウェイヴァリー将軍(ディーン・ジャガー)が経営していた。しかし経営状況は芳しくなかった。
ウォレスとデイヴィスはこのホテルを盛り上げるために、ここでショーを開くことにする。
…というものです。
ちょいとマジメな感じのウォレスと、ちょいと軽い感じのデイヴィスのコンビが楽しい。
負傷したデイヴィスはウォレスにとっていわば命の恩人。意見の相違があってもウォレスは恩人デイヴィスの言うことを聞いてしまう。
そこには、恩着せがましさやいイヤミになることはない。気心の知れた者同士の友情に見える。
この負傷は、物語を展開させるためのものだろうけれど、実際の戦友というのは案外こうゆうものかもしれないな、と想像する。
彼らのパートナーとなるヘインズ姉妹も素敵です。
ローズマリー・クルーニーは俳優ジョージ・クルーニーのおばさんに当たる人。歌手でもあった。
ヴェラ・エレンのほうはバリバリのダンサーらしく華やかなダンスを披露している。彼女の周囲で踊るダンサーの中に若き日のジョージ・チャキリスの顔が見える。
ウォレスとベティの恋の行方はなかなか素直にはいかないものの、最後には大ハッピーエンド。なので気楽に楽しめます。
当時のハリウッド映画はスタジオでの撮影が基本。名の知られたミュージカル映画もたいていスタジオのセットで撮られている。人工的で大がかりなセットでの撮影は、昔の映画らしい懐かしさがあり個人的には好きな映画たちです。
『ホワイト・クリスマス』(1954)
White Christmas
監督:マイケル・カーティス
脚本:ノーマン・クラスナー、ノーマン・パナマ、メルヴィン・フランク
撮影:ロイヤル・グリッグス
音楽:アーヴィング・バーリン
出演:ビング・クロスビー/ボブ・ウォレス
ダニー・ケイ/フィル・デイヴィス
ローズマリー・クルーニー/ベティ・ヘインズ
ヴェラ・エレン/ジュディ・ヘインズ
ディーン・ジャガー/ウェイヴァリー将軍
マリー・ウィックス/エマ・エレン