■モーツァルトは奇跡の子でも神童でもなかった!? 『才能の科学』
『才能の科学』を読みました。
著者は、『多様性の科学』も面白く読んだ
英「タイムズ」コラムニストのマシュー・サイド。
■CIAがテロを防げなかった理由とは?
一人ひとりは賢くても、集団なると無知になる『多様性の科学』
タイトルでは「科学」と謳っていますが、
正確には、ジャーナリストという仕事を活かし、
丹念にエビデンスを集めて編みなおし
著者の主張をストーリー仕立てで語った一冊。
そのため、少々くどいところもありますが(苦笑)。
マシュー・サイドが言いたいのは
才能の有無なんで幻想であり、
重要なのは学び続けられる意思と環境ということ。
そのエビデンスとして、
数々の音楽家やスポーツ選手のエビソードが
出てきます。
モーツァルトは奇跡の子でも音楽の神童なんかでもなく、
6歳になる前に、すでに2500時間の猛練習をしていた
という話には苦笑いしてしまいました。
また、単に時間かければいいというわけではなく、
目的を意識する「目的性訓練」の重要性は全く同感。
自身の娘たちを実験台に一流チェスブレイヤーに育てた
教育心理学者ラズロー・ボルガーの言葉は沁みました。
「子どもたちには並はずれた可能性があって、
それを解き放つのは社会の仕事なんだ」
また人材育成の要諦でもある
フィードバックループをいかに創るかについても
深く考えさせられました。
僕たち凡人には勇気のわいてくる一冊です。
※備忘録は
「前川孝雄のはたらく論」
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