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日常の練習

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日々の日常の練習についてまとめました。
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#練習

自宅での練習

 幼少期からレッスンを受けていた経験者の人は、これまで通り家で練習すれば問題ない。初めてスクールオーケストラに入部して楽器に触る人が家で練習するためにはいくつかのハードルを越えなければならない。まず、楽器を家に持ち帰るということが大変である。バイオリンのような一見小型の楽器でも鞄と比べると持ちにくく、細長いのであちこちにぶつけてしまいがちである。自動改札機を通るのも一苦労である。大きな楽器の場合なおさら楽器を持ち帰るのは大変である。次に家の防音の心配がある。特にマンションの場

練習の創意工夫

 スクールオーケストラにおいては、初心者が早くステージに立たてるように創意工夫をこらした様々な練習方法が採用されている。楽器を持って譜面台に向かって弾くだけが奏法上達のための手段ではない。例えば、楽器を持たずにリズム感を身に着ける練習がある。幼稚園の子供にピアノやバイオリンを教える時によく使われている方法であるが、楽譜通りのリズムを手で叩く、フォルテとピアノの音量を手で叩く強さで表現する、弓の動きを体に覚えさせるために体操みたいにしてみる、などの方法が存在する。私は、幼稚園児

インテンポの練習、ゆっくりなテンポの練習

 スクールオーケストラの合奏では、インテンポでの練習の他にゆっくりなテンポでの練習がたびたび取り入れられる。ゆっくりなテンポでの練習は、テンポ設定を適切に行えばいい練習となるが、無暗に遅くしたテンポでは練習の効果が低くなる。  全体練習の前に個人練習やパート練習を行うはずであるが、その時はゆっくりから練習するはずである。一音一音確実に音取りをし、弾けるようになってきたらテンポをあげていく。弦楽器の場合、テンポを落とした練習は通常のテンポより弓を大きく使って練習する場合と弓の

スコアの見方

 団によっては全員がポケットスコアを購入しなければならないところもあるし、スコアを持っているのは指揮者だけというところもあるだろう。建前としては、その団が使用しているパート譜、指揮者のスコア、団員各自が持つポケットスコアの版は同じものを購入し使用するべきである。本音としては、インターネットにアップロードされているものでも構わないので、全員がスコアを持っていた方がいいと思っている。中学生や高校生の場合、親からもらえるお小遣いではスコアを買うゆとりがないこともある。スコアだけのた

練習中の飲水、ホールでの飲水

 近年の飲水に対するルールはどのシーンにおいても一昔前と比べて緩くなってきている。例えば、デパート内で飲み物を持ち歩きながらショッピングをするなんて以前はなかったが、ショッピングモールでは普通に行われており、それに引きずられるかのようにデパート店内での飲水を注意されることも少なくなってきている。また、30年ほど前までは授業中に飲水なんかしたら先生に怒られたものであるが、最近ではこまめな水分補給を推奨されており、授業中の飲水を認めている学校もある。エアコンがなく蒸し暑い教室なら

譜面台の高さと距離、演奏姿勢

 演奏姿勢は正しい姿勢をとった方がいい音が鳴る。なぜだか理由はよくわからないが、姿勢により音質が変わることは間違いない。姿勢を正すだけで音がよくなるのだったらいい姿勢で演奏した方が得であると私は思っている。演奏姿勢に影響を与える要素として、譜面台の高さと距離、椅子の座り方があげられる。譜面台を適切に調整しないとどうしても姿勢が悪くなってしまう。また、椅子への座り方が悪いだけで上半身の運動性が制限され音が出にくくなってしまう。  譜面台は個人がソロで練習する時と、本番でソリス

音色を表現する言葉

 「音」というものは、音程、音量、音色の三要素から構成される。音程と音量に関しては高低、大小のスケールしかないが音色は非常に複雑である。もう少し専門的な話をすると、音程、音量、音色は互いに独立しているものではなく、同じ波形の音でも音量を変えるだけで音色が変わったように聞こえることもある。  音色には印象的側面と識別的側面の二つの性質がある。印象的側面は字の通り「明るい」や「美しい」という形容されるような印象的な性質であり、識別的側面は「バイオリンの音のような」などの音の種類

指揮者の指示と奏法の指導

 指揮を生徒が振っているのか顧問の音楽の先生が振っているのかプロの指揮者が振っているのかによってオーケストラへの指示出し方が違う気がする。生徒が振っている場合、合わせるのに精いっぱいなことが多い。プロの指揮者なら音楽的な指示を出すだけでなくオーケストラが成長するように指示を出すことが多い。顧問が振っている場合、生徒の人間形成に重きをおいている人が多い印象がある。  音楽の先生が指揮を振る場合、指揮の技法のレベルは上下に幅広いと感じている。音楽の先生の学歴的なバックグラウンド

個人レッスンの先生を選ぶポイント

 部活動で演奏技法を習うだけでなく、個人で音楽教室に通って演奏技法を習得するのもいいことである。個人で先生を選ぶのに、まずはヤマハ音楽教室などの会社に属している先生を選ぶ場合と、全くどこにも属してないフリーの先生を選ぶ場合がある。ここではどちらがいいとは判断しない。どちらにしても個人レッスンの先生との相性が最も重要である。相性は実際にレッスンに通ってみなければわからないが、レッスンに通い始める前に先生を選ぶためのポイントを列挙する。 ・月謝とレッスン時間と回数はどのような仕

演奏会までの練習量

 初見会から演奏会までの間に必要な総練習時間を定めることはできない。先に本番の日程が決まってしまっているし、曲の難易度も様々であるし、奏者のレベルもバラバラだからである。決められた日程の中でやりくりするしかない。しかしながら、演奏会で弾く時の演奏レベルの目標は何となく雰囲気として決めることは可能である。その目標から逆算して練習時間を割り振るのがいいと思っている。  演奏レベルの目標を端的な言葉に表すことは不可能である。イメージとして各自こんな感じというのはあるはずである。そ

全体練習の進め方

 全体練習の進め方は指揮者に依存する割合が多い。しかし、奏者も主体的に全体練習の進め方に関して指揮者とディスカッションすべきである。ディスカッションをする前に全体練習についての慣習的な事項を知っておく必要がある。慣例的な練習の指針をお互いに知っておくだけでもある程度練習効率が上がるはずである。  まず、全体練習の開始時刻についてであるが、考え方は二通りある。全員が集まる時間を開始時刻とする場合と指揮者が指揮棒を振り下ろす時刻を開始時刻とする場合がある。棒の振り下ろし時刻とし

全体練習時のチューニング

 チューニングは必ず全体練習の開始時に行う。その時は形式チューニングとしてはならない。また、基準音を出すオーボエ以外は、全体練習のチューニング時にチューナーを目の前に置きながらチューニングすることはやめるべきである。機械に合わせるのではなく必ずオーボエの基準音に合わせなければならない。チューニングに自信のない人は事前にチューナーを使って合わせておいた方が微調整だけで済む。慣れないうちは全員のチューニングの音が合うのに5分以上かかってしまうかもしれない。それでも、全体練習時にし

練習中の休憩

 一生懸命で真面目な集団ほど練習中の休憩を適切に入れられない傾向がある。体力の限界まで練習を続けるという方針は決していいことではない。体力を測るためにごくたまに行うぶっ通し練習は有効であるが、普段から行うのはやめた方がいい。  休憩は疲れたからとるだけでなく、集中力を回復させるためにも必要である。また、団のコミュニケーションのためにも利用されるし、ちょっとした打ち合わせや個人練習のためにも使われる。運動部ほど休憩の重要性を感じないかもしれないが、休憩を取らないと確実に練習の

上級生から下級生への指導

 スクールオーケストラでは、練習をプロの人に見てもらえる回数はあまり多くなく、先輩が後輩を指導する時間がほとんどの割合を占めている。学年が上がり先輩として教える立場になっても、「教え方」というのは誰からも教えてもらってない。下級生の時に先輩がどのように教えているのかをしっかり見て学んでいればいいのだが、そこまで気の回る人は少ない。教えるというのは、単に自分で弾くのとは違った考え方が必要である。  上級生、下級生ともに初心者と経験者がいるはずである。初心者の上級生が経験者の下