恋忘れた傘
散々散歩 毛布
夜半の雨
暖冬
天井眺めつつ
雨音聞いた
眠くなったら眠ればいい
昨日も今日も多分明日も
時間に束縛されない日々
暇を拗らせている
俄かに強まった雨音は
意識した途端
静かに引いた
多分
音はなくても
降ってるだろう
湿った空気が
何処からか紛れ込んで
ズレた毛布
肩まで掛け直す
今度は
屋根を叩くなんて
雨も満更でもなさそうだ
年齢のせいに
したくないけれど
いや
年齢のせいにするしか
ないけれど
どんなだったかな?
恋に疎くなった
ねぇ
どんなだった?
聞ける人は限られてる
同じ歳のバツイチ独女は
ふとした瞬間
このままずっと一人かと
思うらしい
へぇ〜
そうなんだ
他人事だと思って
やっぱ淋しい?
うん
ふ〜ん
そうなんだ
女は
ため息混じりで笑って
、、淋しい
吐いたばかりの言葉
飲み込んだ
そう
うん
それは
恋ではなかったが
なろうと思えば
なれたかもしれない
だけど
男のカンなんて
アテにならない
つくづく
アテにならない
女のカンくらい
怖いものはない
ほとほと参る
経験から分かる
分かるから
経験が邪魔をする
面倒臭いね
そう
面倒臭い
素直じゃないよね
そう
素直じゃない
いつのまにか
それに慣れてしまった
予防線?
さあどうだか
今を崩してまでとか
臆病じゃない?
そうとも言う
分かってる?
分かりたいのかな?
なに言ってんの?
分かんない
辻褄合わせるつもり
さらさらないけどさ
雲の機嫌で
降ったり晴れたり
今更だけど
まあそういうもんか
分かってるんだか
いないのか
分かりたいのか
はたまた
カーテンの向こうで
なにかが点滅し始めた
毛布
頭から被ったら
足だけ出て寒いの
昔から知ってるはずなのにね
それとも
足だけ
出そうとしてるのかな?
眠くなったら眠ればいい
降ったら降ったで
止んだら止んだで
#自由律俳句
#散歩
#旅
#俳句
#日記
#言葉
#エッセイ
#随筆
#詩
#写真
#読書
#僧侶
#古本屋
#小説家
#短編小説
#煩悩三昧
#歩く禅僧
#はなうた散歩
#毎日note