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【今週の週末ごはん】#48 ほうれん草のフィレンツェ風、秋鮭のフィッシュアンドチップス、さつまいもとりんごのアグロドルチェ

このところ妙にほうれん草をもりもり食べたい気分だった。十月とは思えないここ数週間の暑さから言えば、神奈川のほうれん草が美味しくなるのはまだもう少し先かも知れない。けれど二十四節気は既に霜降。あと十日もすれば立冬で、身体は季節というより暦の移り行きを感じているのかも知れない。秋冬の食べ物が恋しい。

そんな訳で、この日真っ先に決めたのはほうれん草が主役のこの料理。

◆ほうれん草のフィレンツェ風

そういえば前回もイカとほうれん草のトマト煮をフィレンツェの味として取り上げたのだった。やはり最近の私はほうれんそう病なのかも。
ほうれん草を使った料理を西洋料理ではフィレンツェ風、若しくは英語読みでフローレンス風と称する。昔からフィレンツェがほうれん草の産地だからだそうで、故にイカの料理にもほうれん草が入っていたという訳だ。納得。もう少し寒くなったら牡蠣のフローレンス風も良いですね。

今回はたっぷりの蒸しほうれん草にこれまたたっぷりのベシャメルソースと卵をのせた、野菜のセコンドのようなボリュームのある一品料理。青菜は蒸すとかさが減るので、ひとり当たりほうれん草ひと袋くらい使っても食べ切れると思う。今回は2人でひと袋。

作り方は見た目の通り。
ほうれん草を蒸すか茹でるかし、水気をざっと除いて深めの皿に盛り、その上からナツメグ入りのベシャメルソースをたっぷりかけて卵を落とし、半熟程度になるまでオーブンで蒸し焼きに、というのが基本のつくり方。ベシャメルの濃さやチーズの有無、ほうれん草にバターをまぶすか等で濃厚さが変わってくる。ベシャメルを豆乳でつくっても美味しい。
ベシャメルの上に卵を落としてから火を通すと時間もかかり、均等に熱が入らないため、私はフライパンで目玉焼きをつくってのせる方が好き。パンに非常に合う一品。あくの少ない縮みほうれん草を使っても甘くて美味しい。

◆秋鮭のフィッシュアンドチップス

フィッシュアンドチップスは好きで割とよくつくる。近くで手に入るいろいろな魚で試したが、特に美味しかったのはサメや鱈、めかじき辺りだろうか。今回使った鮭ももちろん美味しい。どの魚も軽く塩をしてドリップや余計な水気をしっかりふき取ってから衣をつけるのがポイント。
本格的につくるなら衣は小麦粉をビールで溶くところだが、私はふんわりとしたフリッター風に揚がる沖縄天ぷら粉を愛用している。沖縄天ぷらは肉や魚にも合う衣なので、あると大変便利(横浜には沖縄食材店が多いので簡単に手に入る)。モルトビネガーとレモンまたはライムは必須。

チップスは皮付きのじゃがいもを二度揚げする。今回はじゃがいもだけだが、さつまいもと取り混ぜるのも味や食感に変化がついて美味しい。これにはチリで少し辛くしたケチャップを添える。より本式にするならマッシーピーズも欲しいところだが、今回は別に豆料理があるので割愛。

◆うずら豆のベイクドビーンズ風

イギリスと言えばハインツのベイクドビーンズ。あのすごく美味しいわけではないけれど、なんだかくせになる味がイギリスらしいなと思う。
日本向けのレシピ本では大豆の水煮を使うレシピが多いが、金時系の豆を使った方が味もしみやすく、この料理には合うと思う。今回はうずら豆を使用。

フライパンで薄切り玉ねぎ1/4個分を透き通るまで炒めてうずら豆の水煮130gを加え、カットトマト缶大さじ2を加えて少し煮詰めてからトマトケチャップ、ウスターソース(できればリー&ペリン)、ディジョンマスタード各適量、ローリエ1枚を加えて水分をひたひたよりもやや少なめに調整し、蓋をして水分がほぼなくなるまで煮込み、冷まして味を含ませる。
味付けには少し甘みを加えたいので、今回は少々甘めのケチャップを使った。白砂糖よりも茶色~黒っぽい感じの砂糖、或いはメイプルシロップやモラセス等でも美味しい。お好みで。マスタードは辛味ではなく酸味のために加える。これもパンに最高に合う一品。

◆さつまいもとりんご、ドライプルーンのアグロドルチェ

秋冬に毎週のようによくつくるワインのお供兼箸休め的な一品。ホイップクリームやサワークリーム、アイスクリームを添えるとデザートらしくなるが、我が家ではあくまで食事の一品。今回のりんごは少々水っぽく、カラメルにしたはずが溶けて下にソースがたまってしまった。味は美味しいです。

つくり方は至って簡単。
フライパンに砂糖大さじ3程度を広げ、食べやすくカットした皮付きりんご1個分を並べてオリーブオイル適量を回しかけて火にかける。火加減は中火。
砂糖が溶けて来たらフライパンを揺すってりんごに絡まるようにし、途中で茹でるか蒸すかしてひと口大に切ったさつまいも小1本、ドライプルーン6〜8粒も加えてざっくり混ぜる。
砂糖がカラメル状に焦げて来たら火を止め、バルサミコ酢大さじ3程度とレモン汁1/4個分程度、シナモンを手早く加えて混ぜればできあがり。バルサミコの質で味が変わるので、少々良いものを使うと美味しい。

秋冬になるとイギリスや北欧~ロシア近辺の料理がつくりたくなる。夏にはこの辺りの料理はあまり思い出さないので、体って不思議なものだなと思うう。
今週はこれから福島へ。
皆様もどうぞ良い週末をお過ごしください。

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