【今週の週末ワインごはん】#10 新玉ねぎの季節に毎年つくる"新玉ねぎだけ"のフリッタータ、白菜つぼみ菜グリルのレモンパスタ
新玉ねぎの季節である。
この時期が来るととにかく新玉ねぎをたっぷり使った料理がつくりたくなる。先般のごまぶり然り、この具材ぎっしりオムレツもそう。
溶き卵にすりおろしたパルミジャーノをたっぷり加え、分厚くこんがり焼くイタリアのオムレツ「フリッタータ」。野菜をたっぷり入れてつくると美味しいので、ワインを飲みたい日やパンやパスタにもう一品添えたい時など、我が家では頻繁に登場する。
よく使う具材は蒸しブロッコリー×粗みじん切り玉ねぎ、焼きつけて甘みを引き出した人参×しっとり炒めた玉ねぎ、茹でとうもろこしと玉ねぎなど。茄子やピーマンも美味しい。
玉ねぎは水分や甘み、まろやかさを補うため副材料的に加える便利な存在だ。
――が。
新玉ねぎの季節だけは例外。
具は新玉ねぎのみで完結する。それで十分主役を張れる美味しさ、それが新玉ねぎなのだ。素晴らしい。
ナイフを入れると断面には真っ白い新玉ねぎがぎっしり。口に運ぶと玉ねぎの甘さと、新玉ねぎならではのフレッシュな香りが広がる。卵と接している部分は香ばしさも。
そしてところどころクミンの香り(今回はクミンシード使用。なくても良いし、バジルなどお好みのハーブやスパイスを使っても)がパンチを与え、もっと食べたくなってしまう。
周りに添えたのはドレッシングで和えたルッコラ。一緒に食べると口内で春を感じる。
つくり方はいたって簡単。
《新玉ねぎのフリッタータ》材料:2人分
1)新玉ねぎ(食べたいだけ。今回は小さめ1個半)は皮をむいてスライスし(極薄でなく厚くもない程度)、オリーブオイルまたはバターを敷いたフライパンで最初強めの火で軽く焼き色をつけ、その後弱火でしっとりする程度に炒め、こしょう(塩気はチーズが加わるので控えめに)とお好みでクミンを加えて火を止める。クミンシードなら玉ねぎと一緒に炒める。
※お好きな食感のやや手前で火を止めてください。半生のシャキシャキもおすすめ。
2)卵2個を溶きほぐし、パルミジャーノチーズをおろしてたっぷり(最低でも大さじ1以上)加える。牛乳や生クリームを大さじ1~2加えて濃厚さを出しても美味しい。
3)卵液に1)の具を加え、オリーブオイルを敷いてじゅうぶん温めたフライパン(小型で厚さのあるもの。今回は14cmのスキレット使用)に流し入れ、中弱火で加熱。外側は崩れない程度に焼き固め、中も何度かそっと菜箸でやさしく混ぜ、蓋をして蒸らすように加熱。
4)3分ほど経って返しても大丈夫な程度に固まったら、裏返して表面が固まる程度に1分ほど加熱して火を止め、あとは余熱で火を入れる。
ソースなしでも美味しいし、トマトソースやケチャップもよく合う。
また、この日は夜ごはん用に割と丁寧につくっているが、平日ひとりごはん用にもかなりよく作る。ポイントは具材の野菜を予め加熱して、美味しい程度の食感や味を引き出しておく(火の通りにくい根菜類は特に)こと。フォカッチャや厚めの食パン、バゲット等でサンドイッチにするのもおすすめです。
もう一品、この日つくりたかったのはレモン風味のパスタ。
レモンの苦みや酸味も、早春~春にかけて恋しくなる風味のひとつ。
今回は白菜のつぼみ菜(ふつうの白菜でも、芽キャベツ等でも美味しいと思う)をこんがり焼き、その甘さとレモンの酸味を対比させるイメージ。
パスタソースはシーフードミックスと玉ねぎを炒め、小麦粉少々を振り入れ豆乳とパスタのゆで汁を少量加えてとろみをつけた軽めのクリーム仕立て。パスタを合わせる際にレモン汁をたっぷり(1/2個分~小さめなら1個分)加え、盛る際に削ったレモンの皮も少々。
白菜のつぼみ菜は縦半分に割り、フライパンでこんがりと。一部パスタの具にも加えて統一感を出しました。美味しかった!
あとは春キャベツの定番・コールスローと
冷凍していた氷見とろ生いわしをじゃがいもとテリーヌに。初挑戦だったので、もっと美味しくつくれたよね…という感想(悪くはないけれど、もっと美味しくつくりたかった)。
週末のごはんの後はだいたい夫に「今日イチは?」と聞いてみるのだが、この日は少し考えて「…玉ねぎかな」。いちばん手間がかかっていないので拍子抜け感がなくもないが、わかります。美味しいもんね玉ねぎ。
もう少し続く新玉ねぎの季節。
玉ねぎピッツァや玉ねぎステーキ、玉ねぎフリットもつくりたいな。