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【今週の週末スロヴェニア&イタリアごはん】#60 満を持してのズリヴァンカとヨータ、鰤カツプリマヴェーラ、里芋のトマト煮、ひらたけのバルサミコ炒め

先般京都で美味しいスロヴェニア料理を食べて以来、「ズリヴァンカ」を試したくて仕方なかった。近くのスーパーを全て回ってもそば粉の扱いがなく、通販で取り寄せようやく試すことができた。

ズリヴァンカはそば粉を牛乳で練った生地に炒め玉ねぎとサワークリーム、カッテージチーズを混ぜたフィリングをのせる。乳製品をたっぷり使うのでその他の料理も全てスロヴェニア風にするとやや重たくなってしまう。故に周りはイタリア風の軽めの野菜中心料理に。とても美味しくできた週末ごはん。

◆ズリヴァンカ(スロヴェニアのそば粉のチーズタルト)、自家製ザワークラウト

数年前からレシピは手元にあり、後は正解の味を知るだけだったズリヴァンカ。先般京都「ピカポロンツァ」さんで食べられたのでいざ実践。かなり好みの感じにできて満足。フィリングはもっと多めでも良かったかも。
この生地はパイ生地のように練り生地を麺棒でのばすのでなく、粘度のある液体をクレープのように型に流して広げる。それ故生地の固さが肝要で、ゆる過ぎず固過ぎずの加減が最重要。しかもそば粉は水分を吸いやすく、気温や湿度で使う水分量は異なるそう。今回は以下の分量でつくった。

≪スロヴェニアのそば粉のチーズタルト「ズリヴァンカ」≫レシピ:直径16cmのスキレット1台分(約2人分)
▶生地
 ・そば粉:60g
 ・牛乳:約90cc(参考レシピではそば粉の約1.3倍。混ぜてみるともっと必要だったので、調整可能な量を用意)
 ・塩:少々
▶フィリング
 ・玉ねぎ:1/4個(粗みじん切り)
 ・カッテージチーズ:80g(お好みで増減)
 ・サワークリーム:大さじ1~2(同上)
▶仕上げ用
・型に塗るラード(またはバター)
・お好みで表面に塗るオリーブオイル

1)そば粉生地をつくる。そば粉に塩ひとつまみを加えて混ぜ、牛乳を入れてよく混ぜる。そば粉は水分を吸収しやすいので少しずつ様子を見ながら加え、最終的にセメント程度の固さになるよう調整。
2)フィリングを用意。みじん切りにした玉ねぎ、カッテージチーズ、サワークリームを混ぜてラップをかけ、1時間ほど室温に置く。すると具材が柔らかくなって生地にのせやすくなる。
3)ラード、またはバターを塗った型に1)の生地をなるべく平らになるよう流し込み、その上に1)の具材を縁(耳になる部分)を残して均等にのせる。そば粉生地が柔らかすぎるとこの際に具が沈むので注意。
お好みで表面にオリーブオイルを塗る。

こんな感じ。わずかに具が沈んでいるくらいが良い気がする

4)220℃に予熱したオーブンまたは両面焼きグリルで、そば粉生地がカリッとするまで焼いてできあがり。今回はグリル(中)で12分。
★私は底面がカリッとしている方が好きなので、比較的薄めに流しました。その辺りはお好みで。

焼き上がり(オイルなし)。我が家の好みではオイルなしでOKかも


◆スロヴェニア風ヨータ(ザワークラウトと豆、じゃがいものスープ)

先日書いた自家製ザワークラウトを使った一品。実に素朴、そしてほっとする美味しさ。私はこれが大好きで、大きなボウルでたっぷり食べたい。当初はイタリアのレシピを参考に作り始めたのだが味が物足りず、「ピカポロンツァ」で何度か食べた美味しいスープの味に寄せて行ったのが最終的な以下レシピ。ザワークラウトの漬け汁の酸味も加わっての美味しさなので、ザワークラウトはできれば自家製推奨。塩気が強過ぎる場合は、一度茹でこぼしてから加える。

つくり方は単純。
細かく切った玉ねぎ、にんじん、ベーコン(塩豚、パンチェッタ、生ハム等いずれも可)を炒め、茹でた豆(今回はキドニービーンズ使用。とら豆やうずら豆などほくほくした豆が向く)をゆで汁ごと、缶詰または生のトマト少々、1cm程度の角切りじゃがいも(煮崩れさせたいのでもっと細かくても)、ザワークラウト、ローリエ1枚を加え、水分が足りなければ適宜加えつつ野菜が柔らかくなるまで蓋をして中~弱火で30分ほど煮込む。煮崩れた豆とじゃがいもから旨味が出るのでじっくりと。塩気は肉やザワークラウトから出るので(故にザワークラウトの塩分に注意)味付けは仕上げのオリーブオイルのみ。
たくさん作って煮返すとより美味しい。身体がとても温まります。

◆寒ブリのパレルモ風コトレッタ・プリマヴェーラ

氷見の寒ブリに比べて脂が少なく、さっぱりと味の良い若狭湾の鰤。イタリア風にチーズと香草を混ぜた薄めのパン粉衣でカリッと揚げ焼きにしたら夢のように美味しかった。この頃日差しもめっきり春らしいので、ルッコラとトマトを添えたプリマヴェーラ風に。レモンもぜひ。

今回の衣は、小麦粉をはたく⇒卵液⇒刻みにんにく、オレガノ、おろしペコリーノ(パルミジャーノを切らしていたため)を混ぜた細かなパン粉。これをオリーブオイルで揚げ焼きに。角までしっかり衣をつけ、各面もれなくしっかり焼き目をつけるのがコツ。生でも食べられる魚なので衣がカリッとすればOK。最高に美味しかった。

◆里芋のトマト煮

この冬は里芋を本当によく食べた。ふるさと納税の上庄里芋が私の里芋の概念を変えるほどに美味しく、真っ白できめ細か、むっちりとしたこの芋の虜になった。毎日のように味噌汁に入れたり煮たり蒸して食べたりしたが、トマト味でも食べたくて、冬によくつくるこちらに。
里芋は軽く下茹でしてぬめりを取ってから(水から茹で、沸騰したら火を止めて流水でぬめりをよく洗う)軽く塩を振ってオリーブオイルで軽く炒め、カットトマト、にんにく、ローズマリーを加えてひたひたよりやや少なめの水加減で柔らかくなるまで煮る。お好みで赤唐辛子を加えても。

◆ひらたけのバルサミコ炒め

しめじとひらたけの中間のような、みっしりと食べでのある茸は直売所で見つけた。きのこがどんどん水分を吸ったので、バルサミコはもっと入れてもよかったかも。
フライパンにオリーブオイルとすりにんにくを入れて弱火でじわじわ温め、香りが出たら割いた茸を加えて軽く塩をして火を強め、茸からどんどん出る水分がなくなるまで炒め、こしょうとバルサミコ酢大さじ1~2を振って水分がなくなるまで加熱。最後にイタリアンパセリを。

◆茹でにんじんのにんにくマリネ

ちょっと前にもつくった馬田草織さんのレシピ。夫がこれをいたく気に入り、出すと大好評。

ああ美味しかった。

私は「ピカポロンツァ」さんへ行くといつも触発され、帰った後舌が忘れないうちにスロヴェニア料理を真似してみたくなる。それも何品もあるのでしばらくブームは続く。今回もやはりそうで、数週にわたってスロヴェニア料理を試す週末ごはんになった。
そんな訳で、スロヴェニア料理回はまだ不定期に続きます。


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