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25話 思い出のガパオライス

現場の下見と打ち合わせで天満橋まで来た。この辺りで日本料理店を開店するという寺嶋さん。

元々は京都の料亭で板前さんとして頑張ってたんだけど、この度、地元で独立することになって。
禅と懐石をコンセプトに丁寧なおもてなしをする、本格的なお店だ。季節を感じられるように入り口横には茶室をイメージして、「かいしき」と呼ばれる植物を飾るんだって。正月の南天とか、冬至のゆずとか?そんな感じらしいよ。

日本的でモダンな空間。一流の料理人が創り出す料理とサービスをどう演出するか。腕がなるぜ!と思ってたけど、寺嶋さんの中に明確なイメージがあったので、それを形にしていく事にした。

カウンターの後ろ、丸い大きな窓からは天満川が見える。少しのスペースを利用して、日本庭園の枯山水を表現したらどうかな?
照明は明るく。でもスポットライトも同時につける事で若干の陰影が出るようにするつもり。
こういう段取りの打ち合わせは、オンラインではなく実際に会って細かいニュアンスを擦り合わせた方がやりやすいなーと実感したよ。

日本料理の事ばかり考えた2時間の打ち合わせが終わり、お腹が空いてきた。
がっつり食べたくなって、谷町でスパイスカレーを食べようかなーと考えたけど、お昼時は混んでるだろうな、なんて考えてるうちに通り過ぎてしまって。

インスタで見た中崎町のタイ料理屋に行ってみようと思い立った。

幸運な事に並んでいなくて、すんなり入ることができてホッ。店内はローズウッド系かな?木の温かみが感じられて、どこか懐かしい感じ。店員さんもタイの人らしくて、タイに来た気持ちになった。デートで来てるカップルに挟まれて、少し肩身の狭い思いをしたけど。

日替わりランチが、ガパオライスかパッタイだったのでガパオライスを選んだ。

ガパオライスといえば、まだココちゃんが産まれる前にカカさんとタイ旅行した時に食べた屋台のガパオライスが美味しくってさ。

ここだけの話、カカさんは現地のタイ料理が口に合って、沢山食べて過ぎてお腹壊してたのを思い出した。思い出し笑いをするのもカカさんに悪いけど、その時のまだ食べたいのに食べられない残念な表情がおかしくって。少しフフッとなっているとガパオライスが来た。

結構なボリュームだけど、隣のテーブルのカップルがキャッキャ言いながら食べてる揚げ春巻きが美味しそうだったので、それも追加した。

カラフルさを抑えた盛り付けが、本場の味を期待させる。バジルとにんにく、控えめなナンプラーとオイスターソースのアジアンテイストな香り。うまそー!いただきまーす!
鶏ひき肉の何とも言えない食感が、食欲を掻き立てるから、ずっと食べたくなる。ムシャムシャ、モグモグ、というよりガツガツが似合う笑

ガパオってホーリーバジルの事って知ってた?ホーリーバジルって、馴染みのない名前だけど、葉っぱの形も違うみたい。なかなか手に入らないから日本ではバジルで代用してるみたいだね。

ちょっと休憩、とかわいいコップに入った水を飲んでいると、ポピアというタイの春巻きが到着!
スイートチリソースに付けて食べるみたいだ。うん。これもうまい。パクチーが欲しいな、と思っていると横にちゃんと添えてあった。

ガツガツ。ガツガツ。無心になって食べ続けて完食。

ふぅ。おいしかった。これはココちゃんにも食べさせたい!
そしてこの店にはまたカカさんとも来よう。

で、次の日の晩に早速作ることにした。

さ、用意するよ!
本格的なレシピはわからないから、自分なりにね。

用意するものは、鶏ひき肉、にんにく、玉ねぎ、パプリカ、バジル、卵(ココちゃん用)
調味料は、ナンプラー、オイスターソース、砂糖。あとは塩胡椒と胡麻油もあれば出来るかな?

①微塵切りしたニンニクを焦げない程度に炒めて香りを油に移す
②たまねぎ、パプリカ、ひき肉の順番で手際よく炒めていく
③調味料は分量も適当に。心掛けるのは濃い味にならないように。砂糖は隠し味にひとつまみ。
④もう少し暑い季節ならベランダにあるバジルも今日はスーパーで買ってきた。全部使うよ!ハーブは香るだけ美味しい!
⑤塩胡椒で味を整えて出来上がり。

ココちゃん用には目玉焼きをトッピング。

「どう??ココちゃん、美味しい?」
「おいしい!」
「ガパオライスっていうんだよーおいしいね」
カカさんが名前を教えてくれたのに、ココちゃんは食べるのに夢中みたいだ。後で、なんていう名前のごはんだったか聞いてみよう。

アジアなご飯を食べて、少し汗ばんだ。もう春もすぐそこまで来ているね。


カカさんは春からココちゃんが本園に行くので、色んな説明を聞きに行ってくれたみたい!どんなお話だったのかな?気になる方はこちらから!

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