岡本秋暉 百花百鳥に挑んだ江戸の絵師 千葉市美術館
「岡本秋暉 百花百鳥に挑んだ江戸の絵師」を見に千葉市美術館に行って参りました。
お正月の東京国立博物館にて、伊藤若冲の隣に展示されていたのが岡本秋暉(おかもとしゅうき)の《四季花鳥図屏風》。
若冲よりもこっちの方がいいなと思って見ていたのですが、その岡本秋暉の企画展ということで少し前から期待しておりました。
たまに思うのですが、トーハクとか東近美って他の美術館の企画展情報を元に、前振りで展示してたりするのでしょうか?
8階が岡本秋暉、7階が滴水軒(てきすいけん)コレクションと分かれてました。
滴水軒とはなんぞや?ですが、現在の柏市の名主・寺嶋家の居宅を「滴水軒」と称しており、文人墨客が集うサロン的な存在だったと。岡本秋暉も逗留していたことがあり寺嶋家には彼の作品を中心に江戸絵画のコレクションを多数所蔵。
滴水軒記念文化振興財団が所蔵する岡本秋暉作品を中心に企画展をしつつ、その他の滴水軒コレクションの名品も合わせて展示、という2つの企画展がある構成でした。
岡本秋暉(1807-1862)は小田原藩・大久保家に仕えた藩士。渡辺崋山や椿椿山などとも交流があり、特に花鳥画、とりわけ孔雀の名手として名を馳せた人物。
絵と酒にしか興味がない家族思いの人物だったということで、細密な花鳥画から感じる印象とは少し異なる人物だったようです。
つい先日、練馬美術館でやっていた池上秀畝(1874-1944)も花鳥画の名手でしたが近いタイミングで同じく孔雀を得意としている二人の企画展があるのも不思議な巡り合わせですね。(因みに両方ともチラシのキービジュアルは孔雀)
会場は基本撮影NGでしたが一部だけOK。
OKだった作品は孔雀、孔雀、とにかく孔雀…
撮影OKだった作品では、孔雀とピンクの牡丹の組み合わせが多いのですが、個人的には紫陽花や朝顔などブルーの花が魅力的でした。
以下はお正月のトーハクで展示されていた《四季花鳥図屏風》より。こんな感じのブルーです。
そのほか、花鳥画以外では、同時期に小田原藩士であった二宮尊徳像もありました。こちらはパーツ毎に何度も試し書きした下絵も展示されていて、人物画はこうやって描くのかと勉強になりました。
展覧会自体は空いていたおかけで、どれもじっくり見ることができたのですが、じっくり見すぎた事もあり8階を見終わった段階でぐったり。。。ボリューム満点でした。
7階の滴水軒コレクションも伊藤若冲から円山応挙、葛飾北斎、鳥文斎栄之の肉筆画など見応えあったのですが集中力もたず…いくつか写真OK作品をご紹介。
これから行かれる方は8階をみた後に1階のカフェで休憩されるのをオススメします。
今回も見ごたえ充分の千葉市美術館でございました。
岡本秋暉の絵に朝顔を描いた作品があったことまあり、久しぶりに入谷の朝顔市に。お店のおばちゃんにブルーの朝顔を所望したのですが「咲いてみないと、わかんないよ!」と言われ、毎朝水やりしながらブルーの花が咲くのを楽しみに夏を過ごそうと思います。