kaji

美術展巡りを数年前に復活。感じたことを気ままに書いてます。ときどき読書と映画の感想。犬を飼ってますが猫派です。

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鏑木清方 《築地明石町》と竹内栖鳳 《班猫》

2022年の『没後50年 鏑木清方展』に行ったのは偶然で、その前に東京国立近代美術館で開催していた『民藝の100年』を観に行き次回展覧会として案内されていたのがきっかけ。 鏑木清方どころか日本画の展覧会自体が初めてだったわけですが《築地明石町》を観て恥ずかしながら強烈な衝撃を受けました。 こんなに美しい日本画があるのだなと。 左右に展示されてる《新富町》《浜町河岸》も素晴らしいのですが、あくまでも《築地明石町》をもり立てる為にあるような、そこだけ燦然と律している。 釘

    • アレックス・ソス 部屋についての部屋 東京都写真美術館

      「アレックス・ソス 部屋についての部屋」を見に、東京都写真美術館に行って参りました。 2022年に神奈川県立近代美術館葉山で開催されていたアレックス・ソス展にも行きたかったのですが、タイミング合わずだったので、今回の開催を楽しみにしておりました。 そういえば何で彼の写真に惹かれたんだろう?と前回の展覧会の記事や作品を見返してみたのですが、たぶんウォルフガング・ディルマンズっぽい雰囲気だったからかもしれません。 目の前にある「あっ、それいい感じ」を、そのまま写真に収めてく

      • 映画『ぼくのお日さま』とドラマ『天狗の台所』

        映画『ぼくのお日さま』を見てきました。今年のカンヌ映画祭「ある視点」部門に出品された作品。 少し前のswitchに池松壮亮さんのインタビュー記事が掲載されていて、監督がまだ28歳ということもあり、とても気になってました。予告編もメチャ良くでできています。  以下ネタバレ含みます。 アイスホッケーが苦手で吃音の少年が主人公。 ある日練習中にフィギアスケートの少女に見惚れて、自分も見様見真似でフィギアスケートのまねごとをしてしまう。 それを見ていた少女のコーチが手を差し

        • 空の発見 渋谷区立松濤美術館

          「空の発見」を見に渋谷区立松濤美術館に行って参りました。今回、松濤美術館へは初訪問です。 あいにくの雨模様の中、渋谷駅から向かったのですが、東急本店が解体中でその空虚感の凄いこと。曇り空の下、廃墟感すら漂ってました。 東急本店跡地から少し歩いて到着。途中にはガレット屋さんがあるかと思えば、昔ながらの蕎麦屋さんもあったりで、静かで落ち着いたところですね。  今回はフォーローしている皆様が上げてるnoteを見て興味が湧き訪問。特にメインビジュアルにもなっている香月泰男の《青

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        鏑木清方 《築地明石町》と竹内栖鳳 《班猫》

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          田中一村展 奄美の光 魂の絵画 東京都美術館

          『田中一村展 奄美の光 魂の絵画』を見に東京都美術館に行って参りました。混んでました…。  田中一村は東山魁夷と藝大日本画科の同期だったのですね。ただ2ヶ月で退学しているので、どれだけ接点があったのか…。 ググってみたら2015年に千葉市美術館で二人の企画展が開催されていたようです。 田中一村は千葉市に1938年〜58年、東山魁夷は市川市に1945年〜99年(逝去)まで在住。 その間に魁夷は1947年の《残照》、50年の《道》で日本画壇での地位を確固たるものに。いっぽ

          田中一村展 奄美の光 魂の絵画 東京都美術館

          映画「パリ、テキサス」と監督ヴィム・ベンダース

          映画「PERFECT DAYS」を見た後に同僚と話していたのですが「やっぱヴェンダースと言えば『パリ、テキサス』が1番良かったよねー」という会話になり、久しぶりに見たいなー、と思っていたらプライムビデオにリマスター版が上がってました。 サントラCDも持ってましたので、本編始まってすぐにライ・クーダーの曲が流れきて「いやー、懐かしいー、これこれ」と思って見始めたら、序盤の内容を全く忘れており、こんな話しだったっけ?に。 初見の感覚で見れたので、それはそれで良かったのですが…。

          映画「パリ、テキサス」と監督ヴィム・ベンダース

          『日本画ができるまで 鏑木清方の制作風景』 鏑木清方記念美術館 

          『日本画ができるまでー鏑木清方の制作風景ー』を見に鎌倉にある鏑木清方記念美術館に行って参りました。今回2度目の訪問。 三連休だったこともあり駅前からの小町通りは人でごった返しておりましたが、鏑木清方記念美術館はどこ吹く風。ほぼ独り占め美術館でした。  清方の制作風景ということで、下絵と本画が並んで展示。下絵と言っても本画と同じサイズですので大作の下絵は、本画にはない迫力があります。 会場に入ってすぐの場所には、清方が16歳の時の作品《小楠公弁の内侍を救う》(しょうなんこ

          『日本画ができるまで 鏑木清方の制作風景』 鏑木清方記念美術館 

          東山魁夷記念館 千葉県市川市中山

          市川市にある東山魁夷記念館に行って参りました。 山種美術館で『東山魁夷と日本の夏』を見てから、涼しくなってから行こうと思っていまして、ようやく訪問。 駅から少し歩くのですが、快晴でほどよい涼しさ。気持ちよく辿り着きました。 なぜ市川なのか?ですが戦後まもない1945年から亡くなる90歳まで市川に住居、アトリエを構えていたため。 展示室には東山魁夷の年表も展示されていたのですが、終戦後の40代に近づいてから活躍し始めていたのですね。 1947年、39歳の時に第3回日展で特

          東山魁夷記念館 千葉県市川市中山

          『物、ものを呼ぶー伴大納言絵巻から若冲へ』 出光美術館

          『物、ものを呼ぶー伴大納言絵巻から若冲へ』を見に出光美術館へ行って参りました。 帝劇ビル建て替えにより、12月から休館になる前のファイナル。素晴らしすぎました。 入ってすぐに伊藤若冲の《鳥獣花木図屏風》が出迎えてくれます。 象さんから虎や孔雀に猿など可愛い動物たちを見せつけられます。楽しげな絵ですよねー。大人よりも子どもに向けて作られたのでは?と思ってしまう。 升目描きの凄さが語られがちですが、じっくり左から右に、そしてまた右から左にみているだけて、とても楽しくなる作品

          『物、ものを呼ぶー伴大納言絵巻から若冲へ』 出光美術館

          MOMATコレクション/Family Day こどもまっと 東京国立近代美術館

          土曜日の夕方にMOMATコレクションを見に東京国立近代美術館に行って参りました。 そしたら、たたまたまですが、『Family Daysこどもまっと』の日で、生まれたての赤ちゃんwithベビーカーから小学校低学年くらいのお子さんまで、子供連れのファミリーで、もの凄い賑わい。 9/21.22の両日開催のようでした。  チケット売り場で美術館の人がファミリー以外の人に、『こどもまっと』の日であることを説明してましたが、全然気にすることないのになー、と感じながら入場。とっても良

          MOMATコレクション/Family Day こどもまっと 東京国立近代美術館

          映画「ナミビアの砂漠」と「ポンヌフの恋人」

          映画「ナミビアの砂漠」を見てきました。 まだ20代の監督がカンヌで賞を取ったり、「不適切にもほどがある!」で一気に知名度が上がった河合優実が主演だったり、予告編も非常にうまく作られていて、以前からかなり気になっておりました。  感想、かなり良かったです。河合優実、凄い。 そして「ポンヌフの恋人」を思い出しました。 以下、ネタバレ含みます。  河合優実が演じる奔放な主人公・カナが恋愛でこじれて、最後やけになってナミビアの砂漠に向かうってオチかなーなどと安直に考えてました

          映画「ナミビアの砂漠」と「ポンヌフの恋人」

          Nerhol 水平線を捲る 千葉市美術館

          『Nerhol 水平線を捲る』を見に千葉市美術館に行って参りました。 Nerhol(ネルホルと読みます)はグラフィックデザイナー・田中義久と、彫刻家・飯田竜太のアーティストデュオ。 基本的な作品は、連続写真や映像のキャプチャを時系列にプリントアウトし何百枚と重ね合わせる。そしてそれを彫刻のように彫っていく。 そうすると下層のずれた画が現れるので歪んだような画になる。 インスタレーション的な展示も多く、石や木の枝があると内藤礼ぽく感じてしまう…。 照明の当て方や作品の配

          Nerhol 水平線を捲る 千葉市美術館

          日本現代美術私感・高橋龍太郎コレクション 東京都現代美術館

          『日本現代美術私感・高橋龍太郎コレクション』を見に 東京都現代美術館に行って参りました。 週末の夕方に時間ができたので1630頃に着いて閉館の1800までにざっと見終わるだろうと見越していたのですが、全然無理でした…。 1階を見終わった段階で1730。地下は駆け足。見逃した作品もあるやもしれず…。とはいえ、自分が好きな作品はしっかり見れたかも。 草間彌生から始まって村上隆、奈良美智、会田誠、山口晃から、後半は若手の作家の作品まで、作品規模も小さな作品から、とんでもなくデ

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          映画『ルックバック』と『ブルーピリオド』

          遅ればせながら映画『ルックバック』を観てきました。少し前に実写版の映画『ブルーピリオド』も見ていたのですが、この2作品を見て感じたことなどを…。 まず『ルックバック』。 とても素晴らしい作品。これほど余韻の残る映画も久しぶり。遅ればせながらスクリーンで観てよかった。 原作が発表された当時ツイッターで流れてきて一気に読んで、ちょうど「チェンソーマン」のアニメ化が話題だったタイミングだったのですが、その作品性の違いの意外さと、作者の藤本氏が当時まだ20代の若さに驚いたのを覚

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          『田名網敬一 記憶の冒険』国立新美術館

          『田名網敬一 記憶の冒険』を見に国立新美術館に行って参りました。 お正月の日曜美術館で宇野亞喜良氏と共に深く取り上げられていたのが田名網敬一氏。俳優の磯村勇斗が田名網氏のファンということで対談をしていました。 恥ずかしながら田名網氏の事は、この番組で初めて知ったのですが当時の御年87歳。取り上げられていた作品の若々しいこと。ビビットな色使いなど横尾忠則っぽいなー、などと思いながら夏に回顧展があるという事で楽しみにしておりました。 展覧会が始まって少し経ったし、そろそろ行

          『田名網敬一 記憶の冒険』国立新美術館

          東山魁夷と日本の夏 山種美術館

          『東山魁夷と日本の夏』を見に山種美術館に行って参りました。 酷暑な事もあり、いつもは恵比寿駅から徒歩で行くのですが初めてバスで向かいました。おかげで快適に到着。 山種美術館のHPのアクセスのページに時刻表のリンクも貼られていました。 目的地の「広尾高校前」で降りた方8名ほど。バスでいらっしゃってる方結構多いのですね。 14時頃に着いたのですがチケット売り場にかなりの列。前回の『犬派?猫派?』の時と同じ位の混み具合。これくらいの混み具合がスタンダードになっちゃったのでしょ

          東山魁夷と日本の夏 山種美術館