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清少納言がつづった「いとをかし」な風景をおうちで楽しめる!? 枕草子四季のカーテンクロス誕生秘話【和樂webコラボ企画】

枕草子でつづられた風景をお家で楽しめたら、ちょっと素敵なんじゃない?みなさまこんにちは。ミュージアム部の内村です。以前公開しましたこちらの記事はご覧になっていただけましたでしょうか。

今回ミュージアム部がご紹介するのは平安時代に見られる美意識のひとつ「をかし」を感じる「枕草子 いとをかしな風景をめでる四季のカーテンクロスの会」です。「をかし」とは何か? おうちで楽しむってどういう風に? そのあたりを説明させていただきます。


枕草子についておさらい

まず、みなさま『枕草子まくらのそうし』と聞いて思い出すのは何ですか? 「春はあけぼの~」ではじまる一説はとても有名ですよね。一度は学校で学び、覚えたという人も多いはず。

春はあけぼの。やうやうしろくなりゆく山ぎは、すこしあかりて、紫だちたる雲のほそくたなびきたる。

夏は夜。月のころはさらなり。やみもなほ、ほたるの多く飛びちがひたる。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし。

秋は夕暮。夕日のさして山のいと近うなりたるに、からすの寝どころへ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど飛びいそぐさへあはれなり。まいてかりなどのつらねたるが、いと小さく見ゆるはいとをかし。日入りはてて、風の音、虫の音など、はたいふべきにあらず。

冬はつとめて。雪の降りたるはいふべきにもあらず。霜のいと白きも、またさらでも、いと寒きに、火などいそぎおこして、炭もてわたるもいとつきづきし。昼になりて、ぬるくゆるびもて行けば、火桶の火も白き灰がちになりてわろし。

『枕草子』原文より
1926年制作, 松岡映丘展:没後40年記念
(兵庫県立近代美術館, 1978年)より

『枕草子』とは?

『枕草子』は今からおよそ1000年前に書かれた文学作品。宮中で宮仕えしていた清少納言(本名は清原 諾子きよはらのなぎこという説もあり)と皇后でもあった藤原 定子ふじわら の ていしとの交流や、宮中の様子などを書きつづった随筆ずいひつ(エッセイ)のようなものです。ちなみに「枕」は清少納言と定子のやりとりから名付けられたという説があります。

「をかし」とは?

清少納言は四季のうつろいや日常の中で直情的に美しいと感じた風景や、心が動かされたできごとを「をかし」という言葉でつづっています。それは現代でいう「エモさ」に通じる感情だったのかもしれません。ちなみに「いと」には、「きわめて」や「はなはだしく」という意味があり、「をかし」を強調する意味があります。

今回はこの『枕草子』と日本人ならではの美意識でもある「をかし」をテーマにしてオリジナルグッズを作ることになりました。

枕草子の世界観を楽しめる商品開発スタート

スカーフを4枚作るつもりだった当初のイメージラフ。

この企画では、当初「スカーフ」を作る予定でした。しかし清少納言が随筆として残したことで、時代を超えて多くの人びとの目にふれ、“共感”を得ていることに注目したいと思い、誰かと一緒に「をかし」の世界観をめでることができるカーテンクロスとして再出発させることにしました。

企画を進めるにあたり、平安時代の文化や書物のおもしろさを発信している人と一緒に世界観を作り上げたいと思った私は、以前「HOKUSAI色えんぴつ」でご一緒した『和樂web』のみなさまのお知恵を借りることにしました。

日本文化の入口マガジン『和樂web』

『和樂web』は、むずかしそう、高尚なものと思われがちな日本文化をカジュアルなエンターテイメントとして楽しむ提案をしているメディアです。
「日本文化の入り口マガジン」をかかげている活動は多岐にわたり、多様でおもしろさに満ちている日本文化の側面をWEB記事TikTokInstagrampodcast、商品開発を通じて紹介し続けています。

独特の観点から語られる日本文化の楽しみ方提案は、ずっと読んでいても飽きないのでこの機会にぜひご覧ください!

和樂web編集部スタッフ サッチーさん

そんな『和樂web』から、編集部スタッフのサッチーさんにご協力いただきました。

平安時代の書を浮かべるのはどうでしょう

サッチーさんにざっと企画意図をお話ししたところ「カーテンに平安時代の書を浮かべる」という斬新なアイデアをいただきました。

今回は平安の「をかし」を表現するということでしたので、その時代に近い文字を使いたいな、という想いがありました。そこで、東京国立博物館で所蔵されている「元永本げんえいぼん」というものがあるのですが、その古写本に使われた文字を使うことを思いつきました。

元永本は書の美しさはもちろんですが、使われている「料紙りょうし」と呼ばれる紙の美しさがまた素晴らしいのです。

書の変遷という意味でもこの時代は独特です。平安から鎌倉の時代に入っていくと書がきれいに整っていくので、貴重な時代かもしれません。それだけにこの時代の書は、書いた人の美意識が現れやすい気がします。

(和樂web編集部 サッチーさん)

そうして参考にした東京国立博物館 所蔵の元永本と文字がこちらです。

※出典:国立文化財機構所蔵品統合検索システムからの画像を一部抜粋して掲載
※出典:国立文化財機構所蔵品統合検索システムからの画像を一部抜粋して掲載
※出典:国立文化財機構所蔵品統合検索システムからの画像を一部抜粋して掲載

完成!枕草子 四季のカーテンクロス

そうして完成したのがこちらのカーテンクロスです。『枕草子』で清少納言がつづった平安の四季の「いとをかし」を表現しました。

「春」はあけぼの

春は、曙。ようやくあたりも白んでゆくうち、山の上の空がほんのり明るくなって、紫がかった雲の細くたなびいた風情。
山の稜線の手前にあるのは五重塔です。梅の花の影を前面にレイアウトしてみました。

「夏」はよる

夏は夜。月のあるころはもちろん、月のない闇夜でもやはり趣がある。雨が降るのも趣がある。
夏の夜に舞うのは蛍たち。力強く生え茂る夏草のシルエット。

「秋」は夕暮れ

秋は夕暮れ。夕方になり、山の頂に落ち掛かろうとするころ、カラスがねぐらに帰ろうとして、みっつよっつ、ふたつみっつと思い思いに、帰りを急ぐ姿までも、哀れを誘う。ましてや雁などの列を作ったのが小さく小さく空の遥かを渡っていくのはとても趣がある。日が落ちてしまってからの風の音、虫の音など、これは改めていうまでもない。
飛び立つ雁の群れと神社の鳥居らしき影。すすきが揺れる夕暮れ。

「冬」はつとめて

冬は早朝。雪が降るのは言うまでもなく、雪が真っ白に降りているのも、そうでなくても、ひどく寒い朝に火などを大急ぎで起こして、炭を御殿から御殿へ運んでゆくのも、いかにも冬の早朝の風景としてふさわしい。昼になってあたたかくなると、炭櫃すびつや火桶の火も白く灰をかぶってしまいみっともない。
早朝の寒空はすでに雪が舞い散る。竹に積もり重なる雪の風景。

四枚並べると平安の四季の景色に

四季のカーテンクロスは4枚つなげてつるすことで、描かれた山の稜線がつながってひとつの風景になるようにデザインしています。

1枚でつるせば間仕切りにも使えるので、廊下やお部屋の入口などにも。

取り付けはひもで結ぶだけ。取り外しもらくちんです。

光の強さによって透け感が変わるのも特徴のひとつ。季節や時間のうつろいにあわせていろいろな表情を楽しむことができます。

いかがでしたでしょうか。
清少納言が見た風景を思い浮かべながら過ごす「いとをかし」な時間をお楽しみくださいませ。

和樂web×ミュージアム部 
枕草子いとをかしな風景をめでる 四季のカーテンクロスの会

月1枚 ¥3,800(+10% ¥4,180)
※1枚だけ(1ヵ月だけ)の購入も可能です。
※詳しくは「初めての方へ・お買い物ガイド」をご確認ください。

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枕草子いとをかしな風景をめでる 四季のカーテンクロス
〈春夏秋冬セット〉
1セット ¥10,000(+10% ¥11,000)
※春夏秋冬を各1枚ずつ、4枚セットでお届けします。
※この商品は、お申し込みいただいた月だけお届けします。

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