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古代ギリシャの哲学者「プラトン」の思想について


プラトン(紀元前427頃 - 紀元前347頃)は、古代ギリシャの哲学者である。

今回は、プラトンの思想のして代表的な「イデア論」と「国家論(哲人政治)」の2つについて、解説したいと思う。


〈目次〉
1.イデア論
(1)イデア論とは
(2)善のイデア
(3)補足: 洞窟の比喩
2.国家論(哲人政治)
(1)プラトンが考えた正しい人間
(2)哲人政治


1.イデア論
(1)イデア論とは

「イデア論」は、現実の世界は、真実の世界(イデア)の影のようなものであるととらえ、そのイデアを追求することである。

イデア(=真実在)とは、現実世界とは「別の世界(イデア界)」にある「究極の理想の存在」のことを指す。

見たり聞いたりすることで感覚で捉えられる個々の事物はすべて仮の姿で、時代を超越した永遠不変の「イデア」が真の実在であると考えた。

例えば、手書きで書かれた三角形があるとする。だが、これは「完全な三角形」ではない。しかし、人は手書きの三角形を見た時に三角形のイデアを想起する。

他にも馬であろうと鳥であろうと、馬や鳥のイデアが存在する考え方である。


(2)善のイデア  
プラトンのイデア論は、具体的なものだけにとどまらず、抽象的な価値にもイデアがあると考えた。また、プラトンは「善」「美」「正義」などの抽象的な価値についても、イデアが存在すると論じた。

さらにその中でも「善のイデア」が最高位のものであるとし、馬とか鳥とかの様々なイデアはすべて「善のイデア」に集約されていくと結論づけたのである。


(3)補足: 洞窟の比喩
「洞窟の比喩」は、プラトンがイデア論を説明するために用いたたとえ話であ
る。

たとえ話の内容は以下の通り。

…………………………………………………………

ある囚人が洞窟の中に拘束されている。

洞窟にはたき火があり、たき火の前で看守が動物の模型を持っている。

囚人は洞窟の壁に移った模型の影を見て、それが本物の動物だと思い込んでいる。

「洞窟の比喩」のイメージ

…………………………………………………………

プラトンは、私たち人間は洞窟の中に住んでいる囚人のような存在であり、世界の本質(=イデア)は私たちには見えないところあるのだと主張した。


2.国家論(哲人政治)
プラトンが理想とする国家は、一部の自分勝手な人たちが支配するのではなく、本当に存在するイデアを認識した何人かの哲学者によって支配されるべきだという考えた。

(1)プラトンが考えた正しい人間
プラトンは、人間には以下の理性・気概・欲望の3つの性質があり、これらを正しく用いるとき、それぞれ知恵・勇気・節制の徳が実現すると主張した。

・理性    →    知恵
・気概    →    勇気
・欲望    →    節制

そして、これらの徳が実現したときに人間の「正義」が実現するとプラトンは考えた。そして、知恵・勇気・節制・正義の四元徳が実現すると論じたのである。

(2)哲人政治
この人間のあり方をプラトンは国家にも適用すべきと考えた。その際に、何人かの哲学者が統治者として束ねる国家(哲人政治)が理想であると主張した。

プラトンの理想とする国家は以下の3つに分けられるとします。

・生産階級
・軍事階級
・統治者

プラトンの理想とする国家 イメージ


生産階級は「節制」という徳を重んじ、軍事階級は「勇気」という徳を重んじる。
そして、「知恵」のある哲学者が統治者であることで国家全体の正義が実現すると論じたのである(国家の四元徳の実現)。


参照元: 「資本主義の奴隷」Webサイト、「哲学ちゃん」Webサイト

以上

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