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Olympus Pen FV:タイムカプセルと化したフィルム現像
先日、カメラボックスに入れていたカメラを整理していたとき、ライカM3にフィルムを入れっぱなしで、まるっと1年使っていないことを思い出した。はやくフィルムを使いきらなきゃ、と7artisanの75mmf1.25を手に入れたとき、その時でさえ1、2年フィルムを入れっぱなしにしていたのを使ってみたのだが、それでも最後まで使いきれないでいた。都合3年はフィルムがカメラの中に入っていたことになる。
ああ、これもうやばいなあ、使い切らないとなあ。と思って、カメラを整理しているときに、ふと長年使っていなかったOlympus Pen FVを触ってみると、なんと、これにもフィルムが入りっぱなしだったじゃないか。これは相当に長いこと使っていないぞ、ということで、長い時間を経て(それこそ、当時子どもがいなかったのに、もう二人もいるくらいには時間が経っているというくらいで)久々にレンズに光を通すことになった。
このカメラは、中古屋さんで売られているのを見つけ、即日購入したもの。露出を見ることができるFTが良かったのだけど、中古は一期一会だし、FTは露出を計測できる分、欠点もあるようだし、まあ良かろうと思い購入。ついていたレンズはf2.8と、これまた暗いレンズではあるが、シャッタースピードが500分の1までしかはやくできないので、これもまあ良いとした。何より手に馴染むフォルム、そして普通に構えて縦位置となるファインダーが新鮮だった。
自分はだいたい、撮った写真はどこで撮ったものか思い出せるのだけれど、いざ現像してみて、確認すると、もう思い出せないという写真が幾枚かある。あ、これはここ、これはたぶん大分のここ、とか記憶にあるものもあるのだけれど、これはいつの、どこの写真だろう、と思うものが多い。
さすがに時間が経ちすぎだけれど、けれど、フィルム写真の面白さってこういうところなんじゃないかな、と思う。ハーフサイズの画像の粗さ、懐かしい色合い(どっちかというとあっさりめに写る)、そういうものも合わさって、とてもいい具合に記憶の奥底を揺さぶってくれる。
ライカMに入っていたフィルム写真については、またあとで掲載するとして、今回はPen FVで撮った写真をあげていく。
ハーフサイズは、現在プリントを頼むと、二枚一組でプリントされるようで、一枚一枚にわけることができない。が、今回データで写真をもらったのだけれど、きちんと一枚一枚に切り分けてくれていた。これは予想外のことで、ちょっと嬉しい(が、二枚一組の写真を予想していたので、ちょっと残念)。フィルムが高価になっているのでハーフカメラはある意味経済的だし、扱いやすいカメラだから楽しかったけれど、またフィルムカメラで撮りたいなあ、と思いつつ、ちょっと気合がいるなあ、と逡巡してしまうのだった。
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通勤で使う道を撮った。でもいつの写真だったかまでは覚えていない。あとはどこ、ここ?という場所の写真もある。
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実家の犬くん。
もういなくなって2年は経つ。2年以上はこのフイルムはカメラの中に入っていたことになる。
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春の様子。いつの桜だったか。
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画質は荒れるけど、見れないこともない。この雰囲気はいい。
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妻と2人で暮らした最初のアパート。
これがあるということは、軽く5年は前のフィルムということだ。もう少し前かもしれない。
まさにタイムカプセルのような現像だった。親が撮ってくれたアルバムを見ているような感覚にも通じる懐かしさを感じる。いや、どこか分からない写真も多いのだけどね。
フィルム写真が流行っているとは聞いたけど、うん、たしかにこれはいい世界だな、と改めて思った体験だった。