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リサーチャーインタビュー02|スポーツ科学分野で、研究開発を仕事にできていることは幸せ

R&Dセンターに所属するメンバー1人1人に、ユーフォリアとの“馴れ初め”や、実際はどんな専門性を発揮し、どんな仕事をしているの?ということをじっくり深掘りしていくこちらの企画。

今回は、今年からユーフォリアのR&Dチームにジョインされ、EIS (ユーフォリアスポーツ科学研究所)にも所属されているリサーチャーの月岡惠惟(つきおか けい)さんにお話をうかがいました!

ーーまずは自己紹介と、専門分野について教えてください。

月岡さん(以下、月岡):月岡惠惟です。専門分野は、生理学・運動生理学・神経科学です。また、専門というほどでもないかもしれませんが、情報科学の分野にも多少触れてきました。

ーーユーフォリアに入社したきっかけや、入社の決め手になった出来事などはありますか。

月岡:ユーフォリアには2024年の1月に入社しました。
理由としては、①博士までやってきたスポーツ科学分野での知識・経験が活かせること、②研究結果を社会に論文とは異なる形で還元できること、③前職で触れていた情報科学の知識も活かせそうであったことなどがいいなと思い、入社を希望しました。

ーーこれまでのご経歴や、前職でのご経験について簡単に教えてください。

月岡:大学はスポーツ健康科学部 スポーツ科学科出身で、学部3年生のときに所属していた運動生理学の研究室で研究や実験の面白さに気づき、大学院に進学しました。大学院では生理学研究室に所属し、主に循環、脳機能を研究対象とした基礎研究などを行っていました。

博士過程在学時における実験中の様子

博士課程修了後は情報セキュリティーメーカーに就職し、セールスエンジニアとして勤務していました。営業時に聞かれる自社製品および製品まわりの技術的な質問に対し、顧客に回答するといった仕事を約2年ほど経験してから、現在のユーフォリアに転職しました。

ーー前職では「スポーツ科学」とはあまり関わりのない企業で働かれていたんですね。ユーフォリアとの出会いはどんな感じだったのでしょうか。

月岡:そうですね。ただ、博士課程在学時の研究では機械学習を取り入れるなど情報科学の分野を少しかじる機会もあって、IT技術への興味・関心はありました。前職では基本情報技術者の資格も取得し、そのような経験や知識は何かに使えるのではないかという思いはありました。

ユーフォリアのことは“『ONE TAP SPORTS』を作っている会社”として以前から名前は知っていました。私がまだ大学院にいた当時、コロナ禍で学部生を対象に『ONE TAP SPORTS』が配布されていた時期があって周りにもユーザーがおり、「こんな風にコンディションを管理できるアプリがあるんだ」と思ったことを覚えています。

その後就職したあとも、スポーツ科学に携われる仕事がないかと気になっていたときに、ちょうどアメフトチームでトレーナーをしている友人から「『ONE TAP SPORTS』を作っている、ユーフォリアっていう会社いいんじゃない?」と言われ、ユーフォリアについて調べていたところ、研究開発職の募集があったため応募しました。「スポーツテックの会社」というのも魅力に感じました。

ーースポーツ科学への関心を持たれたきっかけはありますか。

月岡:私自身は3歳から高校生まで水泳をやっていました。中学生からは主に200m/100m 自由形の競泳選手でした。大学生からはトライアスロン競技部で学生トレーナーとして活動し、スイムパートの練習プログラムを組んだりもしていました。

スポーツ科学の分野に進もうと思ったきっかけは、中学生のときに見ていたNHKの「ミラクルボディー」という特集番組ですね。

NHKスペシャル「ミラクルボディー」は、限界に挑むトップアスリートの、常識を超えた驚異的なパフォーマンスの秘密を最先端の科学で解明するドキュメンタリー。超一流選手だけが知る感覚世界を4Kカメラや高精細ハイスピード撮影、CGなどの最新技術で映像化。

引用:NHKスペシャル MIRACLE BODY(ミラクルボディー)

当時、競泳のオリンピック金メダリストであるマイケル・フェルプス選手の全盛期で、自分も水泳をやっていたこともあり、彼の特集に釘付けになりました。それ以来、スポーツを科学として分析したりすることに対して興味を持つようになりました。

ーーその後博士課程まで進み、研究者を志したのはなぜでしょうか。

月岡:気づいたら大学院博士課程にいたので、これといった壮大な志は思い当たらないです(笑)。しかし思い返すと、学部3年生から、実験参加者・実験補助者としてヒト研究・基礎研究問わず様々な研究の実験に参加してました。実験をすること、新しいものにふれることが好きなので、それらが原動力になっていると思います。

また、学部生のときに所属していた研究室の当時の助教から、「世の中で会社名よりも前に自分の名前が書かれる、かつ自分が死んでも地球に永遠に残るものは論文だけだよ」という言葉に駆り立てられたことはよく覚えてます。

博士過程在学時における研究発表の様子

ーー現在ユーフォリアでは、リサーチャーとして具体的にどのようなお仕事をされていますか。

月岡:さすがにここでは基礎研究はできないので、ヒトを用いた応用研究を計画中です。何か一方向からのデータのみに着目するだけでなく、生理・運動生理学、神経科学、情報科学を複合的に組み合わせた研究計画を立案中です。

ーー今の仕事で好きなこと、楽しいこと、やりがいを感じることなどはありますか。

月岡:スポーツ科学分野で、研究開発を仕事にできていることは幸せだなと感じています。また、これまでの人生で蓄積してきた知識や経験をフルに使い、その上で新しいことに挑戦できていることは楽しいです。その一方で、社内ではその分野の専門家として意見を聞かれることがあるので、責任重大だなと感じることもあります。

また企業で働くという点においては、社内にもいろいろな分野の人がいるため、「スポーツ科学」を広い視野で捉えられることがいい刺激になっています。個人的には、実際の現場からの意見をより身近に感じられるようになったことがありがたいです。研究室で行われていることと現場が必要としていることのギャップが見えるようになり、これからR&Dとしてどのような成果を出していくべきかが明確になりました。

ーー今後ユーフォリアでやっていきたいこと、目標や展望についてぜひ教えてください。

月岡:まずは自身の研究成果を自社プロダクトに実装させたいです。自身が関与した製品・機能を利用したことで笑顔になる人がひとりでも多く生まれれば嬉しいですね。

今後の発信もお楽しみに!

【あとがき】
今回は、主に神経科学を専門とされているリサーチャーの月岡さんにお話をうかがいました。生理学研究の博士課程を終了後、一度はスポーツ科学の領域を離れて就職されましたが、研究職の募集が出たタイミングでユーフォリアに転職。インタビューでもお話しいただいたとおり、大学院での研究と前職でのご経験など、すべての知識やスキルを活かして日々研究に取り組まれています。
引き続き、さまざまなバックグラウンドや強みを持ったメンバーが在籍するR&Dセンターからの発信をチェックしてください!


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