マガジンのカバー画像

【えりた書店】

77
元書店員で、雑食系活字中毒者のえりたが「おもしろい!」「好きだ!」と思った本をジャンル問わずにご紹介。売れ筋の本も、ひっそり輝く本もステキポイントをずっしり掴んで書いていきます。…
一か月で10本の書評を放り込みます。記事単体では300円ですから、マガジンの方が絶対にお得。また、…
¥6,000
運営しているクリエイター

記事一覧

■果てしない想像力の破壊力―電撃文庫『タマとられちゃったよおおおぉ』

こんばんは。えりたです。 本日もラノベのお話。 『タマとられちゃったよおおおぉ』 ■陸道烈夏 ■電撃文庫(KADOKAWA) ■ISBN 9784049141474 ■640円+tax ものっそいインパクトを感じる タイトルですが(笑) 内容はこんな感じ。 読んでいると、 わりと昭和な抗争感あふれる場面が 何度も描かれています。 それこそ、 映画「孤狼の血」などで 交わされていたような なかなかにどぎつい台詞も 平気で飛び交いますし よく考えると(考えなくても) 相当に

¥300

■狂おしく求める―『七つの魔剣が支配する』

えりたです。 本日はラノベのご紹介です。 『七つの魔剣が支配する』 ■宇野朴人 ■Ⅰ~Ⅸ(以下続刊) ■電撃文庫(KADOKAWA) Amazonでの紹介文を引用します。 『七つの魔剣が支配する』は 魔法学校の名門キンバリーを舞台とした物語です。 主人公はオリバー=ホーン。 彼はとある目的を果たすために この学校へ入学します。

¥300

■反抗と祈りと―『エンド・オブ・アルカディア』

こんばんは。 えりたです。 本日はコチラの書籍のご紹介です。 『エンド・オブ・アルカディア』 ■蒼井祐人 ■KADOKAWA 電撃文庫 ■ISBN 9784049142204 ■660円+tax こちらは 第28回電撃小説大賞金賞受賞作です。 発売前に、あれこれなご縁で ゲラをいただいてました。 でも。 最初の方を読んだ段階で かなり好きな世界観だと感じたので 途中でゲラを読むのを辞めて 「書籍」の形になるのを待ちました。 で、満を持しての3月10日。 今月の新刊として

¥300

■迷い惑ってこその思春期―『思春期、内科外来に迷い込む』

えりたです。 本日は、まだ途中読みではありますが コチラの書籍の感想です。 『思春期、内科外来に迷い込む』 ■國松淳和・尾久守侑 ■中外医学社 ■ISBN 9784498020986 ■2800円+tax コチラの本はどう見ても ゴリゴリの「医療従事者」向けです。 そして、もちろん 私は医学のイの字も分からない 一介の活字中毒(重度/雑食系)。 なので。 正直、 この本の指し示す真意とか極意とか 深いところにある面白さとかは ほぼ汲み取れていません。 でも。 読んで

¥300

■知らずに読むことの愉悦―『プロジェクト・ヘイル・メアリー』

こんにちは。 えりたです。 本日はコチラの小説のご紹介です。 『プロジェクト・ヘイル・メアリー』 ■アンディ・ウィアー ■小野田和子 訳 ■早川書房 ■ISBN 9784152100702 ■1800円+tax 「小説のご紹介」と書きましたが コチラの小説は 何も知識のない状態で読むのが いちばんおもしろい、との前評判で。 私もそれを実践したのですが。 まさにその通りなんです。 ・・・ この作品を知ったのは 確かヤンデル先生のtweetが きっかけでした。

¥300

■昔語りはわれのみやせん―ビギナーズ・クラシックス版『和泉式部日記』

えりたです。 大河ドラマ『光る君へ』第30話では、颯爽と「あかね」さんが登場しました。彼女は、のちに「和泉式部」という名で中宮彰子さまにお仕えする女性です。 和泉式部は、恋多き情熱的な女性と言われています。彼女の詠む歌は、その時々に心にぐっと来たものを素直に吐露したような、どこにも誰にもおもねることのない、まっすぐな気持ちを伝えるものが多く伝わっています。 そうして、彼女はたくさんの和歌と、『和泉式部集』『和泉式部日記』を残したのです。 個人的な思い出になりますが、『

¥300

■よく生きるということ―『ぼくとがんの7年』

こんにちは。えりたです。 昨日読み終えたコチラの本の感想です。 『ぼくとがんの7年』 ■松永正訓 著 ■医学書院 ■ISBN 9784260049269 ■1800円+tax まずは、帯にある文言を引用します。 小児がん外科医である筆者が ある日突然、膀胱がんに罹ります。 そう。 診る側=医師が 不意に「診られる側」=患者に なってしまったのです。 本書は、 その時々の筆者自身の 身体的な変化、痛みの様子、 診断から手術、術後のことまで 時系列に語ります。

¥300

■どんな仕事でも新人あるあるはつながってる―『新人ナースあるあるの森』

こんにちは。 初心者書店員えりたです。 今朝、コチラの本を読み終えました。 『新人ナースあるあるの森』 ■「ある森」委員会 feat.Nバク&ヤンデル編 ■日本看護協会出版会 ■ISBN 9784818023895 ■1500円+tax この帯文が、本書の内容を 余すところなく伝えています。 具体的に見て行きましょう。

¥300

■象の隣で眠る―『「帝国」ロシアの地政学』②

先日、前半部分の感想を書きましたが ようやく読み終えました、コチラ。 小泉悠 『「帝国」ロシアの地政学  「勢力圏」で読むユーラシア戦略』 東京堂出版/2400円+tax いやぁ、面白かった! というか、 日本という、四方八方を海に囲まれ 大陸の端にぺろっとくっついてるような 地勢に生まれ育った自分には 言われなければ、 意識しなければ、 「ロシア」の持つ焦燥感や大国観は 理解できないし、 想像も及ばないものなのだと痛感しました。 いや、だって。 ロシアって。 四方八方

¥300

■今ひとたびの逢ふこともがな―ビギナーズ・クラシックス版『百人一首』

えりたです。 若い頃はその機微がまったく理解できなかったけれど、大人になった今なら何となく実感できる、身近に感じられる。そんなふうに変化したものが幾つかあります。みなさんにも、そう言われて思い浮かぶものは様々あるのではないでしょうか。 それらは、さまざまな経験がなしたものなのか、それとも生きた時間が醸成したものなのか。そのあたりの理由や理屈はよく分かりません。ですが、その変化のおかげで得た緩やかさ、穏やかさは、少なくとも私にとっては、とても温かなものでした。 さて、私の

¥300

■ 前提がまるで異なる人を理解するということ―『「帝国」ロシアの地政学』①

今、起きていることを どうにかこうにか理解したくて。 理解するための取っ掛かりが欲しくて。 こちらの本を読み始めました。 小泉悠 『「帝国」ロシアの地政学』 東京堂出版 ISBN 9784490210132 本体価格 2400円(+tax) まだ、読んでいる途中なのですが それでも目から鱗が落ちすぎて 足元が煌めくほどに、学ぶところの多い本です。 たとえば。

¥300

■「ただそこにいる」ことのたいせつさを―姫乃たま『永遠なるものたち』

色覚についての本を読み 色覚が人それぞれであると知ったとき 強烈な孤独感に襲われました。 隣りにいるこの人と まったく同じものを見ることはできない。 そして、その人が見ているものを トレースのように正確に知ることは 絶対にできない。 もちろん、感じ方は人それぞれで まったく同じことはない、なんて 当たり前のこととして 何の違和感もなく理解していていました。 それでも。 色覚について知ったとき感じた 強烈な孤独感は 私を奈落の底に落としたのでした。 それからずいぶん時間

¥300

■原体験がもろもろと顔を出す―『深夜、生命線をそっと足す』

学生時代に、友人と ミュージカルを観に行きました。 とても感動的で素敵な物語でした。 終幕後、ふと隣に座る友人を見ると ものっそいダダ泣き状態。 それくらい深く感動したのだなと ぼんやり思って泣き止むのを待ってると 彼女が一言、 「なんで泣いてないの? あんた、人間じゃない!」 と言い放ったのです。 泣いていないというだけで、 まさかの種から否定(笑) あまりにも根本からの否定過ぎて 反論も思いつきませんでしたとさ。 とまぁ、学生時代 わりとざっくりめに刻まれた傷が 私

¥300

【読書note】あなたの「光る君」はだれですか―紫式部『源氏物語』

えりたです。 今日は、大河ドラマ『光る君へ』に関わる本のご紹介です。 以前、こちらの記事を更新しました。 こちらは、長い間『源氏物語』をはじめとした、平安時代の文学を研究していらっしゃる三田村雅子先生による『源氏物語』の入門書です。「100 de 名著」シリーズですから、書店で手に入れやすいですし、また、お値段もお手頃。なので、私にとっては、心からのおすすめ本♡ これを読むと、けっこう本気で「うわぁ…『源氏物語』読みたい…‼‼」ってなるですよ。しかも、大河ドラマ『光る君

¥300