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たんぽぽ19歳のコーヒーは黒胡麻です。【ユーモアエッセイ】

コーヒーが お好きでしょ
もう少し 呆れられましょ
ありふれた 戯言でしょ
それで いいの 過去は


 つい、石川さゆりさんのウイスキーの歌に乗せてしまいました。

 素敵なメロディを背中に、ウイスキー苦手な私の右手で、カランと氷が鳴っています。

 中は、ただの炭酸水です。



 授業中、会議中、睡魔に襲われたとき、油性ペンで瞼に目を書いたことありますか?


 テレビの中の話しだけに留まっている笑い話はたくさんあるもので、

 でも、本当に目にしたことは、私は無い。



 仕事中に眠くなって、椅子から落ちそうになったことは経験済み。

 仕事中に眠くなって、隣デスクの上司に夢狭間のセリフを、大きな声でへらへら笑いながら言い放ち、驚かれたことも経験済み。

 仕事中眠くなって、佐川急便の兄ちゃんの前で白目になって引かれたことも経験済み。

 どれも若気の至りである。

 

 それにしても痛々しい私のコーヒーのアホさは、若いから仕方ないねぇと頭をヨシヨシされるものではなかった。

 そう、私は、現実世界では、とんでもなく無知な若者だった。



 たんぽぽの綿毛を飛ばして遊ぶ光景がまだ似合う19歳。

 職場の女先輩と、給湯室でコーヒーを飲むことになった。


 後輩の私が淹れなくては!
 
 そんな社会的常識は有り難いことに持ち合わせていた。
 高校生の時分、ガソリンスタンドのバイトで培った知識だ。

 
 
 ドリップ式のコーヒー粉は、経費で買っていた。
 来客用&とある上司に出すだけの豆であり、在庫を切らせてはならない存在だと思っていた。


 入社して1年ちょっと。
 なんやかんやでパチンコ店ホールスタッフから事務員になってしまった私。


 何かとキチキチしておかしな所に厳しい組織だったから、
事務所側に入るとこんな自由もあるのか!
 と、このとき初めて知ったし、そんなことで感動する19歳の乙女だった。


 フィルターをセットしたドリッパーを、先輩のマグカップに乗せ、挽かれた豆を適量入れ、ポットのお湯を注ぐ。


 コーヒーの香ばしさに加え、湯気と滴る音………幸せな香り。




 優雅なコーヒータイムは、シナリオ通りにはいかなかった。


 なぜなら私がアホウドリ顔負けのたんぽぽだったから。

 ふわふわ軽い脳だったーー今でも。


 私はドリップ式のコーヒー粉を、マグカップに直接入れ、躊躇いもなくお湯を注いだ。

 
 インスタントコーヒーではないから、当然だが溶けるわけがない。飲めるわけがない。

 豆はお湯の上でぷかぷかと泳ぐ黒胡麻のようだった。
 

 何よりもそれ以前にお話にならないわけで、先輩はギョッとして目を丸くした。

「そんな人初めて見たんだけど…」
と、呆れられてしまった。



コーヒーが お好きでしょ
もう少し 呆れられましょ
ありふれた 戯言でしょ
それで いいの 過去は


 
 まぁお茶入れは知っていたが、コーヒーを好んで飲む機会がなかった19歳の、私のメロディ物語です。


 恥ずかしくなった私は、とりあえず笑ってその場を誤魔化した。


 そしてその後、たんぽぽ探しの旅をしました。


 というのは、嘘ですが。



最後までお読みいただきありがとうございました♪
また来てね☕️


〜おまけ〜
市販の甘いコーヒー、アスパルテームという人工甘味料が入っている商品がある。
WHOが危険性のある甘味料として、最近発表したばかりだの甘味料だ。
私は、缶コーヒーを飲むと、決まって体がダルくなる。
それはブラックでも同じ。
缶コーヒーは、スチールやアルミの中で何らかの化学反応が起こっているのではないかと、私の体は言っています。
甘いコーヒーを飲む際は、砂糖の方が遥かに健康的だと思っている。
しかしこれは、個人の独断と偏見と思ってくださいネ。

サポートいただいた暁には喜びの舞を心の中で踊りたいと思います。今後の活動のパワーになります。