夢はある日突然に|夫の独立開業つれづれ日記 vol.1
きっかけはバイクのブレーキ部品、だったと思う。
夫の学生時代からの古い友人のひとりから、趣味であるバイクのブレーキ部品の一部が壊れてしまったので作りなおしてほしい、という一本の電話から始まった。なんでも今では製造されていないバイクなのだそうで、修理したくとも部品が簡単に手に入らないのだという。
その友人が家の庭先の階段にむき出しのまま無造作に置いてったそれは見たこともない形状の鉄の塊で、夫から説明されるまではお義父さんが置き忘れた不要品だと思っていた。お義父さんは自称、器用