はじめに。

銀色夏生さんをご存知ですか。

30年ほど前、
中高生だった私が初めて手にした写真詩集。
当時、本屋に行くたび『銀色夏生』と書かれた背表紙を探すのが常でした。
今となっては、もはや当時の私の憧れや願い想いなんかは忘却の彼方ですが、銀色夏生さんが紡ぐ言葉と写真に夢中になっていたことだけは鮮明におぼえています。
何度も何度も同じ本の同じページを読み返したりして。

学生を卒業して社会人になるにつれ、いつのまにか本を手にすることが少なくなり、銀色夏生さんの文字を追いかけることもしなくなりました。

それから30年の月日が流れ。
日常に埋もれたまま思い出すこともなく過ごしてきましたが、ふとした拍子に銀色夏生さんが頭の中で突然サーッと流れ星のように横切ったのです。

あぁ、あのころ好きだったよね。

私が言葉と写真を好きな理由。
好きにもいろいろあると思うけれど、私の好きは、熱を帯びているわけでも、まばゆく輝いてるわけでもなく、静かに淡々とそこに確実に存在しているといった感じで。銀色夏生さんは、そんな『好きの素』のひとつになっていると確信しています。30年経った今でも好き。

そんなわけで『好きを始めよう』と思い立ち、このnoteに私なりの言葉だったり写真だったりを綴っていこうと思います。


『同じ本は二度読めない』

とは、
喜多川泰さんのブログを拝見していて見つけた言葉です。

““いい本と出会うと「もう一度読もう」と置いておくことがある。
その内、どれくらいの割合で再読するのかは、人によって違うが、もう一度読むと、良くも、悪くも、必ず一度目とは違った感想を抱くことになる。
一度目とは違った文章に心を惹かれたり、
気づかなかった描写に出会い想像上の風景が加わったり、逆にそれほど心が動かなかったりと、同じ感想を手にすることはできない。””

と。



そんなふうに「今」でしか感じとれない言葉たちに触れたい。
そんな想いを込めて綴ります。


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