50歳エンタメプロデューサーが、若手に伝えたい50のこと。

50歳が近づいてきたエンタメ系プロデューサー。映画、アニメ、キャラクタービジネスなど、幅広く日本のエンタメビジネスに取り組んできた筆者が、大事にしてきたことを備忘録的に書きます。感性の鋭い20代や30代のプロデューサーが、企画を実現するためのお役に立てば幸いです。

50歳エンタメプロデューサーが、若手に伝えたい50のこと。

50歳が近づいてきたエンタメ系プロデューサー。映画、アニメ、キャラクタービジネスなど、幅広く日本のエンタメビジネスに取り組んできた筆者が、大事にしてきたことを備忘録的に書きます。感性の鋭い20代や30代のプロデューサーが、企画を実現するためのお役に立てば幸いです。

最近の記事

「えんとつ町のプペル」は、実現力の勝利でもある。

お久しぶりです。 もうすぐ50歳Pです。 忙しくて、なかなか更新できずにすいません。 「えんとつ町のプペル」興収20億を超えたそうです。 映画業界に関わったことのある身としては、えんとつ町のプペルのマーケティング展開には驚かされることばかりでした。 西野監督が、ティーチインでとにかく多くの映画館を回る。 緊急事態宣言後は、本人が観客と一緒に映画を鑑賞する。 冒頭3分と、エンドロールを無料公開する。ETC。 一つ一つのアイデアのすごさ、じゃないんです。(素晴らし

    • 本当のことを言えばいいってもんじゃない!

      タイトルの通りです。 プロデューサーをしているといろんな場面に遭遇します。 脚本を変えないといけない、予算が下がった、etc。大体いい話じゃないことが多いです。 その時に、スタッフにどう伝えるか。 まず、タイミングが大事です。 当たり前ですが、変更が間に合うタイミングで言わないと意味がありません。 そこを寝かせてしまう人が、たまにいるのですが。 Time is money.  もう決まってしまったことは早く言うに限ります。 ただ、、、その理由を、どこまで本当

      • Clubhouseは今のうち(番外編)

        もうすぐ50歳Pです。 話題のClubhouseについて。 ※これは、若手に伝えたい「深め」の話ではありません。 今、Clubhouseは、かなりカオスの状態です。(笑) 今までも、セミナーやTwitterなどで、積極的に情報発信をしてきたインフルエンサー的な、プロデューサーやクリエイターの人たちだけでなく。 大き目の会社に所属していて、発言を制限されてきたような人や。 そこまで有名な人ではないが、業界では知られている人。 などが、なぜかどんどんルームで発言して

        • 英語はマスト、もう1言語

          もうすぐ50歳Pです。 自分がそこまで語学ができないのに、このタイトル。 とにかく若手に伝えたい。 映像やコンテンツの勉強する時間も大事だけど。 同じぐらい語学の勉強も大事である。と。 まず英語。 ネットフリックス、amazon、外資系のプラットフォーマーや、そもそもディスニーやワーナーなどの外資系の会社。 これらの会社で活躍するには、マストである。 また、こういった会社に企画をプレゼンテーションするとしても、英語が使え、直接本社と話ができるプロデューサーの方

          成功したらスタッフのおかげ。失敗したら、プロデューサーの責任。

          もうすぐ50歳Pです。 今回のタイトルは、私のモットーです。 プロデューサーってそういう仕事なんです。 基本の仕事が調整です。 とにかく、スタッフ、出資者、関係者、それぞれの立場で発言します。 自分のやりたいこと、利益を最大化するために動きます。 それを調整する。 しかも、ただやみくも調整するのではなくて、ある大きな方向性を提示して、その方向で調整してゆく。 それがプロデューサーの仕事です。 非常に孤独な作業です。 みんなが仲間のようで、でも仲間ではありま

          成功したらスタッフのおかげ。失敗したら、プロデューサーの責任。

          持ち込まれる出資案件には気をつけろ!

          もうすぐ50歳Pです。 映画やドラマ、ライブイベントなど、会社に所属していると、出資持ち込みの話が多数あるかと思います。 会社に所属していなくても、エンタメコンテンツに投資をしたいと言っていると、いろんな方がよってきます。 ここで一つ大前提を。 「持ち込まれた案件に、いい案件なし。」 です。 単純な話、儲かるのであれば、その人(会社)が自分でやります。 おいしい話をもってくるわけないです。 もちろん、例外はあります。 例えば、あなたやあなたの会社が他の会社に

          あなたは2度人生を楽しめる。

          もうすぐ50歳Pです。 すごく、ぐーたらな社員の先輩がいました。 でもその人はたまにものすごくいいこと言うのです。 「子供ができると、もう一回人生の初体験ができるぞ!」 「どういう意味ですか?」 「ほら、俺たちもう初めてってないじゃん。例えば、海を見て、うわ~広いとか。青いとか。2度と思わないじゃん。」 「はい。」 「でも、子供ができると、子供が初体験をいろいろするわけ。海をみるのも初めて、雪を見るのもはじめて。なんでも初めてだからさ。そのリアクションで、もう一

          批評家には、なるな!

          もうすぐ50歳Pです。 大学を卒業して会社に入り、数か月の研修が終わった後、メンターの先輩がつきました。 本当にできる人だったので、その方から学んだことはたくさんあるのですが。 今日は、自分が今でも一番大事にしている話を。 会社に入り、いろんな打ち合わせに出たのですが、本当にどれも面白くなく。。。。 いわゆる「ブレスト」という、アイデアをみんなで出し合う打ち合わせが多かったのですが。 入社したての新人だったのに、特に意見を言うわけでもなく、今から考えると、本当にひ

          どんな肩書の方とも、丁寧なやりとりを。

          もうすぐ50歳Pです。 この業界に長くいて、痛感していることの一つが、今回の話です。 プロデューサーをしていると、ありがたいことにいろんな方から売り込みをいただいたりします。 脚本家さん、監督さん、制作会社のプロデューサー、そして、一番多いのが芸能事務所のマネージャーさんからの新人の売り込みです。 忙しいときには、なかなか対応しきれなかったりはするのですが、できるだけ資料には目を通すようにしますし。 メールや連絡などにも、お返事するようにしています。 実際、お仕事

          映画業界人が必ず見るサイト

          もうすぐ50歳Pです。 少し重い話が続いたので、軽いTipsを一つ。 日本市場で、映画興行に関わるのであれば、絶対に知っておかないといけないサイトがあります。 それが、これ。 デイリーで、20分単位で、最新の興行状況がわかるサイトです。 ものすごくざっくりですが、この数字×2倍×1000万円 がその段階の興行数字と考えていいと思います。 公開する前日の予約の数字で、まず予想。 そして、公開日は、20分おきににらめっこです。 シニア向けだったり、ジャニーズ主演だ

          薬に頼ろう、の話。

          もうすぐ50歳Pです。 前回、パニック障害の話を書いたところ、反響があったので、もう少しだけ。 自分がパニック障害になったのは、29歳の時。 コーヒーをじゃぶじゃぶ飲んだ打ち合わせ後、一人で歩いていたら、だんだん今までになったことのない感覚に襲われた。 急に、走り出したいような。 そうでないような。 とにかく、今までになったとこのない感覚。 赤信号でも自分が飛び出しちゃうんじゃないか。 わけもわからず、少し落ち着いた後、病院に駆け込んだ。 症状を話すと、心電

          人生に悩んだときに、効く本。

          もうすぐ50歳Pです。 今日、部下から、悩みの相談を受けました。 内容を聞いていると、確かに判断が難しいし、万が一の可能性を考えると、かなり悪いことになってしまうかもという案件の話でした。 ただ、私が言ったのは、 ・とにかくできるだけ多い「事実」情報をとって。 ・そして、最悪の可能性を考え ・考えられる複数の選択肢から、最善と思われる手立てをとって。 ・寝る! これは、D・カーネギー「道は開ける」からの受け売りです。 https://www.amazon.c

          あなたは、スーパーのチラシのデザインをどう思いますか?

          もうすぐ50歳Pです。 新年明けましておめでとうございます。 今までが精神的な?考え方だったので、より具体的な話を一つ。 まず質問です。 「あなたは、スーパーのチラシのデザインをどう思いますか?」 どう思いますか?と言われても。という方も多いと思います。 例えば、イケているデザインだと思うのか? あれを見ると商品を買いたい気がするのか?など、いろんな視点があると思います。 今日の話は、「型」を知って、「型を崩す」という話です。 私は長い間、映画の仕事をしてき

          あなたは、スーパーのチラシのデザインをどう思いますか?

          自分のやりたいことはどんどん周りに言うべき!

          もうすぐ50歳Pです。 自分の仕事の転機はいくつかあったかと思うのですが、一番大きかったのは、エンターテイメントをする部署への移動でした。 ただ、これって急にそうなったわけではなくて、移動の前1~2年ずっと、「僕はエンタメの仕事がしたいんです!」と言い続けた結果だったんです。 すごく単純な話ですが、自分のやりたいことや、持っているアイデアなどを周りの人に言い続けるというのはすごく大事です。 あなたが何をやりたいのか?どういったポテンシャルを持っているのか? 周りの人

          自分のやりたいことはどんどん周りに言うべき!

          メールに「ネガティブな感情」を載せないように。

          もうすぐ50歳Pです。 最初のお話は、メールについて。 お酒を飲むと人格が変わる人がいますが、同じようにメールで人格が変わる人って、あなたの周りにいませんか? 私は、意図的に、自分の感情をメールにのせないようにしています。 部下を持った時に、基本的には部下にやりたいようにやらせていましたが、いくつか注意したうちの一つが、このメールのことでした。 その部下は、普段はそこまできつくないのですが、メールだと人格が変わったように、仕事仲間を詰問口調で攻めたり、きつい質問を繰

          メールに「ネガティブな感情」を載せないように。

          はじめまして

          もうすぐ50歳になるエンタメPです。 20年以上この業界に関わってきて、「日本」における実践的なエンタメ・プロデュース論に出会ったことがなく。 ある程度、体系的にまとめられればと思ってnoteをはじめることにしました。 超泥くさい経験談か、かなるふわふわした座学か、しかなく。 その間にある、あり程度体系だてつつ、実践的なプロデューサーにとって大事な考え方を伝えられればと思います。