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2016年2月の記事一覧
ピアニスト小倉末子について補遺(ある小説について)
一昨日、noteでピアニスト小倉末子氏のことを書いたけれど、小倉末子氏の事績をまとめた本は展覧会カタログくらいしかないこともそこに書いた。
でも、小倉末子、久野久子をモデルとした小説は「落日の奏鳴楽 二人のピアニストとその祖国の物語」ってのがあったりする。
これは小倉末子をモデルとしたピアニスト小西時子の手記という形式で、東京音楽学校から海外経験と帰朝、久野久子をモデルとしたピアニスト神原道子との
科学映画(20世紀日本音楽の宝庫でもある)をまた見てみませんか?
今は小学校や中学校の視聴覚教室でみんなで科学映画を見る、なんという授業はまだあるんでしょうか?
私もすでに記憶はおぼろげになっちゃってますが、科学技術だったり自然だったりの科学映画を見せられたように思います。
そんな日本の科学映画、教育用映画はフィルムで撮影されたものがいっぱいあるわけですが、そのフィルムも劣化が進んでいる中、デジタル保存するプロジェクトを行っているのがNPO法人科学映像館です。
クリエイター(音楽家や文筆家)は何人ぐらいのファンに支えられるとご飯が食べられるのか(その1)
ファンがいるということ、それを職業にご飯を食べることについて
以前、SNSで話題にしたことなのだが、特にクラシック音楽の、さらにいうと私の関心としては古楽や現代音楽のそれほど大規模な演奏会は開かない人々が、演奏会である程度収入を得ようとすれば、何人程度のファンまたは客に支えてもらわなければならないのか、というのが気になり、それをうまく数値化できないかなと考えた。気になったというか、それで生活
菅原明朗を知っていますか?
2月14日にオーケストラ・ニッポニカの演奏会があります。このオーケストラは、今まであまり振り返ってこられなかった第二次世界大戦前後を中心に活躍した日本人作曲家の作品を多く取り上げ録音もしている大変、貴重で奇特なオーケストラです。そんなニッポニカが今回作品を取り上げるのが菅原明朗(1897〜1988)とイルデブランド・ピツェッティ(1880〜1968)です。
菅原明朗という作曲家をご存知でしょ
(本の紹介)「モーツァルト最後の4年」
モーツァルト観の変化
「モーツァルト最後の4年」を中心に。
私はモーツァルトの素晴らしさがイマイチわかっていない人間である。正確にいえば、好きな曲もあるけれど、だからといってモーツァルトの曲はどれも天上の音楽であるかのようなありがたがり方や、なんか歴史上最高の作曲家のように崇拝するのは違うよねって程度だけど。それに世間のモーツァルトのありがたがり方の一部は作品だけでなく、夭折の天才だったという点
(感想)「わからない音楽なんてない−子どものためのコンサートを考える」
この「わからない音楽なんてない −子どものためのコンサートを考える」という大胆な題名の本は、東京交響楽団が2001年度から始めた「こども定期演奏会」の作られ方やデータを中心にし、それに加え、子供のためのコンサートの各国の歴史や、どのようにしてコンサートは作られているのか、子供のためとはどのようなことなのかの考察なども含んだ労作です。この後の文章は読んでいただかなくても、子供向けのコンサートとはどん
もっとみる「あるクラシック音楽入門新書のできごと」
こちらは2011年に出版されたクラシック音楽入門者向けをうたった新書「人生が深まるクラシック音楽入門」の内容のおかしなところをリストアップしたものです。(正確には間違いと、そんなことを堂々と断言していいのとか、俗説なのに本当みたいに教えていいのとか、不正確なんじゃないのとか、いろいろですから極めて主観的なことを先にお断りしておきます)
先だってnoteに公開した「アインシュタインとヴァイオリン」の
「ある音楽書について、2年前に出版社に送ったメール」
これは、2年ほど前にある出版社に出したメールです。今更またこのことを持ち出すと単に私が粘着なやつに見えるかもしれませんが、このメールでとりあげている本は、今でも本屋さんに並んでますしamazonにも在庫が何冊もあるようです。これほど大量の内容のミスを指摘したメールを送っても普通に売り続けられるわけですから、ミスがどの程度あるかは読者(未来の読者も含む)のために公開してもバチはあたりますまい(と自己
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