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冬の朝の色と、本との再会。


今朝起きてカーテンを開けて、あ、と思いました。
このキンと冷えた空気。

やっぱり。

7時。
私の好きな冬の朝の色です。

もうすぐ日が昇る、そんな時間。
東の空のフチだけが、ほんのりオレンジで、
あとは窓からの景色すべてに、うすい水色のフィルターがかかっている。

ひとめ、庭の芝生にも目の前の畑にも、雪がつもった?と思うほどの白い霜が下りている。
その白と、雲のない晴れた空のうすい青が混ざり合って、水色になるのです。(私の勝手な推測。)

まだ、世界は眠っている。

7時半になると、もう活気に溢れた太陽が昇って世界を眩しく照らすので、それまでのほんの30分ほどのあいだ。

あぁ、言葉で表現するのももどかしいくらい。
見てほしい。

この朝の色を見ると、以前好きだった市橋織江さんの写真を思い出します。
まさに、市橋さんの写真の世界を、自分の目の前に見る感じなのです。

そして、手放した写真集のことを思う。

何年も前、できるだけものを減らそうとしていたときに、迷ったあげく写真集を売ってしまったのです。
今になって、こうやってまた見たくなって、少し後悔している。


そんな、かつて手放した本たちを、最近また買い直しています。
もう読み返さないと思っていた小説。

結局、10年も20年も前の出合いは、偶然であって、偶然じゃなかったんだな、と思ってうれしくなります。



『ムーミン谷の冬』も読み終わったとき、同じタイミングで届いた4冊の古本。

江國香織さんの『泣く大人』は、先週たまたま図書館で目が合い、そういえば読んだことない、と思って借りてきました。
でも、読み始めてすぐ、これは借りて読んでいる場合ではない、と買うことを決めました。
対になる『泣かない子供』もいっしょに。


そして、『ノルウェイの森』を読みながら、無性にまた読みたくなった『冷静と情熱のあいだ』。
今は『Rosso』、江國香織さんの方を読んでいます。

もうすでに、読み進めるのが苦しいほどに、実に20年前に初めて読んだときのあの世界に引きずり込まれようとしています。
あのときと違うのは、江國香織さんを好きな理由がわかっているので、一文一文を噛みしめるように味わえる、ということ。


今朝の冬の朝の色、市橋さんの写真のようであると同時に、江國さんの文章のもつ風景のようだ、と思いかけて。

いややっぱり、昨日読んだシーンの描写、晴れた朝より、雨と霧のミラノの風景の方が断然いい、と思い直しました。


そこまで考えて、あぁ、霧のミラノと言えば、須賀敦子さんの『ミラノ 霧の風景』をまた読み返したい、と気持ちが動きます。

でも、まずは江國さんと辻仁成さんの恋愛小説にどっぷり浸かってからだ。
それから、二人による共著『恋するために生まれた』を読み返すのもいいな。


結局、予定とうらはらに本の興味はあっちへこっちへつながっていき…。
図書館に届いた、まったく違う著者の小説を受け取りにいけないまま、今週も終わってしまいそうです。
期限までには、必ず…。



日中も、青空と雪山のコントラストがきれいだったけど、とにかく寒かった!!
風の吹き抜けるグラウンド、身体に力が入りすぎました。


でもこれからまだ、ゆっくりと温かいお風呂に入りながら、小説の続きを読む時間がある。
そう思うと、今日もまたよい一日です。



今日の色に思いを馳せた、2ヶ月前。


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