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初ゆき、きくちちき。


今日も今日とて、ふとんから出たくない朝。


雪積もってるよ、という長男の声でようやく起き上がりました。
ほんとだ、窓から見える景色全部が、うっすら雪をかぶってる。

平日なら、煩わしささえ感じるけれど。
雪のつもった日曜日は、外も静か、心の内も静かです。



ダイニングテーブルの上に手紙が。
遅れての次男からの手紙。

おたんじょうびおめでとう、いつまでたってもすきです。


9年間の人生の中での、いつまでたっても、という言葉にふふふ、と思わず笑みがこぼれます。
そして、いつまでたってもかわいがってね、で締められていました。
ふふふ。


雪の降る外を眺めながら、朝からおでんをつくります。

ときどき文庫本を片手に、立ったまま気付けばしばらく読み耽って、鍋の中がボコボコしてたり。

図書館で先週借りた、小野寺史宜さんの『ひと』を読み終わりました。
シンプルにあたたかい物語でした。
コロッケが食べたくなる。

そしてそのあと、あと四章分を残していた『冷静と情熱のあいだ Blu』をお風呂での楽しみを待たずに、読み切ってしまいました。


子どもたちは同じ部屋でゲームをしていたので、やっぱり一人のときに読めばよかったと後悔。

鼻をシュンシュンするくらいで耐えたけど。
我慢しなければ、たぶん嗚咽。
話の結末は知ってたのに、だめだぁ…。
脱力。


サッカーから帰ると、雪はすっかり溶けてしまっていました。


そういえば、忘れてはいけないもう一冊。
先週、図書館で借りてきた絵本があります。

ねぇねぇ見て見て、絵本借りてきたよー、と私が言うと。
見る前に、あ、わかった、あれでしょ!と次男。



そう、これ。
本当に大好きな絵本。

4、5年前、図書館で見つけて初めて借りてから、毎年この時期になると借りています。


大胆だけど、やさしい絵。
見開きにひとことずつ。

雪のやさしさと厳しさ、静寂と賑やかさを、見事にその絵と少ない文字で表現しています。
雪を描いた絵本は他にもたくさんあるけれど、これは本当にすばらしい、と思う。


もう私たちは、すっかり覚えてしまっています。
いちばんすきなのは、

そらがくれた
もうふのよう

というページ。

今朝も、今年初の雪が庭の芝生にふんわり積もっているのを見て、読み上げるようにこの大好きな一文を口にする私。
「そらがくれた もうふのよう」

そこに、次男が続く。
「そらがくれた もうふのよう」



この表紙もいい。
きくちちきさん作なのだけど、『ゆき、きくちちき』までが、私たちのこの本の名前になっています。

こんなに毎年借りるなら、買えばいいのに、と去年あたり思ったのですが。
なんとなく、この時期だけ借りてくる、というのがいいような気がして。

先週、図書館の「冬の本」コーナーで見つけて、借りてきたわけです。


でも毎年、ちょっと申し訳ない気もしながら。

こんなにいい本がここにあるのに、またうちが借りていっちゃっていいんですか~
とちょっと思い、
2週間たったら戻すので、どなたかぜひ~
と思って今年も借りさせていただいてます~。



子どもにも。
大人のみなさんにも、ぜひ。


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