エレカツ@国語教師

私立高校で働く現役の国語教師。革命的かつ、地に足の着いた授業と、学級通信のコラムが生徒…

エレカツ@国語教師

私立高校で働く現役の国語教師。革命的かつ、地に足の着いた授業と、学級通信のコラムが生徒・保護者から絶大な支持を得ている。これを書籍化、収益化するのが夢です。お仕事依頼も募集してます。コラムだけでなく、教材共有やビジネススキルも発信。フォロー・コメント・シェア、その他大歓迎です!!

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「常識人間」の命日

前書き 僕のキャラクターをもっともストレートに表しているコラムです。 勤務校で、新クラスを立ち上げた際、生徒保護者にぶつけた文章です。 「常識人間」の命日「勉強が好きだ!」――僕が君たちと同じ年齢のころ、この科白を教室内で言うことは出来なかった。理由は2つある。あまり勉強が好きではなかったことと、「この空間でそれを言うべきではない」と直感的に理解していたからだ。 だから当時の僕は、自分の意志で部活(バスケ)に打ち込み、自分の意志で勉強をなまけ、自分の意志で塾に行った時だ

    • 時代閉塞の状況

      前書き これは石川啄木の代表作、「一握の砂」の有名な詩だ。詩人・歌人として知られる彼だが、「時代閉塞の状況」という優れた評論がある。タイトルはそれに敬意をこめて拝借させていただいた。 時代が行き詰っている——若い人、挑戦する人ならば毎日のように感じているのではないか? これは現代日本に限らず、日本の近代でも、欧米でも、普遍的なテーマだったようだ。 「今を生きる」、原題はDead Poet Societyという映画は、時代を超えて、それを我々に突きつける、そして細部に思

      • 病んでいない、飢えている。

        前書き 少し前に、「帰ってきたヒトラー」という映画を観た。 ヒトラーが現代に転生し、芸人として話題を掴み、政治的なインフルエンサーのようになっていく話だ。 最後に、ある男が、「これはそっくりさんではなく、本物のヒトラーだ!」と気づく。 しかし、彼は狂人扱いされ、犯罪者として収監されてしまう。 世が狂っているのであれば、そこで生きる人間もおかしくなるのが常だが、皆がおかしくなってしまえば、本来当たり前の反応も「異常」となってしまう。 正と負はコインの裏表であり、「正しさ

        • 卒業生代表、オレ。

          前書き 前任校を辞めたのは6年前。その時に保護者・生徒へ渡したメッセージです。一緒に載せたコラムはいずれ別途公開します。 当時はもう、同僚との関係とか、お世話になった人とか、そういうのは全てどうでも良かった。教師とは程遠い、”教員”という職には辟易していた。 でも、生徒と授業はとても好きだった。ここだけは譲れない、かつ、向いていないくせに辞められない自分の矜持である。学校って、センセイと仲良くなってもヤなことばかりだけど、生徒と仲がいいと、ホント楽しいです。 自分はア

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        「常識人間」の命日

          立ち上がれ!

          前書き 哲学者、國分功一郎の「暇と退屈の倫理学」は何度も読み返しても飽きない、素晴らしい文章だ。 彼の魅力は何といっても、「アクセルとブレーキの絶妙さ」である。普通の人が小難しく考えるところをスパッと片づけ、凡人が気にならないところで立ち止まる。 この切り口の鋭さが、ただでさえ優れた彼の頭脳を、さらに際立たせて「名著」の域に運ぶのだ。 「退屈」というテーマから、「幸福」をちょっと違う切り口から考えてみました。学校の授業がクソ退屈な理由も、少し見えてきます。 考察(本

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          犬を飼い始めたときの話。

          前書き もう犬を飼い始めて8年になる。 もともと犬は好きだったが、知識もなく、飼うことは出来ていなかった。 私の妻は小さい頃から犬を飼っていて、僕と付き合い始めたときにももちろん犬を飼っていた。 そして一緒に暮らすことになり、「連れ子」の犬も一緒にやってきた。 僕としては長年の夢がかない、妻もドン引きするくらい溺愛することになる。 完全に犬にハマり、結婚する際にも二人で話し、婚約指輪の代わりにもう一匹犬を買って買うことにした(※結婚指輪は買いました)。 新婚旅行も海外に

          犬を飼い始めたときの話。

          教材紹介―土佐日記冒頭「馬のはなむけ」

          前書き 授業プリントを作ったり、予習をしたりって教師には欠かせない大事な仕事です。授業が第一ですから! ここは譲れない、サボれない、と思っている人が多いです。もちろん、私もその一人です。 でも、全ての授業がそうでしょうか?また、最低限のベースの部分(例えば単語の意味とか)は、流石にそれほどの差はないでしょう。 そう考えると、学校教育の世界って、 日本中の先生が、日本中で同じことをみんながやっている のです。これって非常に効率悪いですよね?だから、私の作ったプリント

          教材紹介―土佐日記冒頭「馬のはなむけ」

          スミレはスミレらしく(春宵十話)

          前書き 数学はもっとも純粋な学問である、と言われる。 僕はド文系の人間で、数学は全く分からないのだが、数学者のものの見方はとても好きで、優れたエッセイに出会うことが多い。 なぜ勉強しなければいけないのか、という問いはあまりに愚かでまともに答える気はしない。 でも、学ぶ理由はある。結構熱い理由が。その熱が結構苦しくもあった。 本文 「春宵十話」は天才数学者、岡潔の随筆であり、冒頭はその引用である。 かつて、多くの数学者が挑んでは心と身体と人生を砕かれ続けてきた「多変数

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          霧の中のインテリ

          前書き 「有名な言葉」「格言」は世にあふれていて、それらは「常識」と呼ばれる。 僕の職業である教師は、退職の際や行事の際など、スピーチをする時にそれを引用する人が多い。 でも、言い切れる。奴らは前日にあわててネットで探してコピペしただけだ。本物を読んではいない。 自分の言葉で語ればいいのに、「インテリ」のフリをしたがるのはなぜだろう?きっとそこに、光は見えない。 夏休みは部活や原稿執筆に追われながらも、普段は作れない夕食を作ったり、愛息の〇〇君と過ごす時間が増える。

          霧の中のインテリ

          村上春樹の地下二階

          前書き 僕は村上春樹と同じ大学の出身だ。年齢は40歳くらい下だけど。 ベタにもほどがあるが、大学時代に春樹にハマった。周りにもそういう人が大勢いた。 今でも、追いかけ続けている。彼は日本では例外的に、「地下二階」の自我を描ける人だからだ。 昨年度の終わりごろから、村上春樹の「騎士団長殺し」を読み耽っていた。そして、先日発売された川上未映子によるインタビュー書「職業としての小説家」と併せて、 久々にハルキスト(うーむ、ダサい!)としての生活を送っていた。 学生の頃、「1

          村上春樹の地下二階

          To do or not to do, that is a question.

          前書き 岩波新書のベストセラー、「日本の思想」を書いた丸山眞男は、「戦後日本の上半身」と呼ばれた偉人で、「日本の思想」所収の『「である」ことと「する」こと」』は、今でも国語教科書の定番です。 教育研究の世界は、腐敗しています。まともな授業ができない人や、生徒のことを見ていない人が、”論文”を書いて”研究”の仲間内でもてはやされています。 国語教育の世界に限らず、最近は「~をやめてみた」「~しないこと」などが持て囃される時代ですが、その今だから読みたい名作からインスピレー

          To do or not to do, that is a question.

          だが、情熱はある。

          前書き 人付き合いが極端に苦手です。 数年前、もう吹っ切れて、人間関係をリセットしました。 それでもやはり、「再開する機会」というのはあるもので、その時の気持ちを書いてみました。 いつの間にか、少しは「付き合い」のできるオジサンになったようです。だが、情熱はある。 高校バスケ部が、第一シードを破るジャイアント・キリングを起こし、見事地区を2位で通過、県大会に出場した。 僕は中学の顧問だが、教え子の活躍はやっぱり見たいので、久々に県大会に行ってきた。5年ぶりである。

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          だが、情熱はある。

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          棒人間

          前書き 今回は文学を題材にした自伝的文章です。 僕は多分軽度の発達障害です。診断を受けたわけではないですが、仕事柄この手の知識はそれなりにあるので、まあ間違いないと思います。 国語は学ぶことも教わることも好きですが、学生時代も、教師になってからも、学校という空間の「生きづらさ」には辟易しています。 生徒の気持ちや反応も、本当のところではよく分かりません。経験から得たデータをもとに、「トライ&エラー」を繰り返しているのが現実です。失言も多く、敵も多いです。 本気で教え

          ジャンプヒーローズの光と影

          『幽遊白書』が映画化されるらしい(※執筆時は2020年)。一昨日、そんなニュースが飛び込んできた。これは嬉しい。 100%中の100%で嬉しい。 綺麗な薔薇には棘があるし、邪眼の力をナメてはいけない。 僕が思うに、戸愚呂(弟)を演じるのはオードリーの春日かプロレスラーの蝶野しかいないだろう。 戸愚呂(兄)はどうやって肩に載るのだろうか。 浦飯幽助は菅田将暉が似合いそうだな……と、一人で心憂き立っていたのだが、よく考えたら、いまの高校生が知っているはずがない。 それ

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          爆速 学校会議運営法 【10分finish】

          爆速で学校の会議をfinish!「会議長い・・・」 「いつまでしゃべるの・・・」 「言われた通りやるから勝手に決めて・・・」 もう何度聞いたか分かりません。私の知る限り、どこの学校でも(どうやら企業でも似たようなものらしい)似たような状況です。 私の勤務校は私立の中高一貫校ですが、部活の運営などの際、「こりゃあ公立はウチよりひどいな・・・」と実感します。 でも不思議なことに、そう嘆く人たちも、自分が会議を「やる側」になったら同じことをやるのです。 全ての先生が、ムダな

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          爆速 学校会議運営法 【10分finish】

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          青春のはしかに塗る薬はない

          前書き 僕は中高一貫校の教師ですが、もともとは高校で教えたくて、低学年の子どもは苦手でした。 はじめて中1を担任したのは教師になって5年目。彼らと過ごして、子供の尊さを知りました。 この体験が無かったら、結婚も子育ても出来なかったかもしれません。教師としても親としても、この1年間が原体験です。 大事な文章なので、初めて有料にしました。あなたにとって、読書であることを願います。 ※この学校はもう転職し、違うところで現在は教えています。 僕の大好きな太宰治は、文学の世界では

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          青春のはしかに塗る薬はない

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