見出し画像

読書の秋!今こそ書こう、大人も読書感想文!

こんにちは!よむエラマ編集部です。

読書の秋ですね。みなさんは今どんな本を読んでいますか?
読書好きのよむエラマライターズですが、今回はそこからみなさんの想いを届けてもらうべく、お気に入りの著作から読書感想文を書いていただきました。
ブックレビューでもなく、推し本でもなく、あくまで「読書感想文」。夏休みの宿題で嫌な思い出がある?いえいえ大丈夫、決まった「型」なんてありません。自由に書いていただいた3作品を、今回はご紹介!

「生きている」その間に、考えたいこと。by どさんこ大学生RUNA

大切な人や、身近な人と「死」について話したことはありますか?

この絵本は、「ぼく」が亡くなった「おじいちゃん」の部屋で【このあとどうしちゃおう】というノートを見つけたところから物語が始まります。それには、「自分が将来死んだらどうなりたいか、どうしてほしいか」が書かれていました。

・生まれ変わったら、お金持ちに飼われているネコになりたい。
・天国ってきっと、あちこちに布団と温泉がある。
おじいちゃんが想像するこのあとの世界は、なんだか楽しそう。

思いつきもしなかったお墓のかたち、大切な人を見守っていく方法などなど…おじいちゃんは、このあとの世界も楽しみだったのかなぁと、ノートを見たぼくもなんだかワクワクするほどでした。

「でも ちょっとまてよ と おもった。」
それまでは、おじいちゃんのコミカルで明るい表情の絵が目立っていたのに、ガラッと雰囲気が変わりました。

「おじいちゃん、本当はすごく寂しくて、すごく死ぬのが怖かったのかもしれない。」
ぼくの言葉とともに、そこにはファミレスで、ひとり遠くを見つめているおじいちゃんの姿がありました。

店内は、笑い合っている友人グループ、子供に微笑みかけているファミリーでにぎわっています。おじいちゃんの隣に、ひとりで来ている人がいましたが、その人は笑顔で電話しながらノートを見ていました。

〈このあと=命の終わり〉と関係ないように見える人たちによって、店内側を向いてぽつんと座っているおじいちゃんが、とてもさみしそうに見えるのです。
急に変わった描写に、「ぼく」の気づきに、私はなんとも言えない衝撃でカラダがざわざわしました。

おじいちゃんの本当の気持ちを知りたいと、立ち止まる「ぼく」の姿。
それは、大切で身近な人が〈このあと=命の終わり〉に対して、どう思っていたのか、亡くなった後は、もう「だれも」聞けない。そう教えてくれているようでした。

絵に、言葉に、たくさんの気づきがつまっているこの絵本は、きっとその時の気持ちや状況によって違う視点を与えてくれそうです。
今の私には、大切で身近な人と「このあと」について一緒に考える機会を今のうちに持ってみたら?と優しく提案してくれているようでした。

(どさんこ大学生RUNA)

自己肯定感を育てるってどういうこと?by pieni

幼少期から、自己肯定感が低いと感じていた私。
けれど大人になるにつれ、様々な仕事を経験したり、苦しかったことも乗り越え、子育てもする中で自分は強くなったと感じ、自己肯定感だって高めることが出来たと思っていました。

けれど、反抗期に入った娘と向き合う中で「ああ、今日も丁寧に話を聞かず頭ごなしに怒ってしまった」、
妻としての役割をする中で「今日も思っていた家事ができなかった」、
仕事をする中で「こちらの意図が伝えられず、いらいらしながら取り組んでしまった」などと、おそらく誰でも悩んだことがあるようなことを、毎日自分自身に責めるような口調で話しかけていることに気が付きました。

まだまだ自己肯定感が低いんだという現実にがっかりしながらも、そもそも自己肯定感ってどうやって高めるんだろう?そんな疑問がわいてきました。

そんなとき手にした本が「精神科医Tomyの自分をもっと好きになる 「自己肯定感」の育て方」でした。

この本は、おねえ口調の少し独特な特徴のある精神科医「Tommy先生」が、クリニックを訪れる患者さんの実例をもとに、自己肯定感とは何かということや、それを育てる方法を教えてくれます。

とある患者さんで、今の仕事は本当に自分に合っているのか、もっと合う仕事があるのではないのかと、転職を繰り返す男性のケースがあります。
次こそはと思って転職してもまた同じ悩みが出てくる。何回転職しても考えは変わらない。

また別の事例では、有名大学を出て、有名企業に入って、一見順風満帆にみえるけれど、患者さん本人は周りの人と自分を比較してしまい、何をしてもダメだと自分を責めてしまう。
さらに自分を責めたことに対してもまた自ら責めてしまうという自己否定の二重が起こっているというお話でした。

この2人の患者さんの心の問題点として「空虚感」というキーワードを先生は出しています。

1人目の事例は「いつか空虚感を満たしてくれる自分らしい仕事場があるのではないか」、そうやって心の外堀を埋めるけれど、真ん中にぽっかり空いている空虚は埋まらず、同じことを繰り返してしまう。

2人目の事例は、「周りと比較して落ち込み、自分の恵まれた環境でも満足することができない空虚感」があるという内容でした。

この話を見て「この感覚、私も身に覚えがある」そう感じました。

なるほど、変わりたいと思って環境を変えるだけでは本当の自分を満たしたり、認めることには繋がらないんだ。
人と比較してしまうことも、比較してしまった自分を責めることも自己肯定感が低いシグナルなんだなと理解しました。

解決方法としては、「自分の中の空虚感を満たす」ことだと書かれています。
この空虚を満たすためには「自分のことを認めて許す」ことが大切なんだそうです。

例えば
■今日という一日をプラスで表現する
■1日1回は逃げる
■今週やることからさぼるものを最低一つ決める などなど…

文章にしてしまうと簡単そうに思えますが、それらをすることを自分に許可することが苦手な自己肯定感低め人としては、なかなかハードルが高い。
しかしそれを「意識的」に繰り返すことで、自己肯定感を育てることになるんだそう。

ここに書いた自己肯定感を育てる方法を「やるかどうか」は自分次第ではあるのですが、まず頭の片隅で「育てる方法を知っているかどうか、意識し始めたかどうか」が、まず自己肯定感を育てる、高める最初の一歩になるのではないかと感じています。

(pieni)

本に対してツンデレになった日。by ひらふく

「いや~いい本だった!」「すっきりした」「泣けちゃった」「こんな人になりたい!」
多くの本は私をそんな気持ちにさせてくれます。

でも、この本はそういった出会いではありませんでした。
だからこそ心に残った本。

主人公は、日本各地によばれてはイベントやお店、ホテルのロビーで数席だけの”日本茶カフェ”をひらきます。お供はタロットカードと猫のつづみ。お茶を淹れる間の占いでお客さんの悩みが語られます。そしてその後の一杯のお茶が彼らの心を解きほぐしていくのです。

正直なところ、文章として好みかといわれると「う~ん」と思います。短編6話の文庫本にしては要素が多すぎる気がして。
日本茶のうんちく、占い、落語、お客様の悩み、日本各地の観光紹介、主人公が長年探している”あるもの”の伏線。ひとつひとつが素敵で「もっと知りたい!」となるのに、さらっと流され袖をフラれてしまうのです。

だけど、ただ、とにかく、主人公がうらやましかった。
私だって日本茶も好きだし、それを淹れながら人の悩みを聞きたいし、全国で人に出会いたいし、相棒のネコだっていてほしいです(柴犬もいいですよね)。そして何より、そう思いながらそれを選べていない自分が悔しくてしかたありませんでした。

私はこの本に対して変な気持ちです。好きだけど、うらやましさと悔しさで意地を張ってしまう。ツンデレ、小学生男子、かわいさ余って憎さ100倍、かわいいあんちくしょう、みたいな。

きっと感動するものだけが「いい本」ではないのです
私にとっては心をかき乱すのも「いい本」。だって、そんな本はきっと変化をくれるから。

だから読み終わった時、私はこう言いました。

「いい本だったな」

(ひらふく)

読書感想文は自分への贈り物

いかがでしたか?
感想文を読んで、その本を「読んでみたいな」と思っていただけたら、きっとそれは良い読書感想文のはず。

そして、読書感想文は自分自身の読書の記録として、あとで読み返したときの自分への贈り物。本って、読んだ内容はおろか、読んだことすら忘れてしまうもの。「そういえば!」とあとから振り返る読書感想文は、その本の新たな側面を気づかせてくれるかもしれません。

Edit by いけかよ

※本記事のリンクは、Amazonアソシエイトプログラムを利用しています。いただいた収益は、Webメディア「よむエラマ」の運営費に充てられます。



いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集