鱏里

「えいり」と読みます。 熟成中の下書き本数3桁。

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主人公にしてくれなんて頼んだ覚えはない

「君は主人公だ」みたいなメッセージって、励まし言葉として秀逸だと思っていた。   主人公とは、猛毒を浴びせられながら生を全うする生き物だと思っている。 小説を書く、なんて真似をしていたからだろうか。 私にとっての「主人公」は、そういう認識だ。 人を惹きつける物語には、いろんな形がある。 その作り方に基本や定石がいくらあろうと、それらに囚われない作品は数多に存在する。 それを踏まえた上で、主人公を苛め抜くのは脚本作りの定石と言えよう。 フィクションという舞台は、その中心

    • 3周年バッジをいただきました。書ける時と書けない時の波に乗っていたら辿り着いていました。低頻度であっても頑張らずに続けられているのは、とてもよいことなんだろうなあと感じます。これからも気まぐれなお付き合いでnoteを書いていくつもりです。

      • 結婚記念日

        夏の思い出とする。  大学は夏休みだった。 けれど、その日はゼミの用事があったから、大学まで出ていた。 そしてゼミの用事とは別でもうひとつ、ミッションを抱えていた。 両親の結婚記念日が迫っていた。 それも30周年の。 毎年なんにもできていないから、30周年の日くらいは何かしたい。 だから、大学帰りに両親へのプレゼントを買って帰ることにした。 乗り換えの駅はとっても大きな街だから、何だってある。 そうしてその日、駅に降り立った私は近くのワイン専門店へ向かった。 両親

        • 感嘆符アレルギー

          くだけた文章が書けない!   感嘆符。 エクスクラメーションマーク。 ビックリマーク。 要は【!】←これのこと。 私は創作・メール等を問わず、【!】を使うのが著しく苦手だ。 私が書く文章には、基本的に【!】がない。 何も明確な意図があって【!】を避けているわけではなく、自然とそうなってしまうのだ。 実に2~3年くらい細々とnoteを書いてきたけれど、たぶん数えるほどしか使っていない。 創作に限った話ならまだしも、メール等でまで【!】を使わないのは、コミュニケーション

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        主人公にしてくれなんて頼んだ覚えはない

        • 3周年バッジをいただきました。書ける時と書けない時の波に乗っていたら辿り着いていました。低頻度であっても頑張らずに続けられているのは、とてもよいことなんだろうなあと感じます。これからも気まぐれなお付き合いでnoteを書いていくつもりです。

        • 結婚記念日

        • 感嘆符アレルギー

          抽象の技巧

          こんなわけのわからない気持ちを表現できるようになったとき、きっと初めて心が満たされるのだろう。  創作をはじめて、とりわけ言葉を紡ぐようになって、幾度となく痛感することがある。 それは、抽象的なものほど、描くのが難しいということ。 そりゃあ、言葉は具体性を帯びてはじめて言葉となるわけだから、頭の中に輪郭を持たず浮かんでいる抽象的なものを言葉に直すのは、定義からして困難に決まっている。 それでも、創作を試みていつも痛感するのは、こんな当たり前のことだった。 今日何をし

          抽象の技巧

          誕生日はいつも夏休み

          子どもの頃の誕生日って、なんだかとても特別だったな。 生徒や学生の夏は長い。 夏休みのせいだ。 そして私はいつだって、その長い夏休みの中で誕生日を迎えてきた。 これは、私が幼稚園児の頃から高校生くらいの頃にかけて、夏休み中に誕生日を迎えることへの印象が変わっていったっていう話。 幼稚園児の頃。 私の通っていた幼稚園では、お誕生日会みたいなイベントが毎月行われていた。 プレイルームに学年みんなが集まり、その月に誕生日を迎える園児を祝うというもの。 しかし8月だけは

          誕生日はいつも夏休み

          繊細な人と「あなたへのおすすめ」

          たぶん相性が悪い。  noteでは、普段読んでいる記事等に応じて「おすすめのトピック」と、それに関連する記事がホーム画面でおすすめされる。 そうしておすすめされたトピックを、私はいくつ非表示にしてきたかわからない。 noteだけじゃない。 たとえば、YouTubeでは「あなたへのおすすめ」が関連動画に混じって表示される。 そして気に入らないおすすめの動画は「既に見たことがある」「興味がない」からフィードバックを選択して非表示にすることができる。 私はいくつ「興味が

          繊細な人と「あなたへのおすすめ」

          360

          公転軌道を一遍廻る頃 その中の余った5か6が 人生の価値だ わたしたち あの日飛び乗った運命号 行き先は日常 そしてまた ひとつの冒険を終える頃 きっとわたしたち 5や6からはみだしてしまった わたしたち ずっと乗ってた日常号 行き先は空白 わたしたちはただ 針の倒れる方角が違っただけなの それがたとえ 5か6だったとしても 新しい運命号 飛び乗った貴方へ 貴方が落とした針は 私にずっと見えている ずっとあるんだよ

          空想・ダブル王

          たったひとつ守り抜くだけでも大変なのに、守るべきものがたくさんあるだなんて。  将棋の駒には『玉将』及び『王将』がある。 名前は違うけど役割は同じで、格上の人が『王将』を、格下の人が『玉将』を使用するらしい。 その役割こそ、ずばり「取られたら負け」。 将棋とはつまり「相手の玉将/王将を奪う競技」であり、玉将/王将は将棋において勝利条件に関わる最重要の駒なのだ。 さて、将棋には様々な種類の駒があるわけだが、大半の駒は自陣に複数枚ある。 『金将』『銀将』『桂馬』『香車

          空想・ダブル王

          プラネタリウム

          壮大な星空を操るのって、どんななんだろう。 ボタンひとつで星座を結んで映したりして。 この世の奇跡も、他人事みたいな遠い予報も、全部この手の自由。 それって、どんな気持ちなんだろう。 願ったつもりはないけれど、知りたい気持ちもなくはない。 優しい照明を落として、劇は幕を開ける。 私の命がどんなに挑んでも及ばない世界。 今だけは目の前に広がる、美しい景色。 されど、知れば知るほど恐ろしい世界。 そして、それらも全部ひっくるめて美しい世界。 そんな巨大な恐ろし

          プラネタリウム

          ずっと空き家だと思っていた家が空き家じゃなかった

          やっぱり、ぱっと見じゃ分からないものなんだなあ。  外出するとき、そしてもちろん帰宅するとき、いつもその家の前を通る。 木造の立派な二階建て。 古風な豪邸とでも言いたくなる印象で、平成風な住宅が密集している中で一際の存在感があるおうち。 だけど長らく、人が出入りするところを見ていなかった。 それどころか、夜に通りかかっても、明かりが点いている様子もない。 他人の家なので凝視はしないけれど、どこか時が止まっているように見えた。 空き家の急増が社会問題と叫ばれ始めて久しい

          ずっと空き家だと思っていた家が空き家じゃなかった

          優しくぎゅっとして、もう一生離さない

          今、私の身から離れつつある創作へ。 手放さないと改めて誓おう。 今は上手く出来ずとも、いずれまた花咲くと信じるから。 私はここしばらく、心療内科に通院する生活をしている。 これをnoteで報告するのはたぶん初めてなんだけど、既に何か月間か通っている。 様子がおかしくなり始めたのはそのさらにずっと前の話で、それでもずっと通院の勇気が出ないでいた。 ただ、遂に見兼ねた親にいろいろと訊かれて、漸く医者にかかりたいと言えた。 ただ、通院はしていたのだけれど、あくまでも私は「うつ

          優しくぎゅっとして、もう一生離さない

          『新宝島』は卒業ソング

          サカナクションの楽曲『新宝島』の考察記事 ......ではなく、私の高校時代の友人の話。 高校2年の冬の思い出。 在校生が学年末考査で気が気でない時期に、3年生の卒業式はやってくる。 卒業する3年生、見送る2年生、卒業生の保護者様方、教師陣…… そんな中で、当時放送部に所属していた私たちは、音響スタッフとして卒業式に参加していた。 体育館の中、私たちの持ち場は舞台裏、音響機材の前。 音響に気を配り仕事をしながら、卒業生を見送る。 高校の卒業式は、義務教育の頃のものと

          『新宝島』は卒業ソング

          旅の荷物に理性は要らない

          行く場所も帰る場所もない旅に出る。 そういう妄想を、ときどきしている。 仕事や学校は突然休むこととする。 「休みます」なんておことわりは入れない。 スマホは、通知の類だけ全部切ってしまった。 荷物なんて適当だ。 なんせ、昨日の寝る前まで旅に出るなんて決めていなかったのだから。 普段から持ち歩くものと、要るのかよくわからんものを鞄に詰め込んで家を出る。 行き先は決めない。 どこに行くかもわからぬまま、電車で遠くへ遠くへ向かう。 あんまり混雑していない電車がいい。 そうして

          旅の荷物に理性は要らない

          努力は見せびらかすものじゃないけど、見せるべきではあるらしい。残念ながら、そんな器用じゃない。

          努力は見せびらかすものじゃないけど、見せるべきではあるらしい。残念ながら、そんな器用じゃない。

          今年やれない100のこと

          ねぇ、100はさすがに多いってば。   「今年やりたいこと100」。 いや、100じゃなくたって10でも50でもなんでもいい。 一年の始めに決まった数の目標をリストにするやつを、私はこれまで一切してこなかった。 しかし去年、初めて作ったのだ。 いや、作ったというよりは、作ろうとしただけ。 というのも、去年の今くらいの時期に、他大学の学生と交流する機会があった。 そこで、とある学生が「今年やりたいこと100」を作ったという話をしてくれた。 その人の話が上手かったのか、はた

          今年やれない100のこと