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要約: みんなに関係ある「国家のイデオロギー装置」(ルイ・アルチュセール)
本当に自分と関係があるのか?・再生産
“The ultimate condition of production is the reproduction of the conditions of production.”
生産に最も必要なことは、それ自体を再生産できるということだ。
経済が大きければ大きいほど、国家は再生産を確保しないといけなくなります。さもないと、権力を失い、必要な資源がなくなります。
「社会の形」という節で説明しますが、社会のベースは経済です。経済状態が順調でないと国家は成立できません。
再生産には物質的な状態に限らず、生産における人間関係の再生も必要です。
その再生は国家イデオロギー装置の出番です。
教育制度はもっとも強い国家のイデオロギー装置です。
再生産とともに、社会問題も再生します。
国家のイデオロギー装置のおかげで安定な社会で暮せますが、イデオロギー装置は個人の自己実現をさせません。
国家のイデオロギー装置のことを理解したら、受けた洗脳から解放されて自分のポテンシャルを生かせるようになります。
英語学習にも関係ある?
あります。
「国家のイデオロギー装置」は教育を中心とされます。
なぜ日本で英語でコミュニケーションができる人は非常に少ないかということも理解できます。
もちろん、教育制度は非効率ですし、英会話学校が存在するため英語ができない人が必要です。
しかし、それは役立つ説明にはなりません。
別の記事でまたこの話題を詳しく考えましょう。
背景
ルイ・アルチュセールはフランスの哲学者です。
共産主義者ですから、「国家のイデオロギー装置」に極左の偏見が内包されているのは当たり前です。しかし、現代の社会に住んでいる人に役立つはずです。
言っておきますが、この世界を理解するのなら、色んな物の見方を勉強しないとなりません。
特に、あまり読まれていないものや嫌われている作者からです。
「こんなことは本当に知るべきか」と疑問する人もいるかもしれません。
そんな人には孔子の言葉があります「君子は器ならず」。
ということで、「国家のイデオロギー装置」のまとめを始めましょう!
社会の形
アルチュセールは社会を三階建ての家のように表します。
一階は下部構造(infrastructure)であり、経済的な土台です。それがないと、上の階はありえません。
二階と三階は上部構造(superstructure)をなり立ちます。二階は国家のイデオロギー装置です。
三階は国家の抑圧装置です。
先に述べたように、一階は不可欠です。しかし、一階での再生産は国家に支配されなければなりません。
三階には軍事力や警察力がありますが、それは最終手段です。
暴力での支配はあまりにも危険ですから、国家は直接に再生産を行いません。
そこで、国家イデオロギー装置の出番です。
国家のイデオロギー装置
「国家」は名前に入っていますが、直接に国家につながっていません。
国家の抑圧装置は一つしかない反面、国家のイデオロギー装置はいろいろとあります:
学校・(マス)メディア・宗教団体(オンラインサロン)・エンタメ・家庭・政治など。
統合しているように見えませんが、すべては主体づくりを行い、現状(国家の権力や経済の形)を維持します。
イデオロギー
イデオロギーといえば、ナチスやソ連を想像するかもしれませんが、誰でもイデオロギーに染まっています。
イデオロギーの目的は支配階級の権力を維持することです。
“Ideology is a ‘representation’ of the imaginary relationship of individuals to their real conditions of existence.”
イデオロギーとは個人の現実と想像との関係を表しているものである。
真面目 ---> 命令されたことに従う
ちゃんとした仕事 ---> 社畜
育ちがいい人 ---> 秩序を乱す可能性のない人
頑張っている ---> 自分の時間やエネルギーが残っていない
余暇(アルコール・テレビ・ゲーム)---> 明日の労働のために必要な回復
給料 ---> 働くことで生じた価値の一部
CM ---> 望むべきものを広告するやつ
恋愛映画 ---> 望むべき恋愛を教えるやつ
ちょっとした精神分析の話になりますが、イデオロギー装置は色んな理想のイメージで提供します。
私たち主体はそのイメージを叶えたくなります。
社会にみとめられたいですから、ワークライフバランスの悪い仕事に入ったり、三カ月分の給料を費やして婚約指輪を買ったり、飲み会でガンガンビールを飲んだりします。
もちろん、みんなは同じイメージを叶えたいわけではありません。
叶えたいイメージは階級・身分・受けた教育・仕事によっての国家イデオロギーが違いますから。
一番影響の強い国家のイデオロギー装置は学校です。
教育制度の目的
言うまでもなく、教育制度は必須知識を教えます。
しかし、最優先は人に知識を教えることではなく、人を現状の秩序に服従させることです。
つまり、洗脳です。
前に述べたようにみんなは同じ洗脳をうけていません。
うけた教育と洗脳によって、人生観や価値基準が違います。再生産とは分業を再生することですから。
普通の賃金労働者なら技能と従順の態度が必要です。
マネージャーなら経営における知識が必要です。無意識に部下を見下す嫌いもあります。部下は支配すべきものとして扱います。
支配階級は理論を勉強しないといけません。そして、ルールに従うのではなく、ルールの変え方を習います。
国家のイデオロギー装置の問題
ここまで読んでくれた人のなかで「国家のイデオロギー装置のどこが悪い?」と思う人もいるかもしれないので、国家のイデオロギー装置に関する問題を説明します。
言っておきますが、僕は政治的な意見をのべるつもりはありません。ただ、誰も教えてくれない役立つ情報を提供したいのです。
言うまでもなく、国家のイデオロギー装置のおかげで、社会は安定です。
しかし、国家のイデオロギー装置に影響されているほど、自己実現ができません。
国家のイデオロギー装置の究極の目的は現状をまもることです。そのため多くの人をできるだけ仕事で束縛する社会・経済を成立しています。
年をとるにつれ、エネルギーも減り、色なコストを生じ(子どもなど)、時間が少なくなります。仕事から解放されない始末です。
残っているお金や時間があれば、自分の成長に投資するのではなく、余暇に誘惑されます。
イデオロギー装置から逃れる
アルチュセールによると唯一の解決道は労働者が革命を起こすことです。
僕はそれが不可能だと思います。
では、どうすればいいでしょう?
まずは、剰余時間を増やしましょう。時間がないとどうにもできませんから。
次は勉強しましょう。世界の在り方をできるだけ掴まえましょう。前に述べたように、あまり教えられていない作品・分野を読みましょう。
こうしたら、受けた国家イデオロギー装置の洗脳から解放されることができます。
同時に自分の経済的な自由を達するために努力しましょう。
これができれば、好きなように生きられます。
僕は英語・語学勉強方法・英語圏の文化(Meme)などを教えています。特に英会話学校などが教えてくれないのを。
英語が自在に使えるようになったら自分の世界が広がり、取れる機会が増えます。
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