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【選書】「ミステリーって多すぎて自分に合うのを選べる気がしない」という友達に選書のコツを全力で話してみました〈第四夜〉-イヤミスと作風-

~「読んでよかった」のために自分の好みを知ろう
分け合いたい! 底知れぬミステリーの魅力~
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〈第三夜〉はこちらから ↓↓↓

【主な、ではなく2人しかいない登場人物】

エイミ・・・本、特に推理小説が好き。40代。友人ミキとの会話や子育てを通して「本1冊をスラスラ読めるのは本好きだけの常識」と気づき、ミキが楽しく読書できる「入口」を考えるように。目標は「脱・頑張って読んだのにイマイチ」

〇友人ミキ・・・大人になり読書に興味を持つが、少し苦手意識あり。ミステリーを読んでみたいと自分で選書するものの「ピンとこない」と苦戦。「読書慣れしていない人が小説1冊読み切る労力」をエイミに訴える

※以下、作家名は敬称略。本のデータは最後に記します
 
※あくまで私が読んだ本、好きなタイトルから話しています。ミステリーの選書に関してはすべて、ただの本好きの個人的な見解です
 
※おすすめの作品名も出しますが、あくまで選書のコツ・考え方がテーマです
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(1)読書・ミステリー初心者に絶対やってほしくないことは・・・(念押し)

エイミ ではさっそく前回からのつづきで、ミキが直観で選んだ『母性』『ファーストラヴ』『容疑者Xの献身』を読んでみて、なぜピンとこなかったのか・・・どれも名作なのにっていう話だね。

ミキ はい、これまでのあらすじとして私の好みが「論理的に謎解きする本格ミステリーよりも、人の心に感動する系のミステリー派」ってことが判明したよね。あと複雑な構成の小説が苦手ってことも。

エイミ 第二夜で判明したね。
 
ミキ あと、どうも私は辻村深月の『傲慢と善良』や宮部みゆきの『火車』が好きらしいってこと・・・まだ読んでないけど。

エイミ ミキの嗜好をベースに考えると好きだと思うよ。

ミキ で、好みと読書スキルに合わない本を読んで挫折して「読書自体自分に向かない」って思うのがいちばん残念なことなんだよね?

エイミ はいそうです。誰かが本を読んでみたいと思ったとき、その気持ちに水やりをして花を咲かせるところまでいけたらいいなと思う。合う本、作家は必ず存在する。ミキはせっかく読書を楽しみたいと思ってるんだから、その芽を摘んだらダメ、絶対!

ミキ 相変わらず必死だね・・・。
エイミ というわけで、本題に入ります!

(2)イヤミスというジャンルに自分が馴染めるかどうかを知ろう


※作品に関して基本的にネタバレなしで話していきますが、話の内容に触れますので気になる方はご注意ください

 エイミ まずミキが書店で選んだ湊かなえ『母性』だけど。

ミキ そうこれ、紹介文に「母と娘を巡る物語(ミステリー)」って書いてあって、娘が倒れてたのが事故か自殺か、母は娘を殺そうとしたのか、または愛していたのか・・・みたいなのが明かされる話だと思って、興味をひかれたんだよね。

エイミ ミキとしては母と娘の関係がポイントだったんでしょ?
ミキ よくわかるね。
エイミ 親子の情愛とか、好きなテーマだもんね。

ミキ 自分にとってリアルだからね。これは勝手な予想だけど、娘が倒れた真相がどっちであろうと、心の問題として「やっぱり母は娘を愛していた」「ただ不器用な愛だったんだ」・・・的な謎解きをイメージしてて

エイミ 感動して、なんなら最後は泣くつもりで読んだんだね?

ミキ そう・・・けど違った。最後まで読んだのに結局どっち?  これ、幸せになったの? 幸せってなに? ってもう、モヤモヤモヤモヤして・・・。

エイミ 思ってたのと違ったってことかな。

ミキ これ、みんなはどういう読後感なの?

エイミ ミキ・・・落ち着いて聞いてくれ。湊かなえは「イヤミスの女王」と呼ばれているんだ。

ミキ ・・・イヤミス?
エイミ イヤな気持ちになるミステリーのことだよ。
ミキ がーん。

エイミ 人間の愛憎とかドロドロした部分をあえて描いて、読んでてイヤな気持ちにはなるんだけど、それだけにページをめくる手がとまらない、みたいなのがイヤミス。イヤミスメインで書いてる作家もけっこういるから、それはあとで調べてみてほしいんだけど。
 
ミキ 映画とかドラマではけっこうあるもんね。最後に「わ~っ」って思うけど、それが面白かった、クセになるみたいな。あれの小説版か・・・。
 
エイミ だからミキはある意味、この小説を正しく読み解いたんだよ。モヤモヤな読後感。読み手次第でいろんな解釈ができるのが『母性』という作品の魅力だし、愛情と残酷の間を描いているような物語でもあるからね。
 
ミキ それはわかるけど、私はすっきり解決するものを読みたかった・・・。
 
エイミ 第二夜の質問でミキは「可能な限りハッピーエンドがいい」「ある程度希望を感じるラストが好き」って答えてたもんね。
 
ミキ 湊かなえがイヤミスって常識? ハッピーエンドが好きなのにそれを知らずに選書した私って一体・・・。

エイミ いや、これまで知らなかったジャンルのことは誰だってそうじゃない? 家庭菜園で、トマトの隣にナスを植えないほうがいいんだって。これ常識?

ミキ 突然だね・・・私は知ってたよ。
 
エイミ 私は何年も隣に植えてきたんだけど、最近テレビで観てたまたま知った。たまたまだよ? 調べようとしたことすらなかった。

ミキ 気を取り直して次にいこうか・・・。
エイミ ちなみに私はイヤミス好きですよ!

(3)ちょっとの手間でOK!「作風」を調べてみよう


 エイミ 続いては島本理生『ファーストラヴ』です。

ミキ 確認するけど、島本理生はイヤミスの人じゃないよね?

エイミ 疑心暗鬼になってるね(笑)。島本理生はジャンルでいうと純文学、恋愛小説の作家だよ。

ミキ え、恋愛小説家?

エイミ 映画化された『ナラタージュ』とか『Red』知らない?
ミキ 観たことある・・・。

エイミ その島本理生が、事件を通してある家族の破綻を描いたミステリーが『ファーストラヴ』で、直木賞を受賞したり映画化されたりしたことで原作がミキの目に留まったんだと思う。
 
ミキ 私、「親子を題材にしたミステリー」ってことしか頭に入ってなかったかも・・・。
 
エイミ 私も読んだけど、ミキは「こういう理由でこんな事件が起こったんだ」ってすっきり解明されるのを期待してたんでしょ? なんならちょっと感動する意気込みもあったりして。

ミキ マジでそうでした。

エイミ ところがこの作品、一筋縄ではいかないんだよね。

ミキ うん、父親を殺した罪で逮捕された女子大生・環菜の動機は何だったのか、って話なんだけど、育った環境がだんだんわかっていって・・・なんか辛かった。

エイミ 私は裁判シーンで、環菜の心を紐解いていく弁護側の質問の積み重ねと、それに対する環菜の答えが心理ミステリーとしてゾクゾクするほど面白かったよ。
 
ミキ わかるんだけど、結局謎解きとしてはフワっとしてたよね? 
 
エイミ 心の問題だからね、感想は人によると思う。だからミキは、無意識に用意してた感情や感想じゃないところに刺さってきて「ピンとこなかった」んじゃない?

ミキ ・・・だね。でも話を聞いてよくわかった。作者が恋愛小説家なら、テーマは愛だったんだね。歪んで、苦しい愛だったけど。

エイミ いろいろ考えさせられたけどね。とにかく、いまのミキにとってはこの作品じゃなかったってことか。
 
ミキ 結局これも、はじめから作家のことをわかって選書するべきだったってこと? ず~ん・・・。
 
エイミ その時は思いもよらないってことだってあるよ。ドンマイ! 私もナス科とウリ科の植物は一緒に植えちゃいけないって最近知ったんだ。

ミキ あぁ家庭菜園・・・連作障害とかもあるから気を付けたほうがいいよ。
 
エイミ そこでミキにお勧めしたいのは、やっぱり少しでいいからその作家の作風や特徴的なものを調べてみることかな。書店をプラプラしながらスマホで検索してもいいし。
 
ミキ いやじつは・・・ちょっと興味をひかれた本にいちいち「どんな作家」とか「作風」を調べるなんて面倒くさい気がしてたんだ。もっと気軽に楽しみたいって思うのはダメなのかな?
 
エイミ ダメじゃない。でも自分と本のマッチングを考えたら、ちょっとの手間が選書の成功につながるってことは頭に入れておいてほしいんだ。
 
ミキ それ第一夜の「本と人のマッチングは婚活のようなもの」っていうテーマでやったやつ・・・。

エイミ まぁ、婚活ほどの一大事じゃないけど、自分が読書によってどんな気持ちになりたいかを大切にするってことだね。「傑作」「名作」と言われてる作品が誰しもに合うわけじゃない
 
ミキ そう、私はミステリーを読んで「面白い謎解きだった、そしてちょっと救われた!」と思いたい人なのでした。
 
エイミ その作家または作品が「基本的にハッピーエンドか」「基本的にバッドエンドか」だけでも本好きな人に聞いたり、「ネタバレなし」のレビューでちょっと確認するのもいいだろうし。
 
ミキ 確かにそれだけで、読み終わってズシーンとくる可能性が下がりそう。

エイミ あっ大変! 第二夜でミキにするべきだった質問をひとつ思い出した!

「自分こんなのスキだったんだ」が見つかると嬉しいですよね


(4)読者として「すべての謎の解明」を望むかどうか

 
ミキ なんでしょう?

エイミ ミキの好みをはっきりさせるための質問、補足です。「あなたは小説で提示されたすべての謎に対して明確な答えを望みますか?」

ミキ あぁ・・・。
 
エイミ たとえば『夜のピクニック』とか、直木賞を受賞した『蜜蜂と遠雷』で知られる恩田陸っていう作家がいるんだけど、聞いたことあるかな?
ミキ いま聞いたどっちも映画化されてない?  観た気がする。

エイミ うん。恩田陸は青春小説とかゴシックホラーの名手で、すごく多彩な作家なんだけど、ミステリーも書いてるんだ。『麦の海に沈む果実』とか『ユージニア』あたりが人気かな。ただ作風として、ゾクゾクするようなホラーテイストだったり、ちょっと不穏なファンタジーだったり・・・という感じで独特なんだよね。

ミキ さっきの質問から想定すると、すべての謎が解明されないことがあるのかな?

エイミ 察しがいいね! そう、あれは結局どうだったんだろうという余韻を残して終わることもあって。だから私のようなゴリゴリの謎解き好きには、ミステリーとしては物足りない部分がある。けど幻想的な世界観で、読んでる間の没入感はもう格別なわけ。あぁ、終わらないでほしい! みたいな。

ミキ つまり、私みたいに「ミステリーというからにはすべての謎が明かされてすっきりしたい」という人には向かないと・・・。

エイミ そうは言わないけど、知ってて読んでね、っていう話。しつこいようだけど、読書慣れしてる人なら「あぁこれこういう話だったんだ、じゃあまた次の本」って気軽にいけるんだけど。

ミキ 確かに私だったら「えっ結局あの謎は?」とモヤモヤしたりして、「思ってたのと違った・・・」ってなるわけだ。だんだんエイミが「それで読書をやめるのはもったいない」って必死に言う理由がわかってきたよ。

エイミ ちなみに私は『六番目の小夜子』が好きですよ!
 

(5)「謎解き」を入口に多彩な作家・作風と出会える面白さ

 
エイミ 話は戻るけど、島本理生『ファーストラヴ』でひとつわかったことがあるよね。それは、ミステリー専門じゃない作家もミステリーを書くことがあるってこと。
 
ミキ そう言われたらそうだね。よくあることなの?

エイミ けっこうある。まぁ、あらゆる作品が世に出てるってこと自体、その作家は並大抵の力量じゃないってことだよね。
 
ミキ そうだね。歌手だって1曲ヒットするだけですごいと思うし。

エイミ 何が言いたいかというと、たまたま興味をひかれた作品があったとき、ちょっと調べてもし作者がミステリー専門でなければ、一般的にイメージするような謎解き小説じゃない可能性があるってことなんだ。
 
ミキ 確かに、名探偵がみんなを集めて謎解きするとか、アリバイや密室じゃないだろうって気はするね。

エイミ なんかミキ・・・ミステリーの世界に馴染んできたね。あたしゃ嬉しいよ。
ミキ 日々、成長してるからね。

エイミ で、それでよければぜひ読んでみてほしいんだ。作家からするとテーマをより伝えるために謎解きという手法を選んだってことだと思うし、だからこそ読む人の胸を打つ名作にもなり得る
 
ミキ 具体例としてはどんな作品があるの?

エイミ そうだな・・・私の好みからパッと浮かぶのは、たとえば原田マハの『楽園のカンヴァス』

ミキ 聞いたことある! アートの話でしょ? 美術解説系の動画って私けっこう好きなんだよね。
 
エイミ うん、アンリ・ルソーという画家を掘り下げてるんだけど、ある絵画がルソーによる真作か、はたまた贋作か・・・を2人のキュレーターが鑑定するというミステリーなんだ。
 
ミキ それはアートとか絵画に詳しくなくても面白く読める本?

エイミ うん。私アートはほぼ無知なんだけど、これを読んで作家の人生とか作品が生まれた背景からアートを楽しんでいいってわかって、感動したんだ。
 
ミキ 私もモナ・リザのミステリーとか興味あるよ。ゴッホのひまわりとかも謎めいてるよね。

エイミ 原田マハはゴッホの人生とか、ピカソのゲルニカにまつわる小説も書いてるよ。

ミキ なんか面白そう・・・と思えてきた私。
 
エイミ あと、最近では映画化もされた平野啓一郎の『ある男』を読んで、重みのある作風にズキューンと心を打ち抜かれた。

ミキ 『ある男』は映画観たよ。悲しかったけど、こういうことって世の中にあるんだろうなって思ったし、最後は泣いたな・・・。
 
エイミ 映画よかったよね。原作の小説では自分とは何か、自分と他人の境界線とは何か・・・みたいなテーマをより強く感じたよ。 

ミキ 人生に絶望して、違う人間になりたいと願う人の話だったね。
 
エイミ どんな作家さんなんだろうって調べたら、「分人主義」っていう人間観を提唱している人だとわかって。
ミキ ぶんじん主義?

 エイミ 詳しくは平野啓一郎の公式サイトとかで調べてほしいんだけど、簡単にいうとひとりの人間は「相手や状況に合わせて分化する複数の人格の集合体」っていう考え方。作品にはこれが根底に流れてるってわかったの。
 
ミキ ・・・ちょっと難しい話だけど、私も仕事のときと家にいるときとではまるで違う人間になってる気がするよ。

エイミ それの、どれも本当のミキってことだろうね。
 
ミキ なんか深いね・・・けど、1冊の本の向こう側に、また別の世界が広がってることがあるということかな?

エイミ そうだね! そういうものに触れたときに「読書って面白い」って感じるし、作風が心の琴線に触れると、作家のファンになったりするのかも。

 ミキ 作風かぁ・・・理屈ではわかるけど、私はそこまで行けるかまだわかんないな。
 
エイミ いいの。ちょっと頭に入れておいてほしいだけだから。いまミキに伝えたいのはやっぱり、現段階の読書スキルや好みに合わない選書をしてほしくないってこと
 
ミキ そうだね、今度から気になる1冊を見つけたら、この作家さんどんな作風? って軽く調べてみることにするよ。

エイミ ちなみに平野啓一郎は、映画化された『マチネの終わりに』の作者でもあるよ。

ミキ えっそうなの? あの大人のラブストーリー? 意外だけど、そっちから読んでみるのもアリかもしれないな。
 
エイミ 自分なりの入口はたくさん持っててもいいよね!
 

(6)イヤミスもミステリーのひとつの顔


 エイミ いろいろ話してて思ったけど、ミステリーっていうジャンルをひとりの人間にたとえた場合、イヤミスもミステリーのひとつの人格、分化なのかもしれないね。
 
ミキ そうきたか(笑)。私、イヤミスで書かれてるような人間のドロドロ面を否定するわけじゃないんだよ。ただそれを小説で読むのが苦手なだけで・・・。
 
エイミ そういう人もいて当然だと思う。文章は読む人の感性へダイレクトに届くものだからね。けどもしこの先、少し読書慣れした後で『母性』や『ファーストラヴ』を読んだらまた感想が変わるかもしれないね・・・そういえばさ。

ミキ またなんか思い出しちゃった?
 
エイミ ミステリー専門じゃない作家が書いたミステリーで、すごいインパクトの作品があるよ。ミキも知ってるはず。
ミキ 誰の何?

エイミ 高校生のとき「夏目漱石の『こころ』は一種の謎解き小説だ」って話を人から聞いて、読んでみたんだよね。

ミキ えっ、『こころ』ってミステリーなの?

エイミ いや違うけど(笑)。でも主人公の青年が「先生」と慕う人がなぜあのような人生観をもつに至ったか・・・という謎解きの物語といえば言えなくもないんだ。
 
ミキ 確か後半全部「手紙」の話だよね? 
エイミ その手紙がぜんぶ、いわゆる解決編にあたるの。

ミキ すっきり解決はする?
エイミ 「何があったのか」の謎は解けるけど、壮絶だし、心情的にはモヤモヤするし、後味は悪いのかもしれない。
 
ミキ ・・・夏目漱石の『こころ』は究極のイヤミスってこと?
エイミ まぁ、そう考えると面白いっていう話で(笑)。 

ミキ 確かにそれを聞いて、夏目漱石様との距離が1ミリだけ縮んだ気がするわ。

エイミ こんなふうに私の場合はミステリーっていう拠点からほかのジャンルの作家にもアクセスしてる感じだけど、人それぞれ自分なりの基点・拠点があると、選書の幅が広がるかもしれない、と思ったりもするんだ。
 
ミキ 読書の拠点っていう考え方、私にはまだちょっと難しいかもしれないな。

エイミ まずは「好きな作家」でいいと思うよ。1冊読んでこの人好きだなって思ったら何冊か読んでみて、慣れてきたら次は「似たテーマを書いてる別の作家」を読んでみると、「ここは似てるけど、ここは違う・・・」っていうのがわかってくると思う。それが作風かな。

ミキ それならできそう! まずは好きな作家だね。

エイミ ミキはいまのところ辻村深月や宮部みゆきが濃厚じゃないかな。あと、東野圭吾もうまく選書すれば読みやすいと思う。
 
ミキ ・・・あれ、そういえば東野圭吾『容疑者Xの献身』の話は?

エイミ ごめん、今日は時間切れだ。本当にすみません!
ミキ が~ん。

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エイミ 東野圭吾の話は第五夜でまるまる話します。でもひとつだけ・・・ミキの好みは、繰り返すけど本格よりも人情系ミステリーだったよね?

ミキ はい、謎解きには感動したいけど、複雑な話は苦手です。

エイミ もしミキが東野圭吾のシリーズものを読むとしたら、ガリレオじゃなくてどっちかというと加賀恭一郎だと思う。

ミキ 加賀恭一郎?

エイミ そう、ミキさんは加賀派です。

ミキ 私、加賀派だったんだ・・・。

エイミ 私はどっちも派。

ミキ つづきます! 
 
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【読書スキルと好みに合わない選書をしないための・・・今日のポイント】
 
・イヤミスというジャンルを知る。そういうジャンルの作家じゃなくても後味が悪い作品もあるので、苦手なら要注意
 
・ミステリー専門じゃない作家がミステリーを書くこともある。その場合、作品には作風が色濃く出ていることが多い。場合によっては、すっきりとした謎の解明よりも別のテーマに重きをおいていることもある

ネタバレなしのレビュー等を読むと、その話が「すっきり謎解き系か」「ほかの部分に読みどころがあるのか」がわかりやすい
 
・ミステリーを入口にミステリー以外の作家や作品に出会うこともある

好きな作家を見つけて、そこを拠点に選書の幅を広げていくことを少しだけ意識してみよう
 

【第五夜予告】
はずれなしの人気作家・・・でも入口にだけは注意!
東野圭吾の選び方↓↓↓

【今夜の本リスト】

『母性』(著者 湊かなえ/新潮文庫/税別590円)
『ファーストラヴ』(著者 島本理生/文春文庫/税別710円)
『傲慢と善良』(著者 辻村深月/朝日文庫/税別810円)
『火車』(著者 宮部みゆき/新潮文庫/税別857円)
『夜のピクニック』(著者 恩田陸/新潮文庫/税別800円)
『蜜蜂と遠雷』上下巻(著者 恩田陸/幻冬舎文庫/上下巻各税別790円)
『麦の海に沈む果実』(著者 恩田陸/講談社文庫/税別900円)
『ユージニア』(著者 恩田陸/角川文庫/税別760円)
『楽園のカンヴァス』(著者 原田マハ/新潮文庫/税別800円)
『ある男』(著者 平野啓一郎/文春文庫/税別840円)
『マチネの終わりに』(著者 平野啓一郎/文春文庫/税別890円)
『こころ』(著者 夏目漱石/新潮文庫/税別362円)

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最後まで読んでくださってありがとうございます!読書人生はまだ始まったばかり


新しい扉は何歳から開いてもいいですよね


すべての始まり・・・〈第一夜〉はこちらから↓↓↓


どんな謎ならワクワクしますか?〈第二夜〉はこちらから↓↓↓


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