はじめに 皆さんの学校では、「生徒会」はその機能を果たしていますか? 生徒会は我が国の社会の仕組みを学ぶため、小さな「民主制」の場でなくてはなりませんが、 今回は、生徒会の存在理由と、とりわけ「校則」との関係において果たす機能を改めて振り返ってみたいと思います。 生徒会 生徒会は全校生徒から成る組織で、その内部に、会員(=全校生徒)から選ばれて総意を代表する本部役員と、同じく会員から委託を受けて特定の専門的な仕事を行う「委員会」をいくつか持つのが一般的です。 また
はじめに 学校教育において、子ども達の「教養」なるものを育もうとすることは、私たち教員にとって、最大の目的の一つであることは、誰にも異論ないと思います。 では、どういったレベルの「教養」を目指すのでしょうか? 今回は、「エピステモロジー」という概念に触れながら、義務教育段階で目指すべき「教養」の目標到達点について、私が学年主任を務める学年教員の共通理解をご紹介したいと思います。 どこまでの教養を求めるか 教養は率直に言って、「あればあるほど良い」のですから本当は、森
おさらい 教員向け研修の場で、「現在は変化の加速する予測困難な時代だ。適応せよ。」と聞かされた私。 現在は本当に「変化の時代」なのかと疑問を抱き、 公教育の視点からも、あとに述べる大きな違和感を覚えました。 そして「変化は加速しているのか」を検討するうえで、興味深いレポートを発見したのでした。 レポートの解釈 くだんのレポートの調査結果について、同レポート内では、以下のような解釈が示されています。 このあと同レポートは、必ずしも「変化は激しくない」と断定的に結論
はじめに 皆さんは、 「変化が加速する時代」「VUCA」「予測困難な社会」 といった社会認識について、どのような考えをお持ちでしょうか? 今回と次回に分けて、そういった社会認識に対する懐疑的な見方と、公教育として持つべき目線について、お話ししたいと思います。 「変化が加速する予測困難な時代」 最近私が受けた教員向け研修で、講師の先生が次のような主旨のお話をされていました。 「これからは、変化が加速する予測困難な時代なので、先生たちにも、子どもたちにも、変化に柔軟に対
はじめに 皆さんは、 生徒の「個人の自由」を尊重する一方で、 クラスや学校全体の「集団の規律」も守られないといけない、 そんな、一見すると対立的にも見える二つの指導原理の間で、戸惑いを感じたり、迷ったりしたことはありませんか? 今回は、実はこの二つは相互排他的に対立する原理ではない、という考え方をお示ししたいと思います。 「個人の自由」の広まり 1990年代以降、日本でも西洋に倣った自由主義思想が一気に広まり、「個人の自由」を最大化することこそが、先進的で洗練された
おさらい FIREを社会全体で達成することは不可能で、 そこから、労働の真の目的が「お金」ではなく「生産物(財やサービス)」であることが見えてきました。 もっとも、お金が発明される以前から労働(マンモスを狩ったり、作物を育てたり…)はありましたから、成立順からして、そもそも労働の本来の目的がお金であった、なんてことはあり得ません。 労働も「支え合い」 経済にとって、また私たち人間にとって、大切なのはお金ではなく、生産物の方です。 共同体の経済は、各人が労働し、生産