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夫はなぜ尿酸値が上がったのか…【有料級】高尿酸血症の食事療法を語ります

血糖値は落ち着いている夫ですが、ストレスを理由に暴飲暴食していたこともあり、尿酸値が高くなってまたまたお薬が増えてしまった夏ごろのお話になります。

※夫に糖尿病の疑いが生じた2020年のクリスマスから少しずつ思い出して書いています。
最初の記事はこちら↓

マガジンにまとめていますので、今日までの経過が気になった方は、読んでみてください。


まあね、もともと尿酸値も高めではあったのですよ。
そこへきて、暴飲暴食・・・そりゃもっと悪くなるよねってお話なのです。
ここのところまた血液検査ができていなかったので、かかりつけの病院で久々に検査してもらったところ、尿酸値だけが上がっていました。血糖値はお薬を飲んでいるから落ち着いているのでしょうね。
尿酸値7.5㎎/dl、痛風が起こるほど高くはないですが、今回からしっかりお薬が処方されることになりました。これで薬は1日5錠だよ🤣

夫はそばに栄養士がいて食事管理もしているというのに、言うことを聞かずこうなっておりますが。
わかっていたら防げることもあると思うので、夫は何が悪かったのかを振り返りつつ、管理栄養士として詳しく高尿酸血症について解説したいと思います。



高尿酸血症とは

尿酸値7.0㎎/dl以上は高尿酸血症

高尿酸血症は、血液中の尿酸濃度が通常よりも高くなる状態を指します。
尿酸は、体内のプリン体という物質が分解されるときに生成される副産物です。通常なら尿酸は血液中から腎臓を通じて排泄されますが、何らかの原因で尿酸が過剰に作られたり、排泄がうまくいかないと、高尿酸血症が発症します。
最初は無症状なので放置してしまいがちですが、ずっと尿酸値が高いままだとさまざまなリスクが・・・

高尿酸血症がなぜいけないのか

高尿酸血症の主なリスクと影響についてまとめてみます。

  1. 痛風の発症

    • 尿酸濃度がずっと高いと結晶化していき、それが関節に溜まって炎症を引き起こします。その状態がみなさんご存じの「痛風」です。風が吹いただけでも痛いほどといわれる激痛が走ります。

    • 特に足の指、膝、手首などに痛みが現れやすいといわれています。

  2. 腎臓機能への影響

    • 尿酸結晶が腎臓に溜まると、腎臓結石や腎不全を引き起こす可能性があります。

    • 長期間放置すると、腎機能が低下し、最悪の場合は透析が必要になることもあります。

  3. 心血管疾患のリスク増加

    • 高血圧、動脈硬化、心疾患のリスクを高めることが知られています。

    • 血管にダメージを与え、血流が悪くなることで心筋梗塞や脳卒中のリスクが増加します。

  4. 生活の質の低下

    • 痛風の発作や慢性的な痛みによって、日常生活が制限されます。

    • 精神的なストレスも増加し、生活の質が低下します。


どうして高尿酸血症になったのか

高尿酸血症のリスク要因をまとめて、夫の生活を振り返ってみたいと思います。

高尿酸血症のリスク要因

・遺伝的要因
高尿酸血症は遺伝的要因が影響しやすく、家族に同じ病状の人がいる場合、発症リスクが高まる。

・食生活の問題
*高カロリー、高脂肪の食事
*尿酸のもとになる「プリン体」が多く含まれる食品の大量摂取
*尿酸の生成を増加させ、排泄を妨げるアルコールの多飲
*酸性に傾いている尿を中性化するのに必要なアルカリ性食品の不足
*尿酸を排泄するために必要な水分の不足

・ 肥満
肥満は体内で尿酸が過剰に生成される原因となり、高尿酸血症のリスクを高める。

・運動不足
適度な有酸素運動は体重管理と尿酸の代謝を促進する。そのため運動不足はこれらのバランスを崩す可能性がある。

薬剤の影響
一部の薬(利尿薬、アスピリンなど)は尿酸の排泄を妨げることがある。

・健康状態
高血圧、糖尿病、腎臓病などは尿酸代謝に影響を与え、高尿酸血症のリスクを増大させる。

・性別と年齢
男性は女性よりも高尿酸血症のリスクが高く、特に中年以降に多く見られる。


私の夫の原因を振り返る

遺伝ってよくわかりませんよね・・・だって食生活や生活環境はどうしても親と一緒になることが多いので、遺伝なのか食事が原因なのかの区別がつきにくいと思いませんか?

でも遺伝以外のリスク要因を見たら、夫はほぼすべて当てはまると思います。
男性・中年・肥満に糖尿病というだけでもぴったりなのに、そこへきての暴飲暴食・運動不足ですからね。
なるべくしてなったと言わざるを得ない😑
アルカリ性食品だけは摂れてると思いますが。


高尿酸血症にならないために

有料級!管理栄養士による栄養指導です

実際に病院でお話していた内容をまとめます。
もちろん薬を飲んだら尿酸値も下がるんだけど、長い目でみたら食事療法は絶対必要です。だって他の病気とも絡んでいるから。
夫にも指導していますが、一番の原因は「食べすぎ」と「飲みすぎ」です。尿酸値の高い方は参考にしてみてくださいね。

【高尿酸血症の生活指導】
肥満の解消
食事療法
 ・摂取エネルギーの適正化
 ・プリン体の摂取制限
 ・尿をアルカリ化する食品摂取
 ・十分な水分摂取(尿量2,000ml/日以上)
アルコールの摂取制限
 ・日本酒1合・ビール500ml・ウイスキーダブル1杯
 ・禁酒日2日/週以上
適度な運動
 ・有酸素運動
ストレス解消

高尿酸血症・痛風の治療ガイドラインより

摂取エネルギーを抑える
肥満は、高尿酸血症だけでなく糖尿病や心血管疾患にも大きく影響しているので、やはり太っているなら痩せないといけないのです。
逆にいうと、痩せることで全ての病気が良い方向に向かうと言うことです。
※糖尿病の食事療法がとっても適していると言われているので、詳しく説明しているこちらの記事も読んでみてくださいね↓

カロリーを控えるためには食べ過ぎないことが大事ですが、その他にも

・油をひかえた調理法でエネルギーダウンをする
・肉類の脂肪を減らすよう心掛ける

ことがポイントです。
油で揚げるよりも網焼きや蒸す・ゆでるといった調理方法の方がカロリーを抑えられます。
肉類は部位によってもカロリーが大きく違うので、バラやサーロインよりもももやヒレ肉を選び、鶏肉は皮をはずす、豚肉は脂身を食べないなど心掛けると良いです。

また、濃い味付けはごはんもお酒も進みがちなので、結果としてカロリーオーバーにつながります。
味がついている料理に調味料を足さない、減塩醤油を使うなどの工夫も良いと思います。


プリン体の多い食べ物は食べすぎないようにする
昔は「プリン体を控える」ということをメインに指導していたのですが、今はそれよりも「暴飲暴食の方が問題」ということになっています。
プリン体はほとんどの食品に含まれているので、少ないものでもいっぱい食べたら結果としてプリン体を取りすぎてしまうからです。また、尿酸値を上げる原因はプリン体の多い食品を食べることだけではないこともわかってきたので。

そうは言っても、やはり偏ってプリン体の多いものばかり食べていると高尿酸血症の原因になりえますので、ほどほどにしないといけません。(1日400㎎を超えないようにと言われています)

プリン体は各種レバー類やイワシ・カツオ・アジ・エビなど、一見体に良さそうな食品に多いので、そればかり食べないように注意しましょう。

また、ラーメンスープやシチュー、鍋料理のような濃厚なだしにはプリン体が溶け出しています。ラーメンのスープは一杯あたりプリン体が200mg近く含まれているものもあります。しかも液体は吸収率も高い。おだしは飲まない、シチューやカレーは頻繁に食べないなど心掛けましょう。


尿をアルカリ化する食品をとる
アルカリ性食品をとることで、酸性に傾いている尿を中性化し、尿酸を溶かします。
アルカリ性の食品は野菜・キノコ類・海藻・いも類・果物・大豆などです。
ただ、これらの中にもプリン体の多い食品が含まれているので、偏りなくいろいろ食べるようにしましょう。

水分をしっかりとる
尿酸のほとんどが尿から排泄されるので、いっぱい飲んでいっぱい出す方法がおすすめです。尿を1日2,000ml出せるよう、しっかり水分をとりましょう。

「ならアルコール飲んだらいいやんな」という患者さん、結構いました(笑)もちろんダメってわかっているのですが。(次の項で説明します)
ジュースやスポーツドリンク、アルコールではなく、お水かお茶でお願いします。


アルコールは適量で
「ビールはプリン体が多いからダメなんやろ?だから焼酎にしたんや」っていうフレーズもよく聞いたな(笑)
患者さんは褒めてもらえると思って本気で言っています。なので、ちょっと申し訳なく説明するのですが・・・

確かにビールはプリン体が多いので注意が必要なお酒です。最近はプリン体を減らした発泡酒もありますものね。

でも実は「アルコールというもの自体」が尿酸産生を促し、さらに排泄を抑制する作用があるので、尿酸値を上げる原因になるのです。

つまり、どのお酒も飲みすぎたら尿酸値は上がるってことです。

プリン体ゼロの発泡酒も、アルコール度数はそう変わらないんですよね…飲みすぎないでくださいね。
焼酎に変えて安心していた患者さんもガッカリしていましたが、要はアルコールの量が問題になってくるので、適量に抑えることが肝心です。

アルコールは強い利尿作用があり、水分補給にもなりませんので、しっかりお水も飲みながら上手にお酒とおつきあいください。

また、私の夫のようにお酒と一緒におつまみが必要な方は大問題です。摂取カロリーも増えるから、尿酸値を押し上げます。
できるだけ夕食のおかず(設定カロリー内)をつまみに飲むようにするのがベストです。すでにお酒のカロリー分はオーバーしているんだから。


適度な運動
適度というのが難しいところで、瞬発力のいるような短距離走や強度の筋トレのような無酸素運動はかえって尿酸値を上げてしまうそうです。
ウォーキングやサイクリングなどの有酸素運動を30~60分、週に3回程度行うのが良いとされます。肥満を解消してメタボリックシンドロームを改善することで尿酸値を下げることができます。


ストレス解消
ストレスって何にでも関係しますよね・・・
ストレスがかかると交感神経が活発になり、全身の血のめぐりが悪くなり、腎臓へ送られる血液も少なくなる。その結果、尿酸がうまく排泄されなくなり、体に溜まって尿酸値が上がります。
ということで、ストレスを解消する必要があるわけです。

ストレスについてはこんな記事も書いているので、良かったら読んでみてくださいね。


まとめ

私の夫は普段から糖尿病の食事療法を行い、薬もきちんと飲んで血糖値は落ち着いています。が、ここのところストレスだと言って暴飲暴食に走り、尿酸値が上がってしまいました。そのため尿酸値を下げるお薬がまたまた追加され、現在1日に5錠のお薬を飲んでいます。

おそらくお薬を飲むことで尿酸値もすぐに改善されるとは思いますが、長い目で見ると食事療法や運動療法も絶対にやらないといけません。(食事療法は糖尿病のものと同じですが)

アルコールを減らし、夜食をやめ、運動しながらストレス解消して体重を減らそう!ということです。

それがなかなかできていないのですけどね。
また報告します。


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みんと🎈漢方養生栄養士
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