さつまいも その薬膳作用
旬の食材はその時季の身体に必要なもの
収穫の秋です。
食欲の秋でもあります。
季節を感じながら、
野菜、果物や魚介類など
旬のものをいただいています。
「普段の食事も薬膳ですか?」と
よく尋ねられます。
調理する食物が
どのような働きするのかを知ったうえで、
献立を組み立てるように心掛けていくと、
旬のものの多くは
その時季の身体に必要と感じます。
さつまいもを使って鬼まんじゅうを作りました
さつまいもを沢山いただいたので、
人生何回目かの鬼まんじゅうを作ってみました。
鬼まんじゅうは本来、
小麦粉とさつまいもで作り、
角切りにしたさつまいもの角が
ゴツゴツしていて、
鬼のつのや金棒を連想するから
そう名付けられたとか。
東海地方のものでしょうか。
生まれ故郷では馴染みがなく、
初めて作ったのは、
小学校の親子クッキングでした。
パティシエを職業とされている
お父さまも出席してらっしゃって、
同じ材料なのに、
どうしてこんなに綺麗にできるの!と、
皆で称賛したことを覚えています。
今回は
米粉にすりおろしたやまいも、
ベーキングパウダーを加えて
混ぜ合わせた生地に、
切ったさつまいもをのせて、
蒸しました。
さつまいもを育てるのも、人が生きていくにも、栄養過多はよくないのでしょうか
夫が中学生の頃、
友人と休耕田に大量の肥料を投じて、
さつまいもを育てたところ、
葉がたくさん茂ったので、
いももたくさん出来たはずと掘ってみると、
貧弱なものばかりだったという話を
してくれました。
さつまいもは
痩せた土地でも育つ繁殖性の高い植物と
伝え聞いています。
肥沃な土地が
かえってよくなかったのでしょうか。
栄養過多が病気の誘因となることもあり、
人体にとっても考えどころです。
さつまいもの薬膳作用
さつまいもは
消化吸収をつかさどる脾と胃の働きを
よくします。
猛暑の夏、
冷たいもの、生ものの摂り過ぎなどで傷んだ、
気血生化の源でもある臓腑の機能を
正常にすることで、
気を益し、津液を生み出し、
暑い夏の間、
発汗で消耗した気と津液を補充していきます。
腸を潤し、お通じを良くします。
秋も深まり、空気が乾燥していくと、
肺の機能低下がみられます。
肺と表裏関係にある大腸も同様で、
便秘がちになるので、
そのような時に、さつまいもを召し上がると
よろしいかと思います。
そして、生命活動の源である腎を補います。
さつまいもは身体を温めも
冷やしもしない平の食性、補益する甘の食味で、
ビタミンやミネラルも豊富です。
暑い夏を過ごして弱った身体を
いたわってくれるはずです。
本草綱目には、
「虚乏を補し、氣力を益し、脾胃を健やかにし、
腎陰を強くする功は薯蕷(やまいも)と同じ」と、記されています。