第3章 躁鬱の波を把握&小さくするツール / 消火器カードを作る
私はSNSで双極性障害に関する情報を集めたりしているのですが、その中で「消火器カード」というのを知りました。
これは、NPO法人ネット心理教育が発案・推奨しており、躁の兆し・鬱の兆しに早めに気づき、早めに対処(鎮火)する、というものです。
実際に私もこれを作ったのですが、とても有益なツールだなと思いました。
具体的な作成方法は、以下になります。
① 躁の兆し、鬱の兆しを書き出す
② 家族や身近な人からも、兆しを聞き出す
③ 症状が重い(もしくは軽い)兆しから順に並び変える
④ それぞれの兆しが表れた時に、どう対処するか、具体的に書き出す
⑤ 家族や身近な人に見てもらう
私は、ノートに兆しを書き出した後に、パソコンで並び変えたり、対処法を書いたりして、1枚のシートにまとめました。ご参考までに、私の消火器カードを載せておきますね。
① については、例えば躁の兆しなら「眠れなくなる」「アイディアや面白いことがたくさん浮かんでくる」、鬱の兆しなら「排卵日~生理前」「自分の体調不良」「過眠」「過食」などです。
② については、これまた客観的な視点ですね。意外と自分では気づかない兆しが出てきたりします。
③ について、ネット心理教育では症状が重い方から記載をとのことでしたが、私は軽い方からの方が見やすかったので、そちらを選びました。
④ については、具体的に書くのがとても重要です。例えば、「〇時には布団に入るようにする」「〇時までに眠れなかったら睡眠薬を〇錠飲む」「予定を1つ減らす」「〇〇(頓服)を〇錠飲む」「訪問看護にメールする」「クリニックに電話、受診」などです。これまで述べてきたような躁鬱対策も、具体的対策の参考になると思います。
私はこのシートを、いつでも見られるように冷蔵庫に貼っています。あと、何かあったときのために、訪問看護と病院、24時間対応の県の精神科救急情報センターの電話番号も載せています。
このように、兆しと具体的行動指針を記載しておくと、とても動きやすくなります。
例えば、なんだか調子が悪い…と思ったときに、消火器カードを見ると、「排卵日~生理日」と書いてあって、「あ、生理前だった…」と気づき、不安がひどいなら頓服を飲む、といった具合です。
躁鬱大学に書いてあるのですが、なぜか双極性障害の人は忘れっぽいようです……同じところで躓いたりします。そして他人から指摘されることで、気づいたりするのです。
私も不安が強いときに、訪問看護の方に「調子が悪いです……」と連絡を入れたところ、「頓服は飲みましたか?」と聞かれ、「あ、忘れてた……」となることが多々ありました(笑)。特に鬱になった際には、ネガティブな思考に頭が支配されて、どう対処すればいいか、分からなくなってしまいます。
ですが、消火器カードがあれば、自分で気づき、対処することができます。消火器カードを作ってから、訪問看護に連絡する前に、自分で頓服を飲めるようになりました。
躁や鬱になったとき、冷静な判断ができるように、あらかじめ、消火器カードを作ってみてくださいね。これも1つの「防災」になります。
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