見出し画像

宇宙飛行士のその後の人生が面白い!「宇宙からの帰還」

こんにちは、サカモトです。

さて、本日はこちらの本の紹介です。立花隆さんの「宇宙からの帰還」という本です。

作者はこんな人

作者の立花隆さんはルポライター、ノンフィクション作家で、「田中角栄研究」という本が中でも有名で、この本で田中角栄首相の失脚に繋がったと言われます。あらゆる分野について徹底的な調査し、執筆したことから「知の巨人」というニックネームでも呼ばれたりします。しかし、宇宙もテーマの一つだったとは、、、

内容

アポロ計画などで宇宙に飛び立った宇宙飛行士に、1980年代にインタビューした記録になります。宇宙飛行士が宇宙に行くことで、意識的、精神的にどのような影響を与えたのかに焦点を当てた内容となっています。


ただ、知の巨人としての面目躍如で、序盤は、

例えばどのようにロケットが飛ぶのか、
宇宙での時間の概念はどうなるのか、
無重力でどのように姿勢を整えるのか、

など、これでもかと科学的な内容が並びます。
てっきり、文系の本だと思っていたんですけど、理系的な内容もふんだんに盛り込まれてます。

例えば、時間についての記述はこんな感じです。

時間は、歴史的には地球から見た天体の周期的な運行をもとに単位が作られ、計測されてきた。やがて、ニュートンが絶対時間という概念を提出し、アインシュタインがそれを相対性原理で補正する。一方、計測技術が進歩するとともに、天体の運行は必ずしも安定していないということがわかり、時間の単位は、セシウム原子の発する電磁波の固有の周波数を用いて再定義されている。

「宇宙からの帰還」より

月に行ったのはアポロ11号だけじゃない

月に行ったとして、有名なのは、アポロ11号だと思いますが、それ以外にも12号、14号、15号、16号、17号と13号以外全て月に到達しているんです。

アポロ11号の月面滞在時間は二十一時間三十六分に及んだ。12号、14号になると、三十時間を越え(13号は着陸失敗)、15号は六十七時間弱、16号は七十一時間、17号は七十五時間と、ついに足かけ四日間にもわたる長期滞在を果している。

「宇宙からの帰還」より


アポロ13号は打ち上げ後のトラブルによって、月にいけなくなるわけですが、その辺は映画「アポロ13」に詳しいと思います。

その映画の公開前のこの本の中でもアポロ13号のトラブルについても詳しく触れられています。どんだけ知識があるんだと思わされます。

宇宙飛行士のその後の人生

アポロ計画の宇宙飛行士は、宇宙に行ったあとの人生は様々です。そもそも、宇宙飛行士だからといって、NASAに残れるわけではなく、その後の人生の身の振り方は自分でなんとかしないといけないようです。それにしても、多種多様です。

宗教家になったもの、
政治家になったもの、
実業家として成功したもの、
精神病を患う
ものなどです。

そうした一人ひとりにインタビューし、その内容をまた噛み砕いて、ノンフィクションの形で、その人生を浮き彫りにしていくんですね。

そして、大体の宇宙飛行士にとって、宇宙が精神的に影響を与えるのですが、少数ですが、影響のなかった人もいます。

それがなぜなのか、詳しく考察することで、宇宙がどういう空間なのか分かるようになっています。


とにかく、オタク的な内容でまとめつつ、読み物としてもとても面白いものに仕上がっています。

ほんと面白かったです!


よろしければサポートお願いします。サポートいただいた費用は自分の応援する活動の支援に使わせていただきます。