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没噴射小説詰め合わせセット v2024
こちらは逆噴射小説大賞の没作品群となります。
お手すきの方はぜひ。
亡国の星条旗 燃え立ったキノコ雲を中心に広がる爆風が、万物を薙ぎ払った。
サウスダコタ州ラシュモア山。五人の大統領の巨像が、眼前に連なるキノコ雲の群れを見下ろしている。
その頭上に、巨鳥の如き翼を広げた巨人──白堊館󠄁が降り立とうとしていた。
「クソ!」
白堊館󠄁の執務室に座すエデンは悪態を吐いた。そして滑る操縦桿を
PAX APOCALYPSIS
朧の眼下に、燃え盛る荒野が広がっていた。
地核より噴き上がる焔蛇の火柱が雷雲を裂き、降り注ぐ火の雨が、絶えず渦巻く焦土に爆ぜる。燔人共がその上を、燃える膏を吐いて滑走していく。
ここは、人界と化外の地〈永獄〉を隔てる断崖である。
朧はその淵に座し、眼前に打ち込まれた神盤遊戯〈天盆〉に臨んでいた。熱風に白銀の長髭と深紅の龍袍を翻しながら、幾星霜を閲した者特有の幽邃な瞳で盤上を見据えている。
星海を掃く者 ―ANYTHING < HUMAN―
〈青耀〉がゴルディアス同調によってその指令を受け取ったのは、彼が零点振動リパルサーで恒星『全天星表番号69335688922687829160204592150189』系の第十二惑星に住む蒼生の頭上に、第二衛星を落とした時だった。奴婢共がダイソン球建設のための立ち退き要請に抵抗したためである。
“帝国”こと〈大八巨大数洲〉は上古より蒼生の頂点に御して多元宇宙に照臨し、自らの御稜威でもって乾坤か
(没)BURN IT DOWN
『我が子威吹よ、汝を指したる凡ての預言に循ひて、我この命令を汝に委ぬ。これ汝がその預言により、信仰と善き良心とを保ちて、善き戰鬪を戰はん爲なり』
そう水瀧楓は紅威吹の耳殻に呪いを吹きかけた。
「ほらはやく」
楓は傍らに立つ威吹の手首を掴み、その指先をビルの一つに合わせる。
閃光がはためく。毒々しい赤紫色の花を開く大火球が眼窠の中で燃えた。生きとし生けるものを焼き払う劫火の嵐。眼前の超高層ビル
(没)DArkSide
パンドラによって遍く厄災が解き放たれた匣には、希望だけが遺った。
では拭えぬ闇に囚われたこの世界に遺ったものとは。
無明の闇に閉ざされ翳や陰が跳梁する末法の世にあって光を放つものに近づいてはならぬ。逢魔はそう教えられてきた。
それは人魂を薪に焚べた輝きであり、捕まれば最後、虚にされた肉体に闇を吹き込まれた幽鬼となって人を狩る末路を辿るからだ。
だが眼前のこれは違った。
何ともつかぬ奇