生成画像付き短歌集(31~40)
31
この歌を遺言とする小説も日記もポストも書くもの全て
※ここ数日の子どもたちの「遊びたい欲」の高まりを見て、「まるで父親の命が長くないのを知っているかのようだ」と思ってのこと。ちなみにそんなこと(命が長くない)はない。
32
今朝の月大粒ですぐ積もりゆくかつては空にありしものたち
※シロクマ文芸部「今朝の月」のお題を受けて書いた物。短歌+短文バージョンはこちら。
33
症状が何か出るたび怯えだす耳鳴りのように絶えず続くかと
※首の痛みが酷かった頃。脳脊髄液減少症関係の症状が出ると、消えることのない耳鳴りと同じように、ずっと続くのかと不安になってしまう。しばらくしてマシになる。台風が連れてきた低気圧の影響かもしれない。
34
最終回再生終えて息子問う「怪獣の勝つ話はないの」
※「ウルトラマンジード」最終回を観終えた息子。大好きなベリアルが息子であるジードに倒される結末。怪獣が好きな子にとって、ウルトラマン終盤は悲しさばかりになるのだ。「他のウルトラマンシリーズ観る?」という私の質問に対して返ってきた息子の返答。
35
動けない 布団を敷いてと声に出す頼める人が三人もいる
※首の痛みが酷く、ほぼ動けなくなり、いつもなら私が敷いていた布団敷きを娘に頼む。最近は息子も積極的に手伝ってくれる。妻は朝が早いので先に寝ている。
36
BLだ百合だと娘が言い出して「百合はわからぬ」父は答えた
※彼氏と別れたという娘が、強がるように自分はBLや百合が好きなんだと言い出す。私は百合は分からない。BLならかつて「ソフトBL小説集」なるものも書いていた。
37
首筋を掴まれたまま動いてる我、人間か、我、人形か
※首筋を鷲掴みにされているような日々だった。The Killers「Human」の歌詞を思い出す。私達は人間だろうか、それとも糸に操られて踊るダンサーだろうか」といったもの。
38
支払いの漏れとご飯の炊き忘れ気圧のせいと言い聞かせてる
※しばらく続いた体調不良は家事にも影響を与えた。支払い漏れが一件あり、晩飯直前になってお米の炊き忘れに気付く。幸いパックの米があったので助かった。
39
子らが歌う「遠い匂い」を聞きながら昔のことを思い出せない
※アニメ「銀魂」のOP、YO-KING「遠い匂い」を子どもらが歌う。初回放映当時に観ていた時期のことを思い出そうとする。思い出せる思い出がほとんどないことに気が付く。
40
雨の夜ラバーカップを買いに行く自転車パンク徒歩でドンキへ
※就寝直前にトイレが詰まっていることに気が付く。以前買った100均のラバーカップでは直らず、幸いまだ開いていた近所のドンキへ向かうことにした。しかしこんなタイミングで自転車はパンクしており、徒歩で。絵のような服装はしていないしラバーカップを裸で持っているわけではなかったが、表情はほんとこんな感じだった。とんだ災難ではあったが、「日常をそのまま書くだけで妙な迫力が出る文章」が理想ではあるので、思わぬ拾い物ではある。こんなことが起こらない限りは、生涯生成することがなかったであろう一枚。