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100個は食べたい海苔フリット
先日、6歳の娘のかねてからのリクエストに応えて、家で「海苔フリット」を作ることにしました。
娘の言う海苔フリットとは「ゼッポリ」というイタリア料理のことで、以前、私が働いているレストランで食べてからというもの、ことあるごとに海苔フリットが食べたいと言うようになったのです。
ゼッポリは南イタリア、ナポリの名物料理で、ピザ生地に生青のりを練りこんで油で揚げた、一口サイズの揚げパンのような料理です。
サクッ、フワッ、モチッとした食感が特徴で、スナック菓子のような感覚で食べることができる、とても手軽なイタリア料理なのです。
作り方もいたって簡単です。
材料を混ぜ合わせて、発酵させて、揚げるだけの
3ステップでできてしまいます。
発酵させるのに1時間〜1時間半くらいかかってしまいますが、実質の仕込み時間は3分くらいなものなので、完成させたい時間からの逆算さえできれば、特に大変なことは何もありません。
と、頭では分かっていても、やはり面倒くさいと感じてしまうのが揚げ物。
揚げ物をした後のコンロ周りの掃除や、油の処理などを考えてしまうと、どうしても腰が重くなってしまうのです。
現に私も娘から、海苔フリットが食べたいと何回もリクエストされていたのですが、その度に何かと言い訳を作っては先延ばしにしてきてしまいました。
しかし今回、さすがに娘から、
「ねえ、一体いつになったら海苔フリット作ってくれるの」と言われてしまったので、しぶしぶ重い腰を上げて作ることにしたのです。
レシピ
(約40個分)
強力粉 75g
薄力粉 38g
ドライイースト 1.5g
生青のり 30g
塩 2g
オリーブオイル 少々
ぬるま湯 75cc
まずはボウルに、小麦粉、イースト、塩を入れて、フォークを使ってよく混ぜます。
そこに生青のり、ぬるま湯、オリーブオイルを加えて、そのままフォークを使って全体を混ぜていきます。
ある程度混ざったら、ゴムベラに持ち替えて粉気がなくなるまでしっかりと混ぜます。
満遍なく混ざったらラップをして、温かい場所に置いて発酵させます。
イースト菌は35℃前後の温度帯で活発に働くので、できれば30〜35℃の場所に置けるとベストです。
そのまま放置すること1時間〜1時間半。
生地が2倍に膨らんだら発酵完了です。
次に、揚げ油を170〜180℃に熱して、生地をスプーンですくい取って揚げていきます。
生地を油にいれるとブワッと一回り大きくなるので、すこし小さめにすくい取って、丸っこくなるように揚げるのがコツです。
揚げ時間はだいたい1〜2分。
表面がサクッとなって、持ち上げた時にフワッと軽く感じたらよい頃合いです。
網の上にあげて油を切ったら、塩で味付けをして完成です。
テーブルで待つ娘に食べさせる前に、まずは私が味見がてら、お先にひとついただきます。
「熱いっ、けど美味しい〜」
サクッ、フワッ、モチッという食感と共に、ほどよい海苔の香りがフワーっと鼻に抜けていきます。
「やっぱりコレにはビールでしょ」
そう思った私は冷蔵庫からよく冷えた缶ビールを取り出して、さっそくプシュッといただきます。
そして、海苔フリットをもう一つ口に放り込んでから、テーブルで待つ娘のもとへと運んでいきます。
娘は目の前に海苔フリットが置かれると、待ってましたと言わんばかりに、すぐにペロリとたいらげました。
我が家の揚げ物用の鍋はとても小さいので、一回で揚げられる海苔フリットはせいぜい8個くらいです。
なので私は8個揚げたら娘が待つテーブルへ運び、再びキッチンに戻っては、また8個揚げるということを繰り返していました。
すると娘が言いました。
「美味しすぎて全部食べちゃうから、パパの分はないからね」と。
私は全部食べられてたまるものかと、ビールを片手にキッチンでこっそりつまみ食いをしていました。
しかし、海苔フリットの生地が残りわずかになってきた時、
「あぁ、あと100個くらい食べいなぁ」
と言う娘の声が聞こえてきたので、私はつまみ食いをする手を止めて、残りの海苔フリットを全部娘にあげることにしました。
おそらく私が想像していたよりも、娘はこの日を楽しみに待っていたのだと思います。
こんなに美味しそうに食べてくれるのなら、もっと早く作ってあげれば良かったな。
そう思いながら飲む2本目のビールは、ほんの少しだけ海苔の香りがするのでした。