京都ヴィーガングルメレポ〜食べながら大学の在り方についても考えた3泊4日【前半】
京都はヴィーガンオプションがかなり普及しているらしく、「正直東京より便利」と以前他のヴィーガンの方から聞いたことがあります。とはいえわたしは「いやいや、ゆうて東京が一番便利でしょう」と思い、関東を出る可能性を考えていなかったのですが、せっかく関西に来たし、実際のところはどうなのか、京都ヴィーガン事情を検証してみました。
(文責:深沢レナ)
*大阪からの続きです。
1日目 大阪→四条河原町→洛北高校前→京都御所
大阪のホテルを9:30にチェックアウト。早めのランチをめざして、空腹のまま歩きます。動物園前から地下鉄(堺筋線)にのり、淡路で乗り換え。次の電車も同じホームだったのでスーツケースでもスムーズでした。
京都河原町駅につき、エレベーターを上がるとすぐに大通りです。
京都の宿泊場所は、アクセス抜群な京都河原町のカプセルホテルにしました。ホテルに荷物を預け、四条河原町というバス停からバスにのります。
①豆禅(とうぜん)
まずは、写真を一目見て以来ずっと食べたかった豆禅さんに直行。
もともとは精進料理屋さんだったそうで、まかないで出していた豆乳ラーメンをメニューにしたところおいしいと話題になり、ベジタリアンラーメン屋さんとなり、その後はヴィーガンの方からの要望も聞き入れて、今ではオリエンタルヴィーガンラーメンがメインのお店になったそうです。
やっぱり9割は外国からのお客様だそうです。今日はたまたま空いていて、店内も静かで落ち着いていました。
担担麺もおいしそうで迷ったけど、「ムサシ」という定番ぽいラーメンにしました。
湯葉と山椒がのっているヴィーガンラーメンは初めて食べた! 深みのある味なのにコッテリしすぎず、上品な味わい。五葷抜きということで、ネギの代わりに水菜が使われています。
あとなぜかクロレラが推されていて、気になったのでクロレラのアイスも注文しようとしましたが、残念ながら今日は品切れ。
店主さんに聞いたら、クロレラって、ヴィーガンだとあるあるのビタミンB12不足対策に良いらしくて始めたとのこと。ヴィーガンの健康まで考えてくれてありがたい!
豆禅の店舗は日本ではここだけですが、マレーシア、インドネシアには支店があるそうです。以前、和歌山の白浜(外国人観光客がたくさんくるのにヴィーガンのお店が一軒もない)に店舗を出したところ、ちょうどコロナ禍になってしまって、地元のおじいちゃんおばあちゃんに「目の前に海あんのに魚食わんの?」とツッコまれた話など、店主さんからいろいろと面白い話を聞かせていただきました。
*豆禅さんのnote記事も発見
②玄gen
ヴィーガンスイーツのテイクアウト専門店があるということで、ちょっと遠いけど食べた分を消費するため歩きます。
途中 鴨川公園で日向ぼっこ。
ジョギングしている人も、ウクレレ弾いている人もいる。わたしはまったりベンチでごろごろしました。
そこからまた歩いて30分ほどで、ヴィーガン&グルテンフリーのテイクアウト専門店「玄 gen」につきました。
メニューがたくさん。
わたしのお目当てはクリームクッキーブールだったんだけど、あいにく売り切れ。
でも代わりに買った抹茶のケーキは、しっとりしていてリッチな味わいでした。
キッシュもあったよ。
スイーツだけでなく、いろんなご飯ものがあります。バラエティー豊富。
お店を出た後は、京都御苑で本でも読もうと歩いて辿り着いたのですが、案外時間なくなっちゃったので、すぐ近くのバスにのって京都河原町に。夕方のバスは地元の方と外国人観光客で満員でした。
③mumokuteki cafe
四条河原町のバス停につき、歩いて5分ほどでムモクテキカフェに到着。
階段をのぼった店内は広々として、ギャラリーのようなスペースもありました。
わたしのお目当ては…
ふわとろゆばオムライス!!!
コーンの味がきいていて、濃厚なデミグラスソースがたっぷりかかっています。単品で頼んだけど、プチデザートにチョコレートを3ついただきました。
他にもメニューはたくさんあり、数量限定でラーメンもありました。夜営業はしておらず、閉店は早いです。17時になったのでホテルに歩いて帰りました。
2日目 京都河原町→京大正門前
お散歩:京都大学キャンパス
京大の友人が吉田寮を案内してくれることになったので、12時すぎにバスで京大正門前に向かいます。
京大のキャンパスをお散歩。
警備員の姿も見当たらず、敷地が広く、緑も多くて、のびのびした雰囲気があります。
早稲田も他のキャンパスはわからないけど、わたしが大学院時代を過ごした戸山キャンパス(文キャン)では、ビラも貼れない、空き部屋も使えない、みたいな窮屈な感じだったので、カオスな大学生の雰囲気が新鮮。
早稲田大学ではすでに禁止されてしまったタテカンの姿も京大敷地内には至る所に。うらやましいなぁと思いましたが、京大でも路上に出すのはダメになってきていて、大学の管理の手がじわじわと伸びているようです。
* 日本の大学の変遷については、以前わたしの会のインタビューでも考察しています。
④素食カフェRen 銀閣寺店
京大をぐるりとまわった後は、近くの古民家カフェに向かいます。
このお店には4店舗あり、本店は和歌山だそうです。
メニューを開いてまっさきに目に入ったヴィーガンうな重の写真に一目惚れ。
うな重定食を頼みます。
うなぎ部分は、豆腐だけでなく山芋なども使われていて、仕上げにちゃんと炭火で焼いているとのことで、ふっくらとしたうなぎの食感が出ていました。
デザートにはショコラのようかん。かわいすぎる!
黒糖の薬膳茶も優しい甘さで体に沁みます。
店内は二階まであり、団体客も入れそう。落ち着いた雰囲気でゆっくりできました。
お散歩:吉田寮
Renでくつろいでいたらいつのまにか16時になっていたので、日本最古の学生寄宿舎:吉田寮に向かいます。(※吉田寮の見学は、寮生の方と一緒でないとできないようです。吉田寮公式サイトよりご確認ください。)
これだけスペースがあるならペットも飼えそうだなと思って聞くと、猫もいるしニワトリもいるらしい(あとでニワトリには会えた。毛並みがツヤツヤしてた。)
京都大学が吉田寮生を相手取って起こした裁判は、この前の2月に京都地裁で判決が言い渡されたばかり。寮の中には裁判の関連資料も置いてありました。
大学側は、「旧寮は老朽化で耐震性に問題があり、学生の安全の確保のために退去を通告しているのに、一部の寮生たちが従わなかったため、裁判をせざるを得なかった」かのような主張を繰り返しているようですが、資料をよく読むと、それまで耐震性に真摯に考え、大学側に対話を働きかけてきたのはむしろ寮生側で、大学の主張は矛盾していることがわかります。「学生たちの安全のために」というのは、学生を追い出し、寮生の自治を奪うための口実でしかないことが窺えました。
わたし自身も約4年間にわたり、早稲田大学と裁判をしてきましたが、大学側が世間に向けて発信する表向きのメッセージ——「被害者の方には大変申し訳なく思っています」といったようなメディア向けの言葉——と、実際に戦っているわたしに向けた攻撃的な言葉の乖離にたびたび憤りを感じてきたので、京都大学も吉田寮生に対して似たようなことをやっているだろうな、ということは容易に想像がつきました。
吉田寮では入寮の際に、動物のアレルギーについても質問があるそうですし、ハラスメントの会議なども自分たちでやっているそうです。「学生の自治」は大事なんだということを頭ではわかっていながらも体感してこなかったわたしにも、自治とはこういうことなんだろうなと、ほんのばかしですが感じることができました。
引きこもりの問題でも、貧困の問題でも、動物の問題でも、「管理」ということが支配や排除と繋がっています。大阪・釜ヶ崎で見たような野宿者排除、大学で管理体制が強まること、大学におけるハラスメントの問題は、すべて地続きになっているのかもしれない、と思いました。
吉田寮自治会の配布するプリントには、次の言葉がありました。
本当に「学生のため」を想うのなら、まず大学は、学生をまっすぐ見つめ、真摯に言葉を返してほしい。今からでも。
*映画『ワンダーウォール』は、学生寮建て替えについての大学との闘争や、大学と争うということについて参考になる。
⑤スパイスカフェ&バー Pelgag(ペルガグ)
日が暮れてきたので、バスで四条河原町まで帰ります。
ホテルで一息して、夕飯を食べにPelgag(ペルガグ)へ。OPAの裏の建物の3階にあります。
野菜のフライドライスと迷ったけど、となりのお客さんが食べていたカレーがおいしそうだったのでカレーに。
スープ・野菜付きでした。お店の名前のとおり、かなりスパイスがきいていて辛いので、苦手な人はお願いした方がいいかも。
夜はワンドリンク制で、レモネードとあわせていただきました。
京都2日目に気づいてしまったこと
当初の予定では、これで最後の夜となり、次の日には帰る予定だったのですが、ここで気づいたこと。
まだまだ食べなきゃいけないものがたくさんある・・・!
絶対行きたいと思ってたお店もまだ行けていないし、ホテルから徒歩やバスでだいたいどの店にも気軽に行けてしまう。これ以上良いアクセスってないんじゃないだろうか。
やる予定だった仕事も全然終わってないし(※食べてばっかりいるから)、普段なかなか関西に来る機会もないので、せっかくだしもう一泊することにしました。
→後半に続く。