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【読書感想文】サラリーマンは300万円で会社を買いなさい 人生100年時代の個人M&A入門

人生が100年と歌った『LIFE SHIFT』がベストセラーになったことは、本が好きな方であればご存知なのではないでしょうか。

この本の中で、我々の寿命について触れられているのですが、我々が知っている寿命というのは、国が発表している全年齢の平均寿命をみることが多い、というかその数字しか見えてません。

そもそも寿命というのは年々延伸されており、直近200年でみると10年ごとに2年ずつ伸びているそう。これは考えてみれば当然の話で、衛生状態が改善され、医療技術が進歩していることの表れです。

そうした中、毎年延伸される平均寿命を計算してみると、1967年生まれの人たちは平均で91歳、87年生まれは97歳、2007年生まれは2人に1人が107歳まで生きると予測されているとのこと。

我が家の息子は110歳ぐらいまで生きられちゃうんですね 笑

そうなると、いわゆる今は少子高齢化というのが社会問題になっていますが、今後、間違いなく起こるであろうことに、老後問題が生じてくるはずです。

老後、というのは仕事を橘玲さん的に言えば「強制的に仕事を終わらせられる」定年以降の話です。

僕たちは老後に対して漫然と不安を抱いていますが、その不安はおそらく、無事に寿命を迎えるまで安心して暮らしていけるのかという金銭的な不安が大きいのではないでしょうか。

かくいう僕もそう感じているうちの一人です。

年金は今後も受給年齢が高くなっていくでしょうし、手取り給与額は低下の一途であることを考えると、いわゆる僕たちがイメージしている定年後にゆっくりとした年金生活なんてものは幻想なんだと気づいてしまいました。

では、いわゆる定年(65歳で定年退職)後の生活が望んだ通りにきたとして、100歳まで生きた場合にいくらかかるのか。

過去に試算したことがあるんですけど、その内容は下にリンクを貼るはてなブログでご確認ください。

ここでは要約したものを書きたいのですが、65歳で定年退職し、100歳まで生きるとしたら35年間。この35年間は別に無料で生活できるものではありませんから生活費が毎月かかります。

2017年の生活白書から読み取れたのは、総務省が公表した2017年12月の家計調査報告(二人以上の世帯)において、60歳以上の消費実数は273,454円となっているという事実です。

この金額が12ヶ月だと3,281,448円/年となり、35年間で計算すると114,850,680円、つまり1億円以上の金融資産が必要だということになります。

いや、でね、僕はこれを年金でまかなえるかどうかを考えたわけです。

無理でしたよ。もちろんです。そしたらどうすればいいのかを考えますよね。二つです。

1. 余裕のある金融資産形成を図る
2. 老後を先延ばしする

むしろ、この二つしかありません。老後を先延ばしすることで、必要な金融資産の額が減りますし、その間、金融資産の構築に当てることもできます。

しかし、何もしなければ生活費という金融資産地獄が始まる訳です。

本書は、サラリーマンとしてきちんとビジネススキームを回してきた人たちが上に書いた二つの条件をクリアできる内容をわかりやすく具体的に紹介してくれています。

それは、今後、加速していくであろう中小企業の継承問題を解決する策でもある訳ですが、小さい企業の個人M&Aを行い、オーナー社長になることだと著者である三戸さんは書く訳です。

それがかなえるように行動することができれば、役員手当をきちんともらえることで引退後の資金を確保することに繋がりますし、引退を長引かせることができます。

おまけに後継者問題で潰れてしまいかねない地方の中小企業を救うという社会貢献にもできるという一石三鳥以上の効果が期待できると。

確かに僕の実家も地方都市(都市ともいえない町)で30年以上、地元の人たちに支えられながら営業を継続してきたのですが、いわゆる後継者の問題(僕は世間的には長男ですが、継ぎません。というか継げません。)がバッチリと当てはまります。

そして、例えば飲食店経営という点で見ると、例えば大手チェーン店とはもちろんのこと比較にならないほどローカルな顧客管理や予約管理、そして、在庫管理や注文管理をしているわけですね。

別に否定しているわけではなく、おそらく他の長く街の中にある飲食店の経営というのは似たような状況なんだろうと理解できましたし、おそらくそのイメージは現実とそう遠くはないだろうと思います。

はたから見た時に感じるのは、普通のビジネススキームが入り込むだけで、どれだけの改善につながるのかということ。

そこに入り込めるのは、それなりの企業できちんとビジネスを回してきた人で、本書では事業継承に悩む中小企業の救い手としてサラリーマンができるんだということを大々的に喧伝してくれます。

自らのスキルと活かして企業経営に携われた末に老後の資金獲得に動き出すことに対して背中を押してくれる内容になってますので、世の中のサラリーマンに対する応援歌だと思いますよ。


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ゑんどう ≒ 遠藤 涼介
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