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霞ヶ関ファイナンスのさらなる可視化は可能か

「政治とお金」はいつの時代においても良くも悪くも頻繁に議論されるトピックである 政治面では多く取り扱われているものの、果たしてその存在は「金融」という側面からより深く思考されたことはあるのだろうか。

今回は、「政治とお金」を「ファイナンスの可視化」という新たな面から考えていきたいと思う。

*先に、この記事は一切現在の政治を批判したりある種の政治的志向を押し付けたりすることを意図していない旨留意して頂きたい。

金融とは: お金はどう動くのか

この世の中の至る所で日々絶えずお金のやりとりが行われている。しかし、私たちは、そのお金の動きに対してどこまで理解しているのだろうか。「お金の動き」に関して重要な概念として「ファイナンシング」という枠組みがある。

Finaning (ファイナンシング)とは一般に「お金(資金)を調達すること」を指す。

しかし、個人的な解釈としては Finaning とは「お金が (1) ”時間軸に沿って(垂直移動)” または (2) "現在社会において"場所”や"所有者"(水平移動)をかえること」であると勝手に認識している そしてこの時間や場所を動かすことにより「金融」という概念が生じると捉えている(個人的見解)

例えば (1)の代表例は貯金である 私たちは現在から将来へとお金を移動させる (2)の代表例は個人間または企業間の貸借りである。「投資」や「ファイナンシング」と言われる行為は(1)でもあり(2)でもあると考えられる。

つまり何が言いたいかというと、「お金の可動範囲は広い」そして「お金」は単一にみえて場所ごとである種色がついていると思う。

言い換えるならば、「政治資金」のお金と「企業決済」のお金と「小学生のおこずかい」は金額には差があるものの本来同質のお金であるはずである しかし

喩え同じ瞬間に動いていたとしても、私たちは「霞ヶ関」で動いているお金と 「wall street」で動いているお金と「片田舎の小さな家のリビング」で動いているお金は恰も違う意味を持っているかの様に考えるのではないだろうか 


私たちの経済を作り出しているプレイヤーを分類してみる (経済主体とは)

Phase 1: 社会階級」と「経済主体」

古典派経済学およびマルクス経済学においては「社会階級」と「経済主体」の分類が「密」であった 従って、資本家、労働者、地主を経済主体と考えた。

Phase 2: 「行動パターンの違い」と「経済主体」

それ以降「行動パターンの違い」により生産者、消費者という分類がなされ ヨーゼフ・シュンペーターは、これに企業家や銀行家を加えた。

Phase 3: 「マクロの経済循環」と「経済主体」

マクロの経済循環がより囃される様になると多くの方が学校で習った様に生産要素を購入し、生産活動を営む企業、企業に労働力を提供し企業の生産物を購入して生計を営む家計、さらに政府の3つを経済主体とする分類が登場した。

Phase 4 (?): 「個」としての「経済主体」

ビッグデータの活用により よりそれぞれの「個」に焦点を当てる時代に突入している?


霞ヶ関ファイナンス

今回は「霞ヶ関」という日本の政治の中枢機関におけるファイナンスの仕組みをより可視化することが可能か 色々な提案をしていきたいと思う。

具体的に今回は政府のファイナンスや「予算」ではなく「政治資金」に焦点を当てて考えていきたい。

そもそも「霞ヶ関」ではどの様なお金(資金)が動いているのか。「政治資金」 とは (総務省サイトより引用)

政治資金には ①寄付(献金) ②政治資金パーティー ③政党交付金等があるらしい

政党助成制度とは

・議会制民主政治における政党の機能の重要性にかんがみ、選挙制度 及び政治資金制度の改革と軌を一にして創設された、国が政党に対する助成を行うこと により、政党の政治活動の健全な発達を促進し、もって民主政治の健全な発展に寄与す ることを目的とした制度である。

・政党助成法(平成6年2月4日公布、平成7年1月1日施行)に基づき管理されている

・毎年の政党交付金の総額は、人口(直近において官報で公示された国勢調査の結果に よる確定数)に 250 円を乗じて得た額を基準として予算で定めることとされており、平 成 27 年国勢調査人口により算出すると、約 318 億円となる
250 円 × 127,094,745 人(平成 27 年国勢調査人口)=31,773,687 千円
https://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seitoujoseihou/pdf/seitoujoseiseido.pdf


では「政治資金」をこれまで以上に可視化する手段や提案はなされているのだろうか?

今回は「ネットワーク分析」「フィンテック(特にビックデータ分析)」をとても簡単に紹介していきたいと思ううう!

新しい手段1: Bottom-up approach ネットワーク分析

ネットワーク分析においては「お金」ではなく「お金」を動かす「人」の動きに注視してファイナンシングを辿る場合が多い

例1: LSE教授らによる社会ネットワーク分析手法を利用政治資金分析

概要:With only two major political parties in the country, both the Republican and Democratic Party face the challenge of unifying ideologically diverse constituencies around a single presidential candidate. Using social network analysis, Andrew Dowdle and Song Yang inspect the behavior of individual donors during primary and national elections to examine cohesiveness within the two parties. Their work shows that the Democratic Party tends to be more unified compared to the Republican Party, even in years when it lost the overall election.


新しい手段2: Top-down approach  フィンテック × 政治資金の可視化

例2:選挙時における政治家の金銭授与のビックテータ分析

概要:“No single person or media organization could possibly investigate the funding sources of 24,000 federal politicians, but with the help of the internet, we might actually be able to hold every single politician accountable for how they raise money.”  (選挙時における政治家の金銭授与のビックテータ分析)


では誰がその「霞ヶ関ファイナンスの可視化」を分析すべきなのか

米国では政治家のカネの透明性を求める非営利の団体(National Institute on Money and Politics)があり、それが政治資金センターとして機能を果たし活動しているらしい 日本でも「公益財団法人政治資金センター」等が存在する。

これからさらに霞ヶ関ファイナンスを可視化するにあたりその役割を担うのは政治家かテクノロギー系のスタートアップ等の一般企業かアカデミアか それともそれらが連携したプラットフォームか

これからの時代より一層金融や政治情報の可視化が求められる時代になってくると予想される。フィンテックを始め多くの技術革新や新たな分析手法の確立が進んでいるのは確かである。

しかしその一方でいくらそれらが進んだとしてもそれらを既存の仕組みに取り込む為の新たな枠組みや社会システムづくりがなされない限り私たちはそれらをうまく享受することができないのではと思う

つまり何が言いたいかというと 技術や研究は大事 しかし それらを社会に取り入れる役割を担う「政治」や「社会システム」も大事ということである 


個人的 Takeaway: 今回この記事を書くにあたり「経済史」と「政治学」の知識がいかに欠如しているかヒシヒシと感じた 学ばねば そしてお腹すいた ハンバーグ 焼肉 ステーキ食べたい(圧倒的肉食 先祖ライオン!!!)




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