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高レベルの集中と安定状態を生み出す呼吸の「型」について
仏陀が創造し、開発した呼吸の制御法とは、身体、言語、心の総合的な統一法である。
呼吸の制御とは「呼吸を意識すること」であるが、言語活動は私たちの一切の生の活動の一つとして呼吸とともに行われる。また言語活動は必ずしもそのすべてが意識されるとは限らない膨大な「内的発話」を含む。よって呼吸の制御においては、内的発話の制御による言語活動の制御も重要なターゲットになる。
呼吸の制御=「呼吸を意識すること」としての身体、言語、心の総合的統一は、できるだけシンプルな型で行われることが望ましい。以下にその「型」を記述する。
① 十分な息を吸いながら自分の頭部斜め上方へと両手を挙げていき十分な吸気を腹に貯めた時点で頭部の斜め上方の位置で両手を合掌して静止させ息を5秒ほど止める。
② 頭部斜め上方に挙げた合掌の両手を、ゆっくりと丹田呼吸つまり「長呼気=長く吐く息」を意識しながら下降させて、吐く息を止めることなく長く持続させながら心のなかでシンプルな言葉を繰り返す。
※シンプルな言葉:私の場合は「南観世音菩薩」の称名/陀羅尼 dhāraṇī
⇒全呼気を吐き終わるまで特定の言葉を十二回程度=約15秒間繰り返す。
③ 合掌は次第に丹田へと移行させ、丹田の位置(へその下3寸=約9.1㎝)で静止させると同時に決まった形の印(例えば禅定印:ぜんじょういん・法界定印:ほっかいじょういん)を結ぶ。なお、上記シンプルな言葉は各自やりやすいものを考案すればよい。
以上が基本的な「型」である。
以上を毎日折に触れ(時と場所を問わず可能なチャンスがあれば)反復することによって身体、言語、心の無意識の統一=高レベルの集中と安定状態が生じる。また、長呼気の時間も初めから達成できなくとも次第に伸ばしていくことが反復訓練によって可能になる。
すなわち、高レベルの集中と安定状態としての呼吸の制御という行為(丹田呼吸)をつねに実行できるようになる。これによる実際的な効用は日々の生活において数えきれない。各自経験の中で確かめてほしい。
参考
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哲学・サイエンス・アートvol2
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