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哲学と科学④ <力>とダイアグラム

Introduction ニュートンと光の粒子説(と光の波動性)

 

ニュートンは史上はじめてプリズムによる分光実験を行ったにもかかわらず「光の粒子説」をゆずらなかったというのは注目すべきことであると言える。現在は波長によって光の屈折率が違うので光が「分かれる」と知られているが、ニュートンはあくまで彼の力学を「質点」を土台に打ち建てた。だが、波長分散によって生まれる色収差を消す反射式望遠鏡をも発明した二ュートンが光自身の(未知の媒質に無関係な)波動性つまり光自身の本質としての粒子性と波動性の根源的な二重性に全く気づいていなかったとは思われない。彼自らが生み出した前代未聞の質点の力学へのこだわりと考えればむしろ当然のことであるが。

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